20話
カナメ「これから絶対人間を襲わないと言えるか?」
「それはわからないな。命がずっと続くわけではない。新しい王が好戦的であれば戦いは免れないだろう。しかし、私が王の間は殺生をしない」
カナメ「それは約束できるのか」
「さぁ。必ずとは言えない。何せこちらは何もせずとも勝手に人間側が虐殺したのだから何かしらのことがなければ下のものに示しがつかない」
『…』
「さて、どうしてくれるんだ?」
カナメ「俺が死ねば許されるなら喜んで死のう」
ハル「それは…」
「いや、お前はダメだ」
カナメ「…なぜだ?」
「お前は…輪外の者だろう。あの強さが何よりの証だ」
カナメ「輪外…?」
「何度も何度も記憶を持ち転生し続ける者。輪廻転生の輪からはみ出した異物。それを輪外という。お前は神様に教わらなかったか?カナメ」
カナメ「…誰だ」
「誰でもいいだろう。さて、それでどうする?」
カナメ「何が目的だ」
「いるじゃないか。そこに一人良さそうな生贄が」
ハル「私…ですか」
「さすが、わかっているようだな」
カナメ「彼女は関係ないだろう」
「関係ないわけないだろう。四天王一人を手にかけようとした重罪人だ」
ハル「私が死ねばこの世が平和になるというのであれば喜んで死にましょう」
「さすがお姫様。民の命が第一か」
カナメ「ハル…」
ハル「何度も転生できるのであればまたお会いしましょう。カナメ様にはより苦労をおかけしてしまいますが、お待ちしております」
カナメ「ハル…」
「もういいか?」
カナメ「せめてこれだけ貰ってくれ」
ハル「この外套は…」
カナメ「守りきれなくてすまなかった」
―
「なんてことをしてくれたんだぁ!」




