ここ…何処
…何か懐かしい感じの場所だな。
『っ!来てしまったのか…』
あなたは誰?
…何で哀しそうな顔をしてるの?
『気をつけて…これは警告…。』
気をつけてって…何を?
『…ごめんね。
僕がもう少し強かったら…。』
え、どういうこと?
『ごめんね。続きはまた…』
え?ま、待ってよ…。
……………*…………………*……………………
「…ここは?」
目を覚ますと見覚えのない部屋。
ベッドから取りあえず降りる。
えっと…まず私はどうしてこんなことに。
それと…さっき何か大事なことを
言われた気がするんだけど…。
「何だったっけ…」
私が考え始めたその時
ガチャッとドアの開く音がした。
(…誰だろう。)
「おわっ!?お、起きてたのかよ。
驚かすつもりだったのにさ。
残念残念…」
と、残念がる様子は全くなくむしろ
くくっと笑いながら入ってきた男の……人?
「…あの、それは何でしょう?」
その動く耳と尻尾は?
「ククッ、変なことをきくなぁ。
ただの耳と尻尾なのにね」
…ただの耳と尻尾…?
「…えっと、あの、その…」
言いたいことがあり過ぎて言えない。
「ここは夢幻界。
人間界じゃない。冥界でもないしさ」
「…死んではないのね」
「そりゃそうだ。
何せ俺が助けたんだからな、ククッ」