第63話 今日は客の多い日だ
ついに奴の正体が判明します(`・ω・´)/
慎也たち討伐隊のメンバーは、しばらくその場で休憩を取った後、元来た森を抜けて街道へ出た。そこで待機していた馬車に怪我人を乗せ、街へと向かう途中、ゴブリン群の殲滅に当たっていた本隊と合流。
本隊の参加者に話を聞いたところ、罠を仕掛けてゴブリンたちを待ち伏せした上での作戦だった為、比較的容易に殲滅できたらしいが、希少種が多くいたことから無傷とはいかなかった。
彼らと同行していた馬車には、20名以上の怪我人の他、白い布で全身をくるまれた物言わぬ亡骸が10体程乗せられていた。
互いに再会を喜び、別れを悲しんだ後、一行はそろって早朝のキアナの街へと凱旋した。
すでに早馬によってゴブリンの討伐成功の一報は住民たちにも知らされていた為、討伐隊の面々は彼らの歓喜の声を以て出迎えられることとなった。
今回の強制依頼の始まった場所でもある北門広場にて、イアンは討伐隊員たちの今回の働きに感謝とねぎらいの言葉を送り、冒険者たちにはギルドの方から報酬を含めた処遇が個別でなされると説明した後、正式に解散となった。
翌日――
「良かったじゃねぇか! 討伐報酬に加えて、レベルアップに昇格と、良いことずくしだな!」
その日、慎也たちの住むウィルの一軒家に珍しく客があった。ドワーフ親子のヨルグとケーナだ。
まだ昼間なのに、酒瓶片手に顔を赤くしたヨルグが、隣に座っていた慎也の背中をバンバンと叩く。ただでさえ力が強いドワーフで、しかも鍛冶師でもあるヨルグの張り手は地味に痛いのだが、純粋に自分たちのことを喜んでくれているので慎也は我慢することにした。
「とは言え、冒険者になって最初の依頼を終えると同時に昇格ってのは、ちょっとしっくりこないと言うか……」
喜色満面のヨルグに比べ、当の慎也は少し複雑そうだ。
そう、慎也たちは今回の強制依頼で、ゴブリン・エンペラーを討ち取るといった活躍がギルドに評価され、7級から6級への昇格が認められたのだ。もちろん、それ以前にゴブリンに捕まった冒険者を助け出したり、ワイバーンを3人で倒して商隊を救ったりしたことも併せての昇格だった。
初依頼であるゴブリン討伐、スライム討伐を終える前の昇格というのは前代未聞だそうだ。
なお、今回の強制依頼の報酬を受け取ると同時に、慎也たちはゴブリン討伐、スライム討伐の依頼も終了することにした。
ゴブリンは当分見たくない、というのが3人の本音だったが。
面白いことに、ゴブリン討伐を清算を終えた時、討伐記録の中にゴブリン・エンペラーやゴブリン・ガーズも含まれていた。守護者や特殊召喚獣でも、名前に「ゴブリン」が付いていたことから、彼らもゴブリンと判別されたらしい。
おかげで強制依頼と合わせて結構な額の報酬が貰えたし、さらに3人揃ってレベルも上がったしで、慎也的には万々歳だったのだが。
「そういったイレギュラーな事態に見舞われるのも、冒険者の性さ。強制依頼のことも、討伐隊に選ばれたことも含めて、ね。まあ、良い経験を積んだと思えば良いさ」
元1級冒険者であり、OBでもあるウィルが言うと重みが違う。
「ねえ慎也君。スキルのこととか、ウィルさんに言わなくていいの?」
「あ! そうだ、忘れてた」
結衣の言葉に、慎也は肝心なことを失念していたことに気付いた。
「どうしたんだね?」
「実はオレたち、今回レベルが上がった時に、3人とも妙なスキルを覚えたんですよ」
ゴブリン・エンペラーとの戦いの後、自分たちのレベルが上がっていることに最初に気付いたのは結衣だった。3人揃ってレベルが上がったことを最初の内、慎也たちは純粋に喜んでいたのだが、ステータスやスキルをチェックしていた際、3人とも、スキル欄に見慣れぬスキルが付いていたのだ。
