6話
カナメ「うーん、やっぱり見つからないように順路を辿った方が早かったかなぁ…」
森を超えた後も草原が続き、敵を倒し続ける。
すでに倒した敵の数は五百を超える。
「お前が…我ら同胞を倒して回っているものか!」
カナメ「同胞って?」
「今お前の下に転がされているものたちだ!」
カナメ「襲ってきたらそれは正当防衛でしょ」
「貴様の戯言何ぞ聞きたくもない!」
カナメ「話も通じない…めんどくさい人ばかりだ」
「我は魔王軍四天王が一人炎のディゼル!」
カナメ「カナメです。それでは失礼します」
ディゼル「逃げるのか!我が同胞をここまで殺しておいて!」
カナメ「急いでるんで、邪魔しないでください」
ディゼル「我が同胞の報いを受けるがいい!」
カナメ「話が通じない人多過ぎでしょ…」
ディゼル「地獄の業火よ!焼き尽くせー!」
―
カナメ「もう終わったのならいいですか?」
ディゼル「何もかもを焼き尽くす地獄の業火が効かないだと…」
カナメ「そちらの同胞とやらに伝えてください。やられたくなかったら街に来ないようにと。あと僕を襲わないようにと。そ
れじゃ失礼しますね」
ディゼル「バカな…」
膝をつき、空を仰ぐディゼルに別れを告げ、先に向かう。
―
カナメ「時間食っちゃったな…でも敵も襲って来なくなったし、取り戻せそうかな」
―
ディゼル「魔王様…申し訳ございませんでした…」
魔王「よい、以後励め」
ディゼル「ハッ」
―
「聞いたかよ、ディゼル様の魔法が効かなかった人間がいるらしいぞ」
「んなことねぇだろ」
「だって他の四天王の人が言ってたぜ?」
「後で手配書が配られるみたいだ。その人間にはくれぐれも攻撃を仕掛けないようにと」
「天下の魔王軍がそんなことでいいのかねぇ」
「そりゃお前…よくはないだろうなぁ」