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31話

 アラームが鳴っている、もう朝だ。ベッドから起き上がり、軽く動いて思わずニヤける。疲労感や筋肉痛がほとんどない、魔法が効いたみたいだ。


「おはようございます。」


 服を着替えてリビングに行くと、もう3人揃っていた。


「おはようございます。体の調子はいかがですか?」

「おかげさまで、いい感じです。」

「絶好調である!」


 朝食は昨日と同じメニュー、簡単だし洋朝食が定着しそうだな。さくらが引っ越してきたら和朝食を作りそうだけど。


 今日は2回目の探索、地下2階を中心に地下の地図を作る予定だ。支度を整えて対策本部前に向かう。


「おはようございます。今日もはりきっていきましょう!」


 到着すると絶好調と言わんばかりのさくらがいる、これで全員揃った。さあ、楽しい探索の時間だ。


 消防との打ち合わせで、消防は上の階を自分達は探索能力を活かして地下を探索する。

 地下と言えば番人の印象が強い、だがゴーレムもどきもホブゴブリンも油断できない相手だ。そしてゴーレム、基本戦術としてルドが引きつけて自分とさくらが隙をついて倒す。


「今日は地下2階を中心に探索する、無理しないように頑張っていこう。」


 全員から気合を感じる返事が返ってくる。番人に挑戦しても勝てそうな雰囲気だ。もちろん挑戦なんてしないが。


 ルド、自分、エマさんとベル、さくらの順で進んでいく。美咲さんを救助した場所よりずっと手前の階段を降りて探索。

 地下1階の魔物はいつも通りだな、ささっと倒して地図を作り地下2階へ向かう。出てくる魔物にゴーレムもどきが多くなった。


 ルドはもう慣れたようで簡単に倒した、自分とさくらは弱点を教えてもらえば問題なく倒せる。エマさんはベルと連携して意外と簡単に倒していた。

 エマさんは非力なだけで自分より強い。魔法なしの1対1での接近戦なら体格や筋力の差で自分が勝てると思うが、知識や魔法を含めた総合力ならチームで1番なんじゃないだろうか。


「次こそは1人で倒してみせます!」

「その次は自分がやります。」

「2人共、弱点が分かれば簡単に倒せるようになりますよ。」


 目的は地図を作る事だが、強くならないとそれも難しい。自分とさくらが積極的に戦いながら、魔法で疲労回復を早めつつ栄養と水分を補給して先に進む。

 何度か戦っていると、自分もさくらも1人で倒せるようになった。エマさんの予想では、これも最適化の影響らしい。

 自分は相手を転がしたり攻撃できない位置を見抜いたりして倒す、つまり戦術面が成長している。さくらは音と動きで判断し弱点を突く、つまり五感が成長している。


「そういえば、大さんは若返った気がします。」

「確かに、肩こりと腰痛が楽になったな。」


 それに薄暗いのに目が慣れたし耳も良くなった。つまりもっと先を目指せる。ワクワクが抑えきれずにニヤニヤしてしまう。


「ふふっ、嬉しそうですね。」

「強くなるのは楽しいのである。」

「ゴホン、1体1なら問題ないな。でも大量に出てきたら危険だ、油断しないで行こう。」


 1度に4体までなら対処できるが、不意打ちを防ぐために1度に3体までと決めて探索する。4体以上の時は奇襲で数を減らして戦うか、自分達が優位な場所に誘い出して戦う。

 そんな事ができるのはルドとさくらがいるおかげだな、探索が捗るし本当にありがたい。

 地下2階の探索を進めていくと上下に続く階段を見つけた。


「階段を昇ると地下1階のここに出ますね。」

「そこと繋がるのか、他に降りる階段は⋯。」

「他はもっと奥の方である。」

「奥まで行くと、お泊りコースじゃないですか?」


 救助の時は地下3階でホブゴブリンが出てきたな、あれくらいなら問題ない。あの時は地下2階で細ゴーレムも出てきたが、今日は細ゴーレムを想定して来ている。それにここは問題なく無線で連絡を取り合える距離だ。


「休憩後に地下3階の探索をする。皆はどう思う?」


 満場一致で賛成、少し早めの昼食を食べてから出発する。出てくる魔物は変わらない、だが進んでいくとホブゴブリンが現れた。


「いつまでも遅れを取る事はないのである。」

「早っ!」


 そしてあっさりとルドに倒された。苦戦した事を気にしてたのか?そんな事を考えているとホブゴブリンの体が消えていない事に気付いた。


「ルド!」


 咄嗟に大声を上げる。数秒間、皆も驚きつつ警戒したが何も起きない。ホブゴブリンも動かない。


「どうしたのであるか?」

「体が消えてない!そいつまだ生きてるんじゃないか?」


 ホブゴブリンに注目が集まる。相変わらず血溜まりに倒れていてピクリともしない、ルドが剣で突いてみるが死んでいるとしか思えない。


「大丈夫である、間違いなく死んでいるのである。」

「大丈夫ですか?顔色が悪いですよ。」


 ⋯呼吸が浅くなる。汗が吹き出る。吐きそうだ。後ずさりして座り込みそうになる体を杖で支える。さくらも口元を押さえ青い顔をして、エマさんに支えてもらっている。

 死体が残る。消えない。それがこんなにキツいとは思わなかった。


「離れた場所で2人が落ち着くまで休みましょう。」


 エマさんの提案でフラフラと歩きだす。情けない。




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