慎也は――
<勇敢なる心>
仲間が危機に陥った際、ステータスが上昇する。
結衣は――
<気まぐれな女神の祝福>
自身、もしくはパーティメンバーが危機に陥った際、ランダムで幸運度が上昇する。
ユフィアは――
<絆の恩寵>
パーティメンバーに対する回復魔法、補助魔法の効率が上昇する。
「ふむ……」
慎也の説明を聞き終えたウィルは、興味深げに顎を撫でた。
「みんなパーティに関わるスキルばかりですね」
ケーナの言う通り、慎也たちが得た3つのスキルは、仲間が危機に陥った時のものばかりなのだ。
「確かに、今回は本当に危なかったです」
そう言って、ユフィアはじーっと慎也の方を見た。
「ホント、死んじゃうかと思った」
同調する結衣も、じとーっと慎也に目を向けた。
「…………………………ごめん」
そんな居た堪れない視線を左右から同時に浴びた慎也は、1回り小さくなって2人に謝罪した。
「ちなみに、3つともユニークスキルかい?」
「そうです」
ウィルの問いに、慎也は頷いた。
「スキルと言うものは、言ってみれば技術だ。練習し、覚えて、研鑽を重ねる度に練度が上がる。故に、例えレベルを上げなくとも、技術を磨き続ければスキルを覚えることは可能だし、スキルレベルも上昇させることが出来る。だが、ユニーク系のスキルだけは違う。ユニークスキルは、生い立ちや育ってきた環境に影響されたり、あるいは特殊な経験や条件を経ることで、本人も気付かない内に突発的に習得してしまう場合が多い。シンヤ君やユイ君の<異言語習得>が良い例だね」
確かに、慎也と結衣の<異言語習得>は、こちらの世界に来て最初にステータスを確認した際にいつの間にか付いていた。
どうも、地球という異世界で暮らしていた人間が、こちらの世界に転移するという特殊な経験、あるいは条件を満たしたことによって付与されたのではないか、というのがウィルの持論だ。
つまり、慎也たちと同じ異世界人は皆、同じスキルを持っていることになる。
「君たちがこれらのスキルを得るに至った条件は、恐らく仲間、あるいは大切な者の危機、だろう」
そう言われて改めて思い返してみると、確かに思い当たることがあった。
慎也の場合は、自身が大怪我を負い、動けなくなった時、目の前で結衣がゴブリン・エンペラーに殺されそうになっていたのに、為す術も無く見ていることしか出来なかったことだ。
結衣を助けたいという思いが極限まで高まった時、何故か少しだけ力が沸いた。恐らくあの時、スキルが目覚めたのだろう。実際、イクサ――ミコトのスキルによって復活した後、何故かHPが増え、身体が妙に軽く感じたのも、<勇敢なる心>の効果だったのだ。
結衣は慎也と違って、スキルが目覚めた切っ掛けは判らなかったが、思い当たることはあった。
ただ、慎也がゴブリン・エンペラーに致命傷を負わされ、助からないとユフィアから聞かされた時、奈落へ突き落とされたかのような絶望を味わった。慎也をそんな目に遭わせたゴブリン・エンペラーを心の底から恨み、憎しみのままに攻撃して返り討ちに遭い、死にそうになった訳だが……
だがその後、幸運にも慎也の<勇敢なる心>が発現し、幸運にもイクサ――ミコトの<起死回生>によって慎也は復活し、幸運にも、慎也によって自分も危機から救われた。
あれら全てが<気まぐれな女神の祝福>の効果だとしたら、かなり凄いスキルだなー、と我が事ながら少し怖く感じた。
だが実際、あの時、3人の中で1番追い詰められていたのはユフィアだろう。なにしろ、眼前で慎也とユフィア、2人が同時に死にかけたのだから。
あの時、酷い傷を負わされた慎也を、ユフィアは懸命に回復させようとした。だが、傷が酷すぎてユフィアの回復魔法では癒すことが叶わなかった。
