宿屋
2話目。
テホは宿の中にいた。
部屋の中でベッドに寝転がりながら、天井を見つめていた。
「良いのかな~?」
腰に付いてある硬貨を入れている宿に入る前から重さが変わっていない袋を取り出して、顔の上に持ち上げ眺める。
「取り敢えず、迷惑かけたから初日はただでいいって言われたけど、オプション類も全部付きって………何か、悪い事してる気分」
因みに、簡単に雑談した事でテホは警戒心を無くしていた。
そもそも、外はぼろぼろだったのに中には隙間風ひとつ感じないし、店主は格好が少し怖いだけで、危害を与えてこないどころかお菓子をくれた。
ちょっと口下手なだけで優しい人だ。
あのヤンキー気質の子は看板娘で、ほとんどこの宿の管理をしてるらしい。
店主は口下手なせいで人と話すのが苦手なので、宿泊客の管理は看板娘のセイさんがしてるらしい。
まあ、店主は店主で料理の材料の買い出しから、ベッドメイキング、収支の計算なんかやってるからどっちが頑張ってるて言いたい訳じゃ無いけど……なんで、宿屋の店主してるのかは気になる。
「痛っ」
掲げるように持っていた硬貨入れを顔に落として、痛がっている。
鼻の辺りをさすりながら、起き上がる。
今日は夜定食はただと言っていたが念のため硬貨入れを腰にぶら下げて、部屋を出る。
ここは2階で、下の一階に宿の受付と飯屋を日の登ってるうちはしている所がある。
「うちの村だと、こんなに騒いでるとあんなに静かじゃ無いんだよなー。扉閉めるとあんなに静かになるのすごいなぁ」
やっぱり、彼は天然だなと改めて思う。
普通、今の場合いい匂いだな。とか、酒臭い。とか、って普通はなる。
この世界は子供でも酒は飲めるが、酒癖が悪くなりやすいって言われててあまり飲ませられない。
酒の強烈な匂いに負けない腹が鳴りそうなほど香ばしい肉の匂いもするが、それらに反応しないのはとても不思議だ。
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