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異界の刀銃使い  作者: 太公望姜子牙
始まりの章
6/135

第6話 どうして飛行機を知っている?

ステータスとかスキルとかを書くのは初めてです。何か至らない点に気づいたら感想等で教えてくださいm(_ _)m

 ウィルの予想外の一言に、家の中の空気が凍り付いた。

 慎也はもちろん、魔法を見てあれだけはしゃいでいた結衣すら唖然としている。結衣と相談した上で、自分たちが異世界人だということは内緒にしておくと決めた直後、なんの前触れも無く自分たちの正体を言い当てられるとは夢想だにしていなかった。

 ユフィアの方も、ウィルの言葉が意外だったのか、ぽかんとした様子だ。


「……どうして、それを?」


 たっぷり10秒以上の沈黙を置いて、絞り出した慎也の声は掠れていた。


「なに、わしには君たちのステータスが見えるからね」


 返ってきたウィルの答えは意味の判らないものだった。


「ステータス?」

「……ふむ。どうやら君たちは、まだこの世界に来て間も無いようだね」


 訳が判らないと言った風の慎也と結衣の様子からウィルはそう判断した。

 そして実際、それは当たっている。


「心の中で「ステータス」と念じてみなさい」


 訳が判らないまま、ウィルの言われた通りにしてみると――


  名前:シンヤ

  種族:人族

  年齢:15

  性別:男

 レベル:2

 生命力:183/183

 魔力値:40/40

 経験値:13/25

  筋力:52

  魔力:20

  敏捷:38

  技術:50

  知力:19

  防御:42

  抵抗:13

  精神:55

  幸運:37


 スキル


 武器系

<刀術204><長柄武器85><射撃60><狙撃59>


 格闘系

<体術171><柔術123>


 索敵系

<観察眼50><気配察知77>


 運動系

<水泳161><クライミング98>


 生産系

<木工104><調合88>


 労働系

<調理150><釣り101><解体144><修理90><建築100><狩猟99>


 ユニーク系

<異言語習得->


 称号

<異界の民>


 賞罰

 なし


  名前:ユイ

  種族:人族

  年齢:15

  性別:女

 レベル:1

 生命力:42/42

 魔力値:25/25

 経験値:0/12

  筋力:9

  魔力:4

  敏捷:8

  技術:13

  知力:27

  防御:4

  抵抗:0

  精神:10

  幸運:158


 スキル

 索敵系

<観察眼50>


 運動系

<水泳70>


 生産系

<裁縫67>


 労働系

<調理34>


 学術系

<速読47>


 ユニーク系

<異界語習得->


 称号

<異界の民>


 賞罰

 なし


「うおっ!?」

「なに、これ!?」


 突然視界に現れた半透明ウィンドウに驚いて、慎也と結衣は同時に声を上げた。


「見えるだろう? いま君たちの視界に映っているのが君たちの情報――ステータスだよ」

「ステータスって、まじでゲームみたいだ……」


 一応人並みにゲームをやった経験のある慎也は呆れたように呟いた。


「『げーむ』というものがなんなのかは知らないが、この世界では誰もが自分の強さ、情報をこのように一目で確認できるんだよ。君たちの世界には無い概念じゃないかね?」

「ええ、まあ……」


 ウィルの質問に曖昧な返事で返す慎也だったが、ふとあることに気付いた。

 確かに自分のステータスが目に見えるが、同じ様に自身のステータスを眺めているはずの結衣。彼女のステータス画面は慎也には見えなかった。

 だが、ウィルはさっき、こちらのステータスが自分には見えていると言った。つまり――


「……あなたは、他人のステータスを見ることが出来るんですよね?」

「その通りだ」

「……それは、あなたのスキルによるものですか?」


 慎也が尋ねると、ウィルは少し驚いた顔になった。


「君は勘が鋭いね」


 勘が鋭いと言うよりは、RPGゲームをやり込んだことのある人間なら想像がつくだろう。大抵のロールプレイングゲームには、敵のステータスを調べる為の魔法やスキルが存在しているから。


「君の言う通り、わしは他者のステータスを覗き見るスキルを持っている。もちろん誰もが有している訳じゃない。同じことが出来る人間はこの世界に5人といないはずだ。無論、見られないようにする対応策もあるが、いまの君たちはまったくの無防備なのでね」

