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73話 悪意の有る報道と幼少期と妹と…

 


「おいおい、アマンダ。こんなのが使われてるけど良いのか?」



 スタンピードを鎮圧した翌日、俺たちはリビングで『日刊冒険者』という冒険者新聞を広げていた。

 俺が指摘したのは、一面にデカデカと掲載されているアマンダの写真。

 ミニスカートが捲れあがって、尻丸出しのアマンダがドラゴンに斬りかかっている写真が使われておる。


 まぁ、尻丸出しと言っても、ご自慢の高級ブランドのTバックは履いているのだけど。

 ドラゴンも画角に収める為なのか、ローアングルからのカットなので、結構どぎつ目のエロ感が滲み出ている。



「はん、今頃世界中のメンズ達が、アタシの美尻に魅了されているに違いないわ!

 世界中のイケメンから求婚される事間違い無しね」



 何だろう…最近はマシになったかと思ったんだけど、ビッチ体質は結局変わってないのだな…



「でも、『フンドシ勇者』って書かれてるの!

『フンドシ勇者』はモテないと思うの!」


「アハハハ!

 ホントだ!『フンドシ勇者がドラゴン討伐!!』って見出しになってる!

 こりゃモテないわ〜!」



 マ、マジだ…プププッ、腹いてえ!

 声は抑えているものの、ラフィも腹を押さえて肩を細かく揺らしている。

 ドヤっていたアマンダも流石に顔が真っ赤だ。



「う、うっさいわね!

 エレナちゃん師匠もクマさんパンツ丸出しの写真が載ってるわ!

 いい歳こいてダッサ!」



 あ、ホントだ。

 隅の方の小さな写真だけど、クマさんパンツ丸出しだ。



「お黙りなの!

 クマさんパンツは正義なの!」


「プププっ、エレナは『剣ロリが魔物を両断!』っていう見出しだよ」



 ま、マジだ…『剣ロリ』て…



「それにしても紙面から悪意を感じるなぁ。

 わざわざこんな写真使わなくても良いだろうに」


「ヨシュア様の言う事も分かるけど、ウチらのパーティーって元々色モノ扱いなんだよね。

 前から『美少女パーティー』みたいに新聞や雑誌で紹介されてたしさぁ。

 ガードの固いラフィは無かったけど、わたしとエレナはパンチラや胸の谷間写真を結構取られたわ」



 シンシアの話を聞いて、思わず閉口してしまった。

 彼女たちだって命懸けで戦っているのに、何を考えているんだ。

 街を必死に守っている少女達を、性的な目で見るとはけしからんでは無いか!



「あなた、さっきから納得行かないという顔をされてますけど、人の事を言えませんよね?」



 ラフィが俺にジト目を向けている。

 またしても心を読まれたのか?でも…



「人の事を言えないってどういう…」


「あなたの魔導端末に、クエスト中の私の隠し撮りがこんなにございますわ」



 あ、俺の魔導端末。え?何でパスワード解除されてるの?



「結婚記念日をパスワードにするなんて、あなたらしいですわね」



 く、くそぅ…どうせ俺は単純な男さ…



「うっわ!フツー自分の嫁の谷間を隠し撮りする?

 キモっ、マジで変態だわー」



 クソ!アマンダだけには変態って言われたくねえ!



「うん。ヨシュア様は犯罪者予備軍ね。

 ラフィの顔と胸のオンパレードだもん、そりゃあ『巨乳愛好家』って呼ばれるわ」



 ぐぬおおお!シンシアまで…



「ええい!嫁が大好きで何が悪い!」


「待ち受けがラフィお姉さまとのツーショット写真っていうのがアウトなの!

 気持ち悪いの!」



 ちくしょおおおお!

 お前らにはラフィの良さが何も分かって居ないんだ!



「待て。コレには理由がある。

 例えば、トイレに行く時はラフィと離れ離れになってしまうだろ?

 それが堪らなく寂しいんだ。

 そういう時に、魔導端末のラフィの写真を見れば、寂しい気持ちでウンコせずに済むんだぞ?」


「うわっ、それは完全に異常者でしょ?

 フツー好きな人の顔見てウンコする?」



 むぅ…もはや四面楚歌で援護は望めぬ…か。

 しかも、俺を貶す事にかけては天才的なアマンダがいる限り、俺に勝ちの目が出る事はない。

 何を言っても今のように非難されるのだ。



「でも、ラフィお姉さまもヘムタイなの〜」



 エレナがそう言って、ラフィの魔導端末を皆んなに見せた。

 フォトには俺の色々な写真が…



「エ、エレナ!どうして私のパスワードを!」


「ラフィお姉様は単純なの!

 ヨシュア様のお誕生日を入れたら直ぐに見れたの!」



 ほう、コレはラフィと相思相愛という事じゃないか。

 何て素晴らしいんだろう。



「うわぁ…色んなヨシュア様の写真だ…

 え?コレって子どもの頃のヨシュア様?

 ヤダ!可愛い〜!マジ天使なんですけど!」



 は?何だと?

 シンシアの言葉に耳を疑った俺は、ラフィの端末を覗き込んだ。


 た、確かにガキの頃の俺だ…



「え、このウサギのぬいぐるみ抱いてるヨシュアも可愛くね?

 ヤバ!コレは尊い!」



 アマンダまで喰い付いとる…



「何故にガキの頃の写真が?」


「お母様に送って頂いたのですわ。

 ヨシュア様は小さな頃から美形ですのね。

 私は早く子供が欲しくてたまらないのですわ!」



 ラフィが興奮気味に俺にくっ付いて来る。

 ちょっ、みんなの前でオッパイを押し付けるでない!



「はぁ…でも、母さんは大変だったらしいぞ?

 あんま覚えてないけど、小さい頃はマニアックな趣味の女の人に良く誘拐されたらしいし」


「あ、分かる分かる。こんな可愛い子がその辺歩いてたら攫いたくなるじゃんね?」


「エレナも小さいヨシュア様を弟にしたいの!」



 おいおい、アマンダもエレナも人の事を言えないだろうが!

 お前らも変態じゃ!



「アレ?何でこれ、ヨシュア様のパパの顔がボコボコになってるの?」



 シンシアが指差したのは、父さんが泣きながら俺を抱き抱えている写真だ。



「ああ、父さんはご存じの通り、ダメな大人だからな。

 俺を外に遊びに連れて行った時は決まって目を離して、その間に俺が拐われるって事がザラだったらしい。

 で、母さんにボコられて、無事に俺が戻って来た時に撮られた写真がソレだ」


「それは、お母様が正しいのですわ。

 こんな天使のような子どもが、父親の不注意で拐われるなど、有ってはならないのですわ」



 何かラフィって父さんに厳しいな…俺もあんな親父にならないようにしないとね。



「ホント、お父さんっていい加減だからね〜。

 スケベだし、お金にルーズだし」


「そうそう。時間にもルーズだしなぁ…

 え?お前、何でここに?

 え?いや、い、いつからここに?」



 え?ダ、ダメだろ。何で連絡しないんだよ…



「あら、とっても可愛い女の子ですわね。

 でも、他人の家に勝手に上がってしまうのはいけない事ですわ」


「他人じゃないもん!お兄ちゃんが居るから来たんだもん!」



 そう、このコは俺の可愛い可愛い妹。

 ティファニー・ワイルダーである。



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