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テーマ詩集:世界

おれ無しの世界

作者: 歌川 詩季

 自虐でも、皮肉でも、反骨心でもなく。

 ひらきなおりとも、ちがいます。

 おれ無しの世界は わがままがひとつ減った

 おれ無しの世界は めざわりな顔がひとつ消えた

 おれ無しの世界は 安ベッドがひとつあいた

 おれ無しの世界は ひとりぶん

 ほかのやつがめしをくえた


 おれ無しの世界が 色をひとつ失ったとしても

 不可欠なもんじゃなくて

 似たような赤茶色 しぼりだして

 画用紙のすみにぬりつけてやれば

 へたくそな絵は描けるだろうね


 わかってはいるけれど

 自分から身をひく気はさらさらない

 だから あんたらもこれまでどおり

 おれを うとましくおもっててくれ



 おれ抜きの世界なら 争いがひとつ減った

 おれ抜きの世界なら うるさい声がひとつ消えた

 おれ抜きの世界なら 端役がひとつあいた

 おれ抜きの世界なら ひとりぶん

 ほかのやつが手をつないでもらえた


 おれ抜きの世界が 音ひとつ失ったとしても

 かえのきかないもんじゃなくて

 黒い鍵盤の弦 はりなおして

 おんぼろのピアノをはじいてやれば

 へたくそな曲がひけるだろうさ


 承知のうえだけど

 橋のうえから身を投げる予定はとりあえずない

 だから あんたらもいままでどおり

 そこで のうのうとのさばっててくれ

 描けるときは。こういうのは、さらっと描けちゃいますね。

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