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30話

「おはようございます。今日は食べに来ました。」

「おはよう。朝強いな。」


 昨日は作ってくれたから良いんだが、まだ何も用意してないぞ。

 今朝はホテルで出てくるような洋朝食。サラダにスクランブルエッグ、ソーセージやベーコン、フルーツとヨーグルト、リクエストに答えてコーヒー、そして何より牛乳。まぁ普通だな。


「凄いです!感激です!」

「朝から豪華である!」

「3人共、昨日より食いつき良くない?」


 お手軽簡単クッキングだが異世界人3人は感激していた。昨日と比べるとカラフルだしな、この世界のフルーツも初めてか?

 伊藤さん家で食べた物の方が間違いなく美味いんだが、こちらの方が見た目が良いのかもしれない。


「そういえば、美咲さんを家政婦として雇おうかと思ってるんだ。」

「えぇー!じゃあ私ここに住みます!」


 会社からバイトの許可は出ている。美咲さんには月曜と木曜の週2でお願いできないか、あとで確認してみよう。

 以前は副業禁止だったんだが、会社としては先が見えない中で休業手当を出すのも苦しいんだろうな。


 朝食を食べ終わり勉強会が始まる。エマさんに習っているのは疲労回復を早める魔法だ。魔法というよりも魔法の練習のような物で、探索やトレーニングの効率も高められるし一石二鳥。

 ルドとさくらは得意で自分はイマイチ。エマさん曰く、自分は力を外で使うのが得意なんじゃないかとの事。


「2人共凄いな、コツとかあるのか?」

「力が湧いてくる感じである。」

「体中がぽかぽかする感じです。」


 分からん、もっと理論的な説明が欲しいな。自分が悪戦苦闘している間、エマさんはパソコンで医療関係の勉強をしている。魔法使いにとって知識は武器なんだそうだ。

 ⋯負けてられないな、リーダー的な立ち位置なのにできるのは荷物持ちくらい。せめて努力だけは負けないよう気合を入れていこう。


 午後のトレーニングはトレーナーの指導の元、毎日違う場所を鍛える。昨日は主に上半身、今日は主に下半身。


「昨日よりきつい⋯。」

「ハリキリすぎました⋯。」


 やり過ぎた。明日の探索は大丈夫だろうか?寝る前に回復魔法をかけてもらおう。⋯副作用とかあるのかな?


 そして護身術を習いに行き、山本さんに呆れられた。今日は柔軟や形稽古を中心に負担の少ないメニューにしてもらい、なぜか魔法のコツを掴んだ気がする。


 新鮮な空気を吸い込み吐き出すたびに、毛穴から毒ガスのように疲労が噴き出ていくイメージ。

 疲労を押し出す程に滝しぶきを浴びたような清涼感が体の中心から外側へ発散されていく。そうして疲労を出し切ると、まるで高原の爽やかな霧に包まれたような状態になった。

 いい感じだ、まだいける。もっといける。もう少し。


「⋯おい!⋯おい!」

「⋯⋯っ!はい。なんですか?山本さん。」


 まただ、子供の頃から熱中しすぎる癖がある。


「邪魔して悪いな、だが水飲まねえと倒れるぞ。」

「すいません、ありがとうございます。」

「お前さんはアレだな、才能はないが集中力と忍耐力がある。化けるかもしれんがほどほどにしろよ。」


 ペットボトルとお褒めの言葉?を頂いた。脱水には気をつけないとな。ゴクゴクと喉を鳴らして渇いた体に水分が染み込んでいく。

 空になった容器を片手に深呼吸する。心地よい疲労感だ、きっと明日には疲労も筋肉痛も良くなってるだろう。


「素晴らしい集中力である!」

「きっかけを掴んだみたいですね。」

「負けてられないです!」


 ルドとさくらは勝手に組手を始めて山本さんに叱られている。そろそろ帰る時間なのに元気だな、魔法の効果か?


「あ、美咲ちゃんに家政婦の事を連絡しときました。これから迎えに行ってきます。」


 昼過ぎくらいに連絡しておいたらしい、これから面接は気が早くないか?全員汗だくなんだが。


「さくらちゃんはせっかちさんですね。」

「好機を逃さない性格なのである。」


 3人共あまり気にしてないみたいだし、まあいいか。家に帰り服を着替えて待っていると、さくらが美咲さんを連れて来た。


「こんばんはー、今回はありがとうございますー。」


 いや、まだ決まってないよ。ほぼ決まっているような物ではあるが、詳細とかいいのか?相変わらずおっとりした話し方だが、やる気満々といった感じだ。

 理由を聞いてみると今の世の中の状況を見て、籍だけ入れて結婚式は延期したらしい。


「それは残念でしたね。」

「いえいえー、延期した分だけ稼ごうと思ってますからー。それに、稼いでるって聞きましたよー。」

「お手柔らかにお願いします。」


 なんと美咲さんは住み込みで働き日曜だけ休む事になった。ありがたいんだが、あんな事があって怖くないのか?


「お料理教えて下さいね。ミサキちゃん。」

「もちろんですー。代わりに魔法教えて下さい、先生ー。」


 さっそく女性3人が夕飯を作り始めた、すぐにいい匂いが漂ってくる。

 美咲さんはまるで気にしてないようだ。皆で食事して楽しい時間を過ごしているうちに、そんな事を気にするより笑顔の時間を増やした方が良いんだろうなと気付いた。

 そのためにも明日の探索も頑張ろう。




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