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サツキとダンの新しい世界  作者: 手絞り薬味
続・サツキとダンの新しい世界
50/101

続・サツキとダンの新しい世界 ダン編 序

続編には流血描写があります。

苦手な方はご注意ください。

 容赦なく照りつける太陽。

 草一本生えぬひび割れた地面に膝を付き、俺は肩で息をする。

 すべてを拒否する不毛の大地――。

 吹き出す汗は一瞬で蒸発し、渇いた舌が痙攣する。

 しかしいくら求めようと、水も食料ももう無い。

 頭上では怪鳥ネルビンの群れが大きな翼を広げ、俺を狙って旋回を始める。

 愛する妻の笑顔を思い出し、折れそうな心を叱咤する。


 倒れるわけにはいかない。


 俺は力を振り絞って立ち上がり、身の丈程もある大剣の柄を両手で握りしめる。

 一羽のネルビンが急降下し、それを合図にすべてのネルビンが俺に向って来た。

 その鋭い嘴は、俺の体を突き刺し生きたまま食らおうというのか。

 だが俺は……負けない。

 必ず、必ず生きて妻の元に帰る。

 体を低くし、身構える。

 来い。餌になるのはお前達だ。

 その肉を食らい血を啜り、俺は生き抜く。


 愛する妻、サツキよ。――俺に力を!


 近付くネルビンを見上げ、俺は口角を上げる。

 巻き上がる砂塵、降り注ぐ血の雨と断末魔。


 愛より生まれし黄金の焔よ、剣に宿りて邪を切り刻め。


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