19話
カナメ「…」
ハル「…」
「あのー…ですからもう少しだけお待ちいただけませんか。もう一人の四天王が見つかるまで…」
カナメ「いないなら僕はそのまま魔王を倒しに行く。僕たちが待つ必要はない」
ハル「そうです、いくら四天王とあろうものが職務放棄をしようとも私たちは知ったことではありません」
「…ですね。仕方ありません、それでは魔王様の右腕であるこの私、サ…」
カナメ「口上結構」
「ぐはっ…」
ハル「行きましょう。いつ後から攻撃が来てもおかしくありません。警戒はしておきましょう」
カナメ「そうだね、もう帰ってこないと思うけど」
ハル「え?」
カナメ「もう最後だよ。気を引き締めていこう」
ハル「わかりました」
―
「よくぞここまで来た、四人の猛者を倒し…」
ハル「四天王は3人ほどしか…」
カナメ「あの右腕さんだよ」
ハル「あ…名前をお聞きしなかった」
「…なぜお前たちはそんなに急くのだ」
カナメ「魔王が存在するだけで平和は訪れない」
「…我々が一体何をした?」
カナメ「…知らない」
「我は勇者、つまりお前がこの世界に誕生してからまだ数日しか経っておらん。そしていつの間にか悪役に成
り果てている。これはどう言うことだ?」
ハル「魔族。それは人間にとっての天敵。魔族が生まれてると人間を襲うじゃない」
「我が生まれてからは少なくとも魔族が人間を襲ったという実例を聞いていない。勇者が魔族を嬲り殺すの
は何度も聞いたがな」
カナメ「…」
ハル「確かにここ最近は魔族の動きは耳に入っては来てませんでしたが…」
「我々からすれば、お前たちこそ悪魔のように見えるな。特に男。お前は被害が出ないようになどと大義名
分を掲げていたようだが、何もしなかった魔族、魔物がどれだけ死んだと思う?人に迷惑かけないように1
箇所に集めた私の指示も良くはなかったと思うが、それでも全滅させていいと思ったのか?我々とお前、何
が違うんだ?」