このままでは慎也が死んでしまう――心の芯が凍り付くような絶望と、自分の無力さをこれでもかと言うほど味わっていた所へ、追い打ちを掛けるかのように、結衣までゴブリン・エンペラーに殺されそうになった。パニックになった。
仲間の危機に、なにも出来ない自分の力の無さを、いっそ呪いたくなったくらいだ。
パーティメンバー限定とはいえ、回復魔法の効率が上昇することは、ユフィアに取って大きなプラスだった。慎也や結衣が怪我をした時、それを癒すすことが、あるいは補助することがユフィアの役目なのだから。
「そうだ。スキルと言えば、ウィルさん。この刀はいったいなんなんですか?」
慎也は腰に下げていたイクサを掲げてウィルに尋ねた。
「ふむ。それについて尋ねてくるということは、ようやく刀のレベルが上がって壱の型が解放されたようだね」
と、ウィルは笑顔で答えた。
「やっぱり、ただの刀じゃないんですね?」
全て知っていた、と言わんばかりのウィルに、慎也はじと目で再度尋ねた。
「ああ。もちろんただの刀じゃない。壱の型が解放されて、君がただの刀じゃないことに気付いた後で全て話そうと思っていたんだ」
ニコニコと――それこそ、孫の成長を微笑ましく見守る好々爺のような顔でウィルは頷いた。
「説明する前に……そんな所で盗み聞きしてないで、君たちも入ったらどうだね?」
「!」
玄関に目を向けてウィルが言った。
盗み聞き、と聞いて慎也が思わず緊張したが――
「……やはり見破られていましたか」
「貴族になって腕が鈍ったんじゃねぇのか?」
「そもそも、盗み聞きなどという行為自体、感心しないのだがな」
ドアを開けて、ワイワイと喋りながら入って来た者たちの顔を見て、慎也たちは仰天した。
「イアン様!? それに、マクレーンさんにエミリータさんも!?」
驚く慎也だったが、来訪者はそれだけではなかった。
「お邪魔します」
「こんにちはー!」
3人の後に続いて、フェルナとシアーシャまで入って来た。
「やれやれ、今日は客の多い日だ」
元々さして大きくない一軒家だった上、既に来ていたヨルグとケーナに加え、新たに5人も客が来たことで、さすがに家の中が手狭になった。さすがに常備している椅子だけでは足らなくなったので、急きょ外にある切株を運び入れて椅子代わりにすることになってしまった。
ちなみに切株に座ることになったのは、ジャンケンで負けたマクレーンとシアーシャだった。
「どうしたんですか、皆さんおそろいで?」
思いもよらぬ人たちの来訪に、ユフィアが目を瞬かせながら尋ねた。
「私はウィル殿に所用があって来たんだが、途中でマクレーンたちに捕まってしまってね」
と、イアンがマクレーンとエミリータの方を見ながら説明した。
「オレはシンヤに<闘気>を教えてやる、って約束してたからな。ちょっと聞きたいこともあったし」
「私はイアンがなにか企んでいるかもしれないと思って、監視の為に来たのだ。まったく。貴族になってからと言うもの、小賢しいことばかりに勤しむようになりおって」
「小賢しいとは心外だ。これでも騎士団長なんだぞ? 領民すべての平穏を守る義務がある以上、気の赴くままに剣を振るっていた頃とは、役目や責任も、なにもかもが違うんだ」
なにやら言い合いを始めてしまったイアンとエミリータを他所に、シアーシャが「はーい」と子供みたいに手を上げた。
「あたしたちは士爵さまたちが揃って森へ行こうとしてるのを見かけて、面白そうだから付いて来ただけでーす」
「1番下らない理由だな」
子供みたいな理由に、慎也が思わずツッコミを入れた。
「ごめんなさい、シンヤさん。ご迷惑だと思って止めようとしたんですけど、この子、昔から面白いと感じたら止まらない性格なんです」
