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異界の刀銃使い  作者: 太公望姜子牙
冒険者の章
50/135

第47話 おい、冗談だろ……

やっぱステータスを書くのって大変です(´・ω・`)

「あ」


 ゴブリン・キングの群れを殲滅し終え、程無く慎也たちは、ユフィアの言っていた小山を目指しつつ当初の陣形で行軍を再開した。幸いにもそれ以降は魔物と遭遇(エンカウント)すること無く平和な道中が続いていたのだが、歩き始めてしばらくしてから結衣が不意に声を上げた。


「どうした?」


 なにか見つけたのかと、慎也が問う。


「レベルが上がってるよ。慎也君とユフィアちゃんも」


 返って来たのは、そんな嬉しそうな声だった。見ると、確かに3人のレベルが1つずつ上がり、慎也はレベル29に、結衣とユフィアはそれぞれ26と28になっていた。


  名前:剣崎慎也(シンヤ)

  種族:人族

  年齢:17

  性別:男

 レベル:29(up)

 生命力:3681/3681(up)

 魔力値:457/532(up)

 経験値:2981/35007

  筋力:861(up)

  魔力:482(up)

  敏捷:799(up)

  技術:667

  知力:253

  防御:310

  抵抗:429

  精神:687

  幸運:203


 武器系

<刀術555(up)><射撃489(up)><狙撃432(up)><魔法剣400(up)><魔法銃417(up)>


 格闘系

<暗技309(up)>


 魔法系

<魔力操作454(up)><物理魔法334(up)>


 索敵系

<看破352(up)>


 運動系

<歩法341(up)><疾駆358(up)><跳躍392(up)><悪路走破425(up)><閃駆322(up)>


 労働系

<解体411(up)>


  名前:風美結衣(ユイ)

  種族:人族

  年齢:17

  性別:女

 レベル:26(up)

 生命力:1611/1611(up)

 魔力値:781/887(up)

 経験値:30011/33287

  筋力:254

  魔力:709(up)

  敏捷:339(up)

  技術:343(up)

  知力:456

  防御:203

  抵抗:466

  精神:469(up)

  幸運:810(up)


 魔法系

<火魔法544(up)><雷魔法521(up)><氷魔法530(up)><土魔法243(up)><風魔法253(up)>


 耐性系

<恐怖耐性221(up)>


 索敵系

<観察眼337(up)>


 運動系

<歩法344(up)><悪路走破385(up)>


 商業系

<交渉461(up)><値切り451(up)><値上げ339(up)>



  名前:ユフィア

  種族:人族

  年齢:16

  性別:女

 レベル:28(up)

 生命力:1522/1522(up)

 魔力値:981/1095(up)

 経験値:37891/40288

  筋力:300(up)

  魔力:788(up)

  敏捷:320(up)

  技術:431

  知力:562(up)

  防御:309

  抵抗:525(up)

  精神:389

  幸運:231


 魔法系

<神聖魔法699(up)><生活魔法601(up)><詠唱342(up)>


 耐性系

<苦痛耐性332(up)><恐怖耐性221(up)><物理耐性202(up)><火耐性523(up)>


 索敵系

<気配察知500(up)>


 運動系

<歩法309(up)><悪路走破331(up)>


 労働系

<調理550(up)><解体403(up)>


 よく考えてみれば、ワイバーンと戦った後からステータスを一切確認していなかった。


 ワイバーン。ゴブリン・ジェネラル。ゴブリン・キングと、レベル的に同格か格上と連戦したのだから、レベルが上がるのは当然かもしれない。


 慎也は前衛で戦っているだけあって、武器系、運動系のスキル向上が著しい。

 対して結衣は攻撃魔法が軒並み上昇している。商業系スキルまで上がっているのは、ワイバーンの素材を売るときに活躍してくれたおかげだろう。

 ユフィアは神聖魔法の他、耐性スキルの上昇が目立つ。なんでも、防御系魔法を活用していると耐性系スキルが上がりやすいらしい。


 また、3人とも足場の悪い森の中を走り回っているおかげか、<歩法309>と<悪路走破>が揃ってアップしていた。


 だが、新たなスキルの習得は無かった。まあ、同じ森の中で同じような戦闘を繰り返しているので当たり前かもしれないが。


「おう、レベルが上がったのか?」

「おめでとう」


 マクレーンとエミリータが笑顔で言った。

 この世界では、レベルが上がるのはめでたい事と認識されている。誕生日みたいな感覚だ。

 ちなみにマクレーンとエミリータのレベルに変化はなかった。2人ともレベルが30を超えている為、レベルアップに必要な経験値が、レベル20台の慎也たちよりもかなり多い。


 通称『10の壁』と呼ばれ、レベルが10上がるごとにレベルアップに必要な経験値が大幅に増加する。これのせいで、魔物の弱いスアード領は腕利き、或いは高レベルの冒険者が居付かない訳だが。


