1話
何度この世に生を受けただろう。
百を超えてから覚えることをやめてしまった。
0歳で殺されれば100年生きて往生したこともある。
死ねば死ぬほど強くなる。所謂強くてNewゲームというやつだ。
生まれる世界は特に決まっておらず、いろいろな場所の経験をしている。
パンデミックを経験したり、勇者のパーティーから追放されたり。
運命を全うしても、のんびり生きようとも生まれ変わる。
どうすればこのエンドレス転生(自称エド転)が終わるのだろうか。そもそも終わるのだろうか。
カナメ「今度は青年で森スタートか…」
辺りを見回すと、鬱蒼と生い茂る森を見るとため息をつく。
カナメ「それじゃまずは辺りを見回すか」しゃがみ込み、足に力を思いっきり入れてジャンプをする。地面には亀裂が入る。
カナメ「そうだなぁ…森森森森…池みたいなのがあるが街が見当たらないな」
着地した際に亀裂が深まる。
カナメ「とりあえず池の方向に行くか…」
木を片手で掴み、引っこ抜く。
カナメ「えっと…確か向こう側だったっけな…せーの!」
ブォンと音を立て、木をぶん投げる。
走って木に飛び乗る。
カナメ「やっぱりこの移動方法が楽だなぁ」
30秒もしないうちに池のところへ着く。
カナメ「よっこらしょっと。無事到着っと…」
池は綺麗で魚も泳いでいる。
カナメ「こういう時は…」
両手を大きく広げ、一拍。
空気の振動が多方に伝わり、魚が浮き上がってくる。
カナメ「うん、三匹だけでいいかな」
音で気絶させた魚を三匹だけとり、あとはそのままにしておく。
数十秒後に再び魚は泳ぎ出す。
一匹を生で食べる。
カナメ「うん、そんなに美味しくないかな」
火を起こそうと枯れ木を拾い、岩と石を思いっきりぶつけ、火花を起こし、火が起こる。
カナメ「やっぱり魚は焼き魚が一番だな」
焼き魚を頬張る。
カナメ「うん、美味いな」残り二匹の魚を完食する。