申し訳なさそうにフェルナが謝罪した。彼女だけはシアーシャの暴走を止めようとして、止めきれずになし崩し的に付いて来てしまったらしい。
「それで、ウィル殿。シンヤの刀の話をしていたようですが、私の見立てでは、あれはかの《剣神》ヴァルディの作品だと思うのですが?」
「ほぉ……さすがに慧眼だね」
イアンの推測に、ウィルは感心したように頷いた。
刀剣マニアというのは伊達では無く、彼の推測は正解だったらしい。
「ヴァルディ、って、誰ですか?」
聞いたことの無い名前に、慎也が尋ねた。
「ヴァルディは、500年ほど前に実在したドワーフの鍛冶師だ。同族であるわしらにとっては、まさに神のような存在だよ」
シンヤの質問に答えたのは、同じくドワーフであるヨルグだった。
「稀代の名鍛冶師だったヴァルディは、生涯を通じて刀剣しか打たなかった変わり者としても知られてる。だが彼が鍛えた刀剣は、そのすべてが恐るべき力を備えた魔剣や霊刀ばかりだったそうだ。そんなヴァルディのことを、人々は敬意を込めて剣の神――《剣神》と呼んでいたんだ」
へぇ、と慎也はヨルグの話に聞き入った。
《剣神》と聞くと、なにやら剣技の達人みたいなイメージを持つが、ヴァルディはとんでもない剣を多く作り出した為に、剣の神と呼ばれるようになったらしい。
「シンヤ、お前さんのイクサは、ヴァルディが晩年に作り出した最高傑作『エクセリオン・シリーズ』のうちの1振りだ」
「エクセリオン・シリーズ?」
ヨルグの言葉に、慎也は疑問符を返した。
「簡単に言えば”進化する剣”だ」
今度はウィルが言う。
「ヴァルディは確かに数々の恐るべき剣を生み出したが、皮肉なことに、当時、彼の剣を十全に使いこなせるほどの剣士はほとんど存在しなかったそうだ。いや、充分な実力が無かったからこそ、彼の作った剣の性能に頼ろうとしたのかもしれない。だが、剣は振るってこそ剣。どれだけ優れた剣を作っても、使い手がその性能を引き出せなければ、結局は宝の持ち腐れだ。そこで彼が作り出したのが、使い手の成長を促し、使い手と共に成長する剣――それが『エクセリオン・シリーズ』」
「使い手の成長を促し、使い手と共に成長する?」
得体の知れない言葉に、慎也は戸惑ったようにイクサに目を落とした。
「エクセリオン・シリーズは、使い手と共に成長し、進化する剣。最初のうちは、よく斬れて滅多なことでは壊れないというだけのごく普通の刀剣なんだが、使い手のレベルやスキルが上がる度に、剣も経験値を蓄積し、レベルアップしていく。そして一定以上の経験値が溜まってから、初めて秘められた真価を発揮する」
「なるほど、それで……」
レベルアップする剣――これまで聞いたことも無い言葉だったが、刀にレベルやスキルレベルが付いていた謎が解けた。
「しかもこのイクサは、エクセリオン・シリーズの中でも最新型の1つでね――まあ、500年も前に造られたものを最新型と呼ぶのもどうかと思うが――複数の霊刀を融合させて造られた複合型なんだそうだ」
「複合型?」
そう言えば、イクサは進化型複合霊刀と表記されていたのを思い出した。
「いくつもの霊刀を1つに集約した刀、とでも言うべきかな。つまり、イクサに秘められた霊刀の型は1つだけではないのさ。幾つあるのかはわしにも判らないが、他にも秘められた型が存在し、使い手である君と、そしてイクサ自体の成長に合わせて解放されていく仕組みになっているんだよ。もちろん、解放された霊刀の型にもレベルやスキルが存在し、レベルアップさせることで性能を強化することが可能だ。イクサに秘められたすべての型を開放し、全ての型のレベルを最大まで上げた時、君自身も、ヴァルディの最高傑作を振るうに相応しい剣士になっているだろう」
「――」
