自己紹介
「ここの人と知り合い?」
「?なんで」
「ここ、注文受けた時に払わないといけないから。お金払わないってことは、何かツテがあるのかなって思った」
「ここの店長が迷惑かけたからーって宿も食事も一日無料にしてくれたんだ」
「なるほど」
会話が止まる。
テホすら分かるほど会話の途切れ方が悪くて、居心地の悪さを感じている。
「……ごめん。私、会話がなくても苦にならないタチだから。何か話してたいなら、声かけてくれたら話すから」
「無口とかじゃ無いんだ」
「これでも、喋るのは好き。でも、私が話したいことを話すと我忘れてずっと話しちゃうから、自重してる」
「へえ〜。相手のことを考えて過ごしてるんだ。僕あんまりそう言うの無いからわからないや」
「そっか。でも、そういう言い方はやめた方がいい。頭に血の上りやすい人は怒っちゃうよ」
「そう?」
「うん。可愛い顔しててもいざって時に役に立たない。覚えとくといい」
「可愛い顔?自画自賛?」
ガゴンッ
少女の体重を預けていた肘が滑って、落ちる勢いに乗って顎を机に強打する。
クリーンヒットした顎を摩りながら、恨めしそうにテホを見る。
だが、喋らないのは気風のせいだとわかった瞬間から周りに気を取られているテホは、少女が机に顎をぶつけたことすらきずいていない。
「あ」
何かに気づいたテホが少女に向き合うが顎をさすってる少女を不思議そうに見つめながら手を差し出す。
「僕はテホ。よろしく。君は?」
少女は少し迷ったようだが、テホの手を取り、告げる。
「私はグス。よろしく。それと、先輩の私にはさんをつけなさい」
「えええ、年は変わらないよ?」
「じゃあ、何歳か言ってみなさい」
「15だけど……そっちは何歳なのさ」
「女性は歳はそう簡単には言わないわよ。でも少なくとも君よりは上だから」
クール系無口っ子、良き。
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