「止まれ!」


 レベルアップに浮かれる一同を、エミリータの鋭い一言が現実に引き戻した。


「どうした?」


 空気を察し、一転して真剣な表情になったマクレーンが小声でエミリータに尋ねる。


「あそこに1匹いる」


 エミリータが指さした方を見ると、確かに槍を持ったゴブリンが林の向こうに立っている見えた。希少種ではない。ただのゴブリンだ。幸いこちらには気付いていない。


 5人は素早く近くの物影に隠れた。


「他のゴブリンの気配は?」

「いや、近くには感じられない。少なくとも、この近辺にいるのはあれ1匹だ」


 マクレーンとエミリータのやり取りを聞き、慎也も周辺の気配を探ってみるが、確かに他にゴブリンの気配は感じられない。


「様子がおかしい」

「ああ、ありゃどう見ても普通じゃねぇな」


 たった1匹のゴブリンに対し、ベテラン冒険者の2人が警戒心を剥き出しにしている様に、結衣とユフィアはさも不思議そうに首を傾げた。


「あの、なにがおかしいんですか? ただのゴブリンにしか見えませんけど……」


 意を決して結衣がエミリータに尋ねた。


「ただのゴブリンが、1匹だけでこんな場所にいること自体がおかしいんだ」


 だが、答えたのは慎也だった。


「ゴブリンは群れで行動する習性がある。もちろん群れを失ったり、はぐれたりして単独でいる奴もいるが、それにしたってこんな場所でじっとしているのは妙だ」


 よく見れば、ゴブリンはひどく退屈そうに欠伸を漏らしていた。なのにその場から動こうとはしない。これは明らかに不自然だ。

 ゴブリンは人間の幼児ほどの知能と運動能力しか持たないが、同時に人間の子供以上に好奇心が旺盛で本能に忠実なのだ。人間の幼児がじっとしていることを嫌がる以上に、ゴブリンは退屈というものを嫌う傾向がある。

 なのに、あのゴブリンは欠伸が出るくらい退屈しているにも拘らず、その場から動こうとしない。


「たぶん、奴は見張りだと思う」


 慎也の推測に、マクレーンとエミリータは一瞬驚いた表情になるも、すぐに感心したように笑みを浮かべた。


「なかなか鋭いじゃねぇか」

「ああ、私も同じ意見だよ」


 マクレーンとエミリータも慎也の推測に同意を以て頷いた。

 あのゴブリンが退屈に耐えながらもその場から動かないのは、見張りを命じられているからだ。恐らく、群れのボスに。

 つまり、この近くにゴブリンの巣か、或いは拠点が存在しているという証左だ。


「だが場所が問題ですね。ユフィア、確かこの向こうにあるのは……」

「はい。あのゴブリンがいる場所の向こう側が切り立った斜面になっていて、その下を川が流れてます。その川の向こう側に、私たちが目指してる小山があります」


 慎也の問いに、ユフィアが答える。それを聞いたエミリータは、「ふむ」と考える仕草を見せた後、改めてユフィアに尋ねた。


「もう1度確認しておくが、その山や付近にゴブリンが居付くような洞窟は無いんだな?」

「ありません。山と言っても300メートルくらいの小さな山です。一面に草が生えているだけで、木も生えていなかったはずです」


 ユフィアはそう断言した。

 だが、マクレーンもエミリータも、そして慎也さえもその答えには懐疑的だった。

 なにしろあの見張りゴブリンの立ち位置からして、件の小山に拠点がある可能性が高いからだ。もちろん、ゴブリンの拠点=洞窟や洞穴とは限らない。群れが増えると集落を作ることもあるというのは先にも述べたが、それでも山の上に集落を作ることはまずあり得ない。なぜなら、人間の子供並みにひ弱なゴブリンは、木に登るのは得意だが、山に登るのは苦手なのだ。筋力が弱く、体力が無いから。

 なにしろ、辺境の集落などでは「ゴブリンが出たら高台へ逃げる」という不文律が常識になっているくらいだ。


 いくら小さいとはいえ、300メートルを超える山に、ゴブリンが集落を作るとは思えない。だが、ユフィアは頑なに洞窟は存在しないと断言する。


 では、あのゴブリンはなにを見張っているのか?

 あの向こう側になにがあるのか?

 どうしても確認する必要がある。


「まあ、直接確かめれば良いだけの話だ」


 いったん推理を中断したエミリータは、改めて見張りのゴブリンに向き直った。彼我の距離は20メートルほど。いまだ向こうはこちらに気付いていない。これでは見張りの意味が無い。

 だが、あのゴブリンを排除しないと向こうになにがあるのか確かめることが出来ない。だが、府不用意に近づいて気付かれでもしたら仲間を呼ばれてしまう。どうにかして、他のゴブリンに気付かれないよう、あの見張りを始末する必要がある。


「シンヤ、君の《見えざる手(アステロイド)》は、あそこまで届くか?」


 見張りゴブリンを指してエミリータが慎也に尋ねた。


「届きますけど、どうするんですか?」


 聞き返す慎也に、エミリータはニヤリと笑いながら、懐から投擲用のナイフを1本取り出した。


「……なるほど」


 彼女の考えを察した慎也は、納得顔で頷いた。ちなみに、他の3人には判らなかったらしく、そろって頭の上に疑問符を浮かべていた。


「では、行くぞ?」

「いつでもどうぞ」


 慎也が答えると、エミリータは目にも留まらぬ速さでゴブリン目掛けてナイフを投擲した。飛翔するナイフは寸分違わずゴブリンのコメカミを捉えた。


(あの精確さ。エミリータさんの<投擲>スキルは600を超えてるな……)


 冷静に分析しながらも、慎也は即死したゴブリンが崩れ落ちる前に《見えざる手(アステロイド)》を使ってその身体をこちら側に引き寄せ、近くの地面に適当に転がした。

 そのまま息を殺してしばらくじっと待つが、他のゴブリンが来る気配はない。どうやら見張りがやられたことに気付かなかったようだ。


「よし、行くぞ」


 エミリータの合図で、5人は再度前進する。気配を気取られないよう、息を殺し、足音を忍ばせながら、ゆっくりと。

 やがて木々が途切れ、視界が開けた。ユフィアの言う通り、林の向こう側は急斜面になっていて、その下を大きな川が流れている。


 その向こうにあったのは――


「おい、冗談だろ……」


 呆然としたマクレーンの呟きが、その場に虚しくこだました。

次回更新は、10/13日の18時の予定です。

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