1/2
0000 その日の私は、特に運が悪かった。
久しぶりに書いてみたくなりました。
よろしくお願いします!
善人すぎるのも考えものだ。
その日の私は、特に運が悪かった。
朝のテレビ番組の星座占いは最下位。学校に登校すると日直を同級生に任せられ、傘を忘れれば土砂降りの雨に降られてずぶ濡れになる始末。
不運にもほどがある……。
【タスケテ】
普段と変わらない帰り道。助けを求める声が聞こえたような気がして、思わず立ち止まって振り返る。
真っ白な子猫が道路の真ん中で蹲っている。
大型のトラックが猛スピードで子猫の方向へ走ってくる光景を目の当たりにした。足が震えて動かないと想像してるはずなのに――気付けば、鞄を置いて駆け出していた。
「危ない――!」
通行人の叫び声。
運転手が咄嗟にしたであろうブレーキ音。
子猫を庇って抱え込んだ私の体は、悲鳴をあげている。
どうやら、私の人生はここまでらしい……。
「猫ちゃん、無事だといいな――」
意識が途切れる寸前、小さく呟いた私の声は人々には届かない――。
少しずつUPしていく予定です。