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クロエの不思議な魔法の記録  作者: Sakusaku


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42/44

42: 襲撃

 **偵察部隊仮設基地 遺跡正面から1キロメートル地点……夕方……**


「さあ……作戦を確認しましょう……」


 今や全生徒が偵察部隊と合流し終えていた……シーモー……めぐみ……そしてラケスが今回の作戦会議の中心となっていた。


「私たちは三つの小グループに分かれます……それぞれ13〜14人……偵察部隊も私たちをサポートしてくれます」


「了解です……」


 カチャッ!……少女のエミリーが機関銃に弾倉を装填し、薬室に弾を送り込んで準備を整えた。


「医療チームは……戦闘が始まったらここに留まってください……隠蔽カプセルを使用し……怪我人が出るまで魔法の使用は絶対に禁止です……」


 医療チームリーダーのエイドリアンが頷いて受け入れた。


 偵察部隊からの情報によれば……彼らはこの神殿に何度も潜入し、入口が三つあることを突き止めていた……正面と両側面の入口だ。神殿の形状はマヤ文明の遺跡に似ているが、建物全体が黄金で覆われ、希少な宝石のように美しく輝いていた。


 しかしそれは魔法によって作られたもの……かつてインプリジアンの民をほぼ絶滅寸前にまで追い込んだ生き物の魔法によって。


「どうやって突入するんですか?」


 シーモーがすぐに聞いた……今回の場所はとても狭く……全員で突入すれば、魔女に刻まれる肉片を待つだけになってしまう……


「神殿を包囲するように兵力を分散させます……魔女の手下をできるだけそちらの方向に引き付けて」


「では……魔女を倒しに行くのは何人ですか」


 中位クラスの魔女とはいえ……その能力を決して侮ってはならない。なぜなら中位の魔女はある条件が揃ったとき、上位の魔女へと変貌することができるから。


 そしてその条件が成立してしまったら……覚悟しなければならない。


「今回、魔女を討伐しに行けるのは上位魔法レベルの者だけです……」


 めぐみの表情には、魔女がレベルアップする可能性への不安がにじみ出ていた……指揮官として、その巨大なプレッシャーと責任を一人で背負わなければならない。


 もし生徒が死んでしまったとしたら……厳しい処分こそ受けないにしても……その罪悪感を一生背負い続けることになる。


「焦らないで……」


 ラケスが彼女に小声で告げた……彼女は少し自信を取り戻した。


「今回入る生徒は……7人です……」


「ということは残り40人以上が魔女の手下の攻撃を食い止めることになるね……」


「はい……神殿に入ったら、エンジン・ユージンくんにナイトビジョンのサポートをお願いします……そのまま走り続けて魔女の間まで辿り着き……七人で魔女を倒してください……」


「了解しました……」


 エンジン・ユージン、らい寮の生徒……誰の頭にでも糸を刺すことができる能力を持っている。糸が脳に刺さると、エンジンが能力を解除するまでその人物はいつでもナイトビジョンをオンオフできる……


 ナイトビジョンは暗闇でも視認でき、敵の体温を捕捉することができる……ただし欠点として、サーモグラフィカメラを使った経験がない者は10分以上の使用に耐えられない。


「電撃戦ね……で、中に入るのは誰ですか……」


 めぐみは指揮官として仕切ってきた全員を見渡した……そして入っていく者の名を呼び上げた。


「今回中に入るのは……私! ラケスさん! ドロシーちゃん! 池田いけだくん! 姫子ひめこちゃん! クロエちゃん! そしてルイスくん!」


 呼ばれた七人は少し体が震えた……魔女の領域に今や慣れ始めていたクロエも、しっかりと拳を握りしめた。


「十分後に突入します! 残りの皆さん、外をよろしく!!!!!」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「了解!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 ---


 **午後八時……神殿前**


 ノーマルたちは魔法エネルギーの動きを感知する感覚しか持っていないため、生徒の一人が一閃の剣で斬り飛ばすまで、自分の首が空へと舞い上がっていることにすら気づかなかった。


「行け行け行け行け行け行け!!!!!!!!!!!!」


 約五十名の生徒が三つの入口に向かって走り込んだ……偵察部隊と地図売りから得た情報によれば……三つの扉はすべて中央の間へと繋がっており……そこが魔女の居場所だった!


 魔女と戦う生徒たちは、正面扉に向かうグループの後方に付いた……


 ---


 一方、世界の魔女は……侵入者の存在を即座に察知した……


 {ふん……やっぱり来たのね……あのやんちゃな子どもたちが……ここ数日、様子を伺っていたのね……}


 {まあ、どうでもいいけど……}


 妖艶な女性の姿をした彼女は唇を舐めながら、全生徒が死体の山となり自分に踏みにじられる光景を思い浮かべた。


 {何人で押しかけてこようと……どうせ誰も生き残れないわ}


 {ミディアムとハイエンドは全員、玉座の間を守り、侵入者を残らず排除しなさい}


 ---


 一方……左の入口から走り込んできた生徒グループの方では……


 走り始めてしばらくすると……壁が崩れ落ちた……魔女の手下たちと共に……ミディアムとハイエンドおよそ十体が壁を突き破り、生徒たちの行く手を塞いだ。


 カチャッ!


 全員が魔法を使う準備を整えた……ハイエンドの一体が魔法を詠唱中の生徒に向かって突進してきた。


「メリンくん!」


 女子生徒の一人が叫び、ハイエンドに攻撃されそうになっていた男子生徒の注意を引いた。


 {バン!!!!} {バン!!!!!}


 ライフルの銃声が二発響いた……


「気をつけてください……あの子たちの速さは普通の私たちより遥かに上ですから」


 小柄な少女が一丁のライフルを片腕で構えていた。その外見に反するように。低い位置でまとめた燃えるような赤い髪には星型のヘアピンが所狭しと飾られていた。しかし黒い瞳には生気がなく、まるで自分に近づくものすべてを拒絶するかのようだった。


「もう……魔女の手下だけでも吐きそうなんですけど……」


 モデルのような長身の少年……しかしその立ち振る舞いはひょろひょろとして、王子様のような外見とはかけ離れていた……黒髪に赤い瞳で、どこかの国の王子の制服を纏っていた。


「……お前ら……寺島てらしま兄妹か」


「先輩たちは早く魔法を使ってください……今は私たちルーンが使えないので……持たせられる時間は長くありません……」


「あ……うん……悪いね」


 カチャッ!!!! まるで悪夢が動き出すような音が一斉に響いた。


 全員が全力で魔法を展開し始めた。


 右の扉の方も、正面入口の方も、同じ状況に直面していた……しかし彼らは怯まなかった。


 たった五分で……魔女の手下の半数以上が倒されていた!

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