言われてみれば、確かに解放されたイクサの形態――ミコトは壱の型と表示されていた。なら当然、弐の型、参の型が存在していることは想像に難くない。そしてそれらすべてに独自の能力とスキルが存在し、レベルアップさせることで強化されていく、という訳だ。
「刀に宿っているスキルは、君自身が持っていないスキルばかりだろう? 当然、刀を持っていない状態ではそれらのスキルは使えない訳だが、何度も刀を振るい、スキルを使用して鍛錬を重ねれば、いずれ君自身にもそれらのスキルが使えるようになる。使い手を成長させ、使い手と共に成長する剣とは、よく言ったものだよ」
ぞくっ、と背筋に冷たいものが走るのを慎也は感じた。
これは思った以上にとんでもない武器だったようだ。
「本当に、オレがもらって良かったんですか?」
イクサに秘められた可能性と価値に、今更ながら慎也は怖くなった。
「気にすることは無い。人を成長させるイクサは、わしのような老いぼれより、これからの剣士にこそ相応しい刀だ。壱の型を開放させたことが、なによりの証拠さ。君ならいずれ、イクサに秘められたすべての力を開放することが出来るようになると、わしは信じている。それが、わしや、イクサを作ったヴァルディへの最高の恩返しと思ってくれ」
「……必ず!」
この期待と恩は裏切れない――
イクサを両手で力一杯握り、慎也は改めて誓った。
必ずこの刀を自分のものにしてみせる。これを与えてくれたウィルと、造ったヴァルディの期待に応えて見せる、と。
「で、イクサに関しては以上だが、君らの用件をまだ聞いとらんかったな」
そう言って、ウィルはイアンたちに、なにやら懐かしむような優しい目を向けた。
「キアナの街きっての悪童3人が、ずいぶん逞しくなったものだ」
「ウィル殿! 昔の話はしないでいただきたい!」
イアンが真っ赤になって声を上げた。
「悪童?」
結衣が首を傾げて訪ねた。
「イアンとマクレーン、エミリータの3人は、昔はキアナの街で知らぬ者がいないほどヤンチャだったんだよ」
「ほう? そいつは、わしも初耳だ」
ヨルグも興味を持ったらしい。彼は娘のケーナが赤ん坊の頃にこの街にやって来たそうだから、時期的には彼らが10代だった頃だ。
「同じような悪童たちと毎日のように喧嘩をする。商隊の馬車に潜り込んで隣の領まで行って帰ってこれなくなる。3人だけで森へゴブリン退治に行って返り討ちにされる。領主の館に忍び込もうとしてつまみ出される……悪事を上げたらきりがないくらいだ」
「止めてくれ、爺さん! 昔の思い出話は心に効く!」
さしもの3級冒険者も、過去の黒歴史を赤裸々に暴露されるのは自尊心を抉られるらしく、真っ赤な顔でマクレーンが叫んだ。
「若さゆえの過ちだったんだ……」
エミリータに至っては、テーブルに突っ伏して痙攣している。
勇猛果敢なベテラン冒険者の意外な一面を見て、慎也は、後でウィルさんに詳しく聞こう、と思った。というより、たぶん、こうなるのを判っていて人前で彼らの思い出話をするウィルも大概だなー、と。
「それで、なんの用かな?」
一通り3人を弄って満足したのか、思い出したように再度ウィルが尋ねる。
「そうだ! シンヤとユイに確認したいことがあったんだ!」
と、マクレーンがヤケクソ気味に声を上げる。
「私と慎也君に、ですか?」
結衣が首を傾げた。
話の内容よりも、何故、自分と慎也なのか。何故ユフィアが含まれていないのかが気になった。
「そうだ。少々場違いなことを尋ねるようで悪いのだが……まあ、ここにいる者たちなら大丈夫だろう」
ちらりと、この場にいる一同を見回してから、エミリータは改めて慎也たちの方を見て――
「君たちは、異世界人か?」
次回更新は12/9日、18時予定です。




