森林
雑草をかき分け、薬草を探し始めてから10分もしない内にそれっぽい草を見つかり始めたので回収しながらテホは歩く。
恐らく、道からそこまで離れないうちにあった物も20本ぐらいあるので偽物が少なく無いだろうが何個かは本物だろう。
他の雑草に紛れていたりしたので、残っていたものもある可能性が高い。
-人間は完璧にはできないが世の常だと師匠も言ってたしな。
そんな事を考えながら、テホは木の側にあった物を回収する。
………よし、100個くらい集まったしそろそろ帰ろう。
どれ位リュンデカ草があるだろうか?ある程度あると生活の足しになるんだけどなー。
都会って物々交換で生活できないから不便なんだとテホは聞いていた。
そんな事を考えながら森の入り口に向かって歩いていく。
(進みながらも木にナイフで跡をつけながらきたから、迷うなんて初歩中の初歩の間違いなんかしない。)
そんな時、斜め前からガサガサ草が揺れている音がしてきた。
魔物か!
なんて思ったが恐らく同業者の男だった。
余り他人と積極的に行っても怪しまれるだけだから、行かないし着いていかないようにってお母さんから口を酸っぱくして何回も言ってきたテホは会釈だけしてその場を後にする。
相手も軽く会釈してくれたので悪い人では無いのだろう。けど、確かにこんな所で合うと少し怖い。
お金には余裕があるし、この報酬で買える物で昼食を取ろうと思ってたけど……
「あれ?印が見当たらない。」
一つ前の印に戻ろうにも考え事をしていたせいで方向感覚が曖昧なので探しに行くのも少し気が引ける。
分かりやすく付けてきたので見失うなんて事は無いはずだし、ちゃんと辿ってきていたから違う思考をする余裕を持てていたのだ。
つまり
「困った……。」
物語冒頭の場面に来たと言うことだ。
だが、この頭を抱えざるおえない状況に置かれた、テホは……
「う~ん?おかしい。何で付けてきた目印が見つからないんだ?」
森深くで迷子だというのに、余り焦る様子は無い。
それどころか、頭を抱えてた手を離して、楽しんでいる様子ですらある。
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