「……なるほど」


 だとしたら自分たちが異世界人だと気付くのも当然だ。ステータス画面の一番下、称号欄にでかでかと<異界の民>と書いてあるのだから。

 まあいずれにせよ、バレてしまったのなら仕方が無い。


「お察しの通り、オレたちは異世界からやって来た人間……だと思います」

「だと思う、と言うのは、どういうことかね?」

「まだ実感が湧かないというか……オレたちがこちらの世界に来たのは、今日の朝の出来事なんです。異世界かもしれないとは思ってましたが、確信が持てないままずっと森を彷徨っていて、最初に見つけた人間がユフィアさんだったんです。正直まだ、夢でも見てるんじゃないかと思えて」

「……なるほど」

「けど、いまさらながら実感が沸いてきました。ここは、オレたちの住んでいた世界じゃないんだ、って。風美もそうだろ?」

「私は最初から異世界だって信じてたよ?」

「……あ、そう」


 考えてみれば、最初に「異世界かも知れない」と言いだしたのは結衣だった。慎也と違い、異世界転移物の小説を読み漁っていた彼女は早々に現実を受け入れたらしい。

 図太いというかなんというか……


「じゃあ、御二人は本当に異世界からいらっしゃったんですね!?」


 目を輝かせたユフィアが叫ぶように言った。


「うん、そーだよ」

「凄いです! 話に聞いていた異世界の人が本当に存在して、しかも実際に会えるなんて!?」


 そのユフィアの言葉に含まれた重大な事実に、慎也だけでなく結衣も気付いた。


「もしかして、私たち以外にも異世界から来た人がいたの?」

「はい。と言っても、ずっと昔のことですが」


 昔とはどういうことなのか。慎也と結衣が首を傾げていると、今度はウィルが口を開いた。


「君たちの世界ではどうだったのかは知らないが、我々の世界では、この世界以外にも別な世界が存在していることは広く知られている。というのも、太古の昔から、世界の壁を越えてこちらの世界にやって来た人間が大勢いからね」

「大勢?」

「昔から?」


 慎也と結衣の問いに、ウィルは頷いて続けた。


「そうだ。いつの頃から起こり始めたのかは定かでないが、だいたい数百年置きに異世界の人間がこちらの世界にやって来る事象が何度も起こっていたんだよ。大抵は複数でね。最後に異世界人がこちらにやって来たのは、300年から400年前だったそうだ。まさか、生きている間に実際に会えるとは思わなかったよ。長生きはするものだね」


 なんてこった、と慎也は頭を抱えたくなった。

 それまでは普通に暮らしていた人間が、ある日突然居なくなってしまうという事件は昔から度々起こっていた。神隠しなどと言われていた事例のいくつかは、これが原因だったに違いない。


「それで、わしの方も尋ねたいのだが、君たちはどうやってこちらの世界にやって来たのかね?」

「私も聞きたいです!?」

「……判りません」


 ウィルとユフィアの質問に、慎也は内心で「それが判れば苦労はしない」と思ったが、賢明にも口のは出さず事実だけを述べることにした。


「オレたちは飛行機という乗り物に乗っていて、事故が起こったと思ったら、気付いたら森の中にいたんです」


 慎也の説明に結衣もこくこくと頷いた。もっとも、彼女は事故が起こったことも知らずに寝ていたそうだが。


「ひこーき?」


 飛行機というものを知らなかったらしいウィルが首を傾げた。


「知ってます。飛空艇のような空を飛ぶ乗り物ですよね!? 飛空艇よりもずっと速く空を飛べて、一度に何百人も乗せられる鋼鉄の鳥!」

「飛空艇あるんだ! 凄い、乗ってみたい!」

 

 嬉々として答えるユフィアと、ファンタジー世界では定番の乗り物である飛空艇があると知って、こちらも嬉々として喜ぶ結衣。

 そんな彼女とは裏腹に、慎也はユフィアの言葉に秘められた重大な矛盾に気付いた。


「どうして飛行機を知っている?」



スキルレベル目安

上限は1000


LV1~100    初心者

LV100~200  一人前

LV200~300  中級者

LV300~400  熟練者

LV400~500  名人

LV500~600  上級者

LV600~700  達人

LV700~800  神業

LV800~900  極み

LV900~1000 マスター


次回は7/17、午前0時更新予定です。

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