22話
「あの勇者…どこかで見たことが…」
「どうなされました?___様?どこか具合でも?」
「いや…何でもない」
―
当てもなく彷徨い続けた結果、川にたどり着いた。
カナメ「この川…毒か」
明らかな腐敗臭。そして浮かぶ魚たち。
カナメ「外れか…」
跳躍し、川を渡る。
だが、水があるところに文明は開花する。
カナメ「上流か…下流か…」
迷った末、川際を昇っていく。
―
カナメ「あるには有ったが…」
目の前に広がるのは荒廃した街。
数十年も何もされていないのだろう。
練り歩く街並みは全て無を意味する。
カナメ「自然崩壊なのか…はたまた何者かが犯したのか…」
一人も見当たらない。
あるのは腐敗臭のみ。
―
何も飲まず食わずで彷徨い二日目。
今度は川を下っていた。
カナメ「こんな終わり方は今まで無かったか…」
殺され、天命を全うし、病に倒れる。
様々な死に方をしてきたが、餓死は初めてだ。
カナメ「もしかしたらこの世界にはハルがいるかもしれないのに…また千回くらい転生しないといけないのか…」
目が霞む。
何かの足音が聞こえる。
それは、夢か幻か…。
―
「何だこいつ」
「見たことのない人間」
「とりあえず連れて行きましょう」
「いいのか?飯もねぇぞ」




