第三話 三貴神
《ラウル視点》
読者の皆様、初めまして。ラウル・ブレイクスと申します。
作者の文章が悪すぎて今まで登場回数がかなり少なかった者です。
今回は僕の回だっていうのに。
実は僕、転生者なんです。前世享年45歳の神職。トラックにトマトみたく潰されてピにました。
気をとりなおして。
現在、『克駄天宮』にいます。5歳となった僕の『降臨の儀』のために家族全員できました。
降臨の儀トップバッターとして儀式を受け、光に包み込まれ、目を開けるとーー
おそらく三貴神の一角である『蒼貴神』らしき方がおられたのです。
三貴神。
国祖神である『國父神』の正統の子であり、弥栄で最も貴い神とされている。
女神である『照貴神』、男神の『月貴神』『蒼貴神』の3柱である。
前世神職でこの世界の神にも興味があったので最初の一年でかなり勉強しました。
弥栄は、『照貴神』を最高神としている。
なお、神助というものは、高貴なる神(神話にも何回も登場する国で重要視されている神)ほどお与えになりにくくなる傾向がある。
過去に三貴神に神助をいただいた人は1番最近で156年前だという。
三貴神に神助をいただければ、他の神とは類を見ないほどの『キョウダイナチカラ』が手に入るらしい。
(家にあった神話の本で読んだ。)
そんな高貴なる神様と対峙しているのです。
地獄ですよ。三貴神と睨み合ったことがある人間なんてもう生きてないですよ!
僕は生まれつき普通の人は神助の対象者にならなければ聞こえない精霊や神の声が聞こえる『天聴』という体質なんです。
だから、神様の声が聞こえることは多々あるのですが、御尊顔を拝することは初めてです。
立派な八拳髭を蓄えた大きな体躯。この世の全てを見透かしているような鋭い眼光。腰には一本の剣を差し、蒼い袴を着ており、蒼い袴を穿いていらっしゃる。
口を真一文字に結び、腕を組んでこちらを見ています。
…怖い。存在だけで周囲を圧倒しているのにさらに怒っていらっしゃる?やばいです。僕なんかしたっけ…。
刹那。
瞬きの間に蒼貴神様が近づいておられました。周りの風景は止まっています。陰魔法の応用でしょうか。内心かなり驚きながらも表面上では繕っていました。神は、言をお発しになりました。
〈貴様が、ブレイクスの長男か。〉
重たく、でも透き通った声でそうおっしゃいました
僕は答えました。
「その通りでございます。」
〈ならば良い。我は蒼貴神。お前に神助を与えてやろう。〉
がてぃか。快挙ですよ。百何年かぶりの。けどどうして僕なんでしょうか。
「発言をしてもよろしいでしょうか。」
〈よいぞ。〉
「神助をいただけるというのは誠ですか?私のような者でよろしいのですか?」
僕は失礼ながらも質問させていただきました。
すると、蒼貴神様はこうおっしゃられました。
〈お主が最も都合が良いのじゃ。〉
「都合、ですか」
〈ああ、神助が欲しければ一つのことを完遂してもらおうと思っていてな。その任務にはお前が最適なのだ。〉
なんと。神様からの任務。誠に光栄なことであります。でも具体的に何をすればいいのでしょうか?
「任務の内容とは。」
〈簡単なことだ。“国を守れ”ということだ。〉
どう…いうこと?
「何故でございますか。」
〈人々の信仰心が弱まっていてな。力を失って天昇りをせざるを得なくなった神々が沢山いる。〉
「天昇りとは?」
〈髙穹原に力を失ったり人の子から忘れられた神々が帰ることだ。天昇りをした神は力を取り戻してもう一度天降りをしてこの梛原中国に帰ってくるまで神助を授けることも人の子を見守ることもできん。〉
人が神への感謝を忘れて信仰を疎かにしている、と。遺憾です。
蒼貴神が続ける。
〈そこで、力を持っている貴族の中でも信仰心の強く、力のある家でさらに戦闘センスの高い者に高貴な神が神助を与え、其奴に国を守護させて神威を向上させよう、という考えが出たのだ。ブレイクス家は貴族の中でもかなり神への信仰心が高くてな。そこで適合者を探したところ、お前が最も良かった。〉
それで僕が…。でも僕、トレーニングもしたことさえないですけど…。
「失礼ながら、私は戦闘経験もありませんよ?」
〈いや、お前は魔術センスが魔術師一家の中でもずば抜けている。お前が適任者だ。〉
そうなのでしょうか。主人公じゃないはずなのに。
「本当によろしいのですか?私は主人公ではありませんが。」
〈何度も言わせるな。あと、あまりメタいことは言うな。〉
覚悟を決めるしかないのか。というか、神様から頼まれたんだ。光栄なことだぞ!
僕は、頭を下げて言う。
「承知いたしました。謹んでお受けいたします。この身をとしてでも完遂させて見せます。」
蒼貴神様は不敵に微笑んでおっしゃられた。
〈精進せよ。約束通り、神助を与えよう。〉
「ありがたき幸せ!」
〈頼んだぞ。全ては弥栄の為、世界の平穏と多幸の為に。〉




