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48話

 門番を倒した事で前線基地で称賛され、外に出るとマスコミに囲まれ、クタクタになりながら家に帰って来た。


「探索より疲れたのである。」

「もう!日曜に会見開くって言ってあるのに!」

「お疲れ様ですー。ご飯できてますよー。」


 助かる。美咲さんの作る空気と食事に皆ほっこりする。気が利いて家事も完璧、こういう奥さんの元でダメ夫が生まれるのかもしれない。


「ミサキ!酒くれ!喉乾いちまった!」

「はい、どうぞー。」


 早い。すでにダメ夫予備軍が1人、自分はああならないように気を付けよう。ダンをイジりつつ食事をして風呂に入って反省会。


「明日あさっては普段通り、日曜は会見だね。」

「迷宮核とダン殿の紹介であるな。」

「おう!酒くれりゃ何でも喋るぞ!」

「探索は半分以上終わっていると見て良いでしょう。」

「他の迷宮ってどれくらい探索進んでるのかな?」


 今回の探索も成功。南側の地図を完成させ、魔石の回収も順調、全員怪我もなく門番ゴーレムまで倒した。

 そうなると他の迷宮が気になる。別に競っている訳じゃないが、どうせなら一番が良い。


「苦戦してるみたいですよー。大阪とか渋谷とかー。」


 美咲さんがニュースを見ている限りでは、攻略された迷宮はないそうだ。

 大阪は日本最大規模の地下街が丸ごと迷宮化したらしい。入る度に形を変える迷宮で毎回地図を作り直すとか、本当にゲームみたいだな。

 渋谷は都心に最も近い迷宮として危険視されている。中は「人がいなくなって数百年後の渋谷」といった感じらしく、人類の未来を暗示しているとか言われている。

 それらの迷宮にも挑戦したい気持ちが湧き上がってくる。


「そんなら儂らで攻略しちまおう!前祝いだ!酒出してくれ!」

「ダン殿は酒ばっかりである。」

「ホントそれ。」

「酒は人生の友じゃからのう!だっはっはっ!」


 ダンはもうすっかり馴染んでる、ずっと一緒にいたんじゃないかと錯覚する程だ。うるさいくらい賑やかに時間が過ぎて翌日。


「これくらいできれば大丈夫でしょう。良く頑張りましたね、ダイ君。」

「よし!」

「むむっ!ダイ殿やるのである!」

「今日中に習得します!」

「だっはっはっ!もうちっとだ!2人共!」


 自分はなんとか強化魔法を卒業できた、次は解析魔法だ。ルドとさくらは感知魔法は習得済で、強化魔法はもう一歩といった感じだな。

 エマさんとベルとダンはパソコンで調べ物をしたり、魔道具を作ったり自分達に魔法を教えたりしてる。


「先に行く。待っているぞ!」

「待って下さいー。」


 腕を組みながら挑発するように言い放つ、2人は対抗心に火が着いたようだ。解析は外と相性が良いから、また引き離すと思うが頑張り給え。ちなみに美咲さんは筋が良いらしいが、まだまだ時間がかかる。


 午後はまずジムで体を鍛える。最適化の影響で見た目も筋力も変わった、初日にプルプルしていた事を思い出して笑ってしまう。


「なんですか?大さん。」

「ここで、大おじさんって言われたなと思ってね。」

「根に持ってた!」


 あの時、心の中でライバル認定したおかげで筋トレを頑張れた。だから心の中だけで感謝しよう。


 道場に移動して体を動かす、通い始めて2週間で自分は見違える程に強くなった。山本さんは実戦に勝る経験はないと言うが、教え方が上手いんだろうな。

 山本さんは若い頃から見切りの達人と呼ばれているらしい、強い上に的確なアドバイスができる。そんな山本さんはダンと意気投合し、飲みに行く約束をしている。


 一方、自分達は子供達と一緒に花火を楽しんでいる。この道場ではレクリエーションを定期的に開催しているらしい。

 異世界にも花火はあるそうだが家庭用花火まではないらしく、ルド達は最初は目を丸くして驚き今は子供達と一緒に遊んでいる。


 懐かしいな、子供の頃は家族や幼馴染と良く遊んだ。ロケット花火やネズミ花火でイタズラして怒られた事を憶えている。

 そういえば、幼馴染は何をしてるだろう?中学卒業目前に親の都合で引っ越したと記憶してるが⋯。


「どうしたんですか?ダイ君。」

「なんか暗いですよ。」


 ルドと子供達が手持ち花火で遊んでいるのを横目に見ながら、エマさんとさくらが話しかけてきた。


「子供の頃を思い出してたんです。」


 あの頃は考えもしなかったが、大切な時間だったんだなと今頃になって思う。


「きっと良い思い出であるな。」

「ああ、良い思い出だ。でも今の方が毎日楽しいぞ。」


 いつの間にか近くに来ていたルドが言う。あの頃も賑やかな毎日だった、だが今の方が良い。賑やかで楽しくて、大変な事もあるが目標に向かって前進している。

 この充実した日々は皆が自分に分けてくれた宝物、皆に出会えて本当に良かった。


「おう!集まってどうした?」

「大さんがノスタルジーに浸ってるのよ。」

「浸るなら酒にしとけ!ダイ坊!だっはっはっ!」

「酒臭くなってしまうのである。」

「ダンさんは飲み過ぎですよ。ミサキちゃんに言ってお酒を減らさないと。」

「そいつぁ勘弁してくれ!エマ!」


 全く、賑やかな仲間達だ。浸る暇もなく自然と笑顔になる。




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