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50話 護衛クエスト ⑤ (7/27イラスト追加)

ごめんなさい(>人<;)

体調を崩して投稿遅れてしまいました。再びペースを戻して投稿しますので、よろしくお願いしますd(^_^o)


 


「ラフィ、一応精霊術でシールドを展開しておくんだ!

 俺はちょっくらスナイパーを捕まえて来る」


「かしこまりました。ヨシュア様、お気をつけて下さいまし」



 俺はラフィの言葉に頷くと、脚部を魔力で強化してジャンプした。

 ジュエリーショップの建物の屋上まで飛び上がると、次々と建物の屋根から屋根へと飛び移りながら、スナイパーが狙撃して来たビルヂングへと向かう。

 途中で一度銃撃が有ったが、遠距離狙撃用の魔導ライフルはトリガーを引いた際に膨大な魔力がライフルから立ち上るので、躱すタイミングが取りやすい。

 難なく躱して、ビルヂングの屋上へと飛び上がった。



「!!!」



 スナイパーは俺の姿を視界に捉えたが、特に声を発する事は無かった。

 距離を詰められると狙撃手は圧倒的に不利になるので、大人しく捕まるつもりなのかも知れない。



「両手を上げろ。大人しく捕まるなら、手荒な真似は…」



 スナイパーは俺の言葉に応じようとはせずに、懐から魔導拳銃を取り出した。

 俺は瞬時に距離を詰め、男の両手首を切り落とし、右太腿も深目に斬りつけた。



「!!!」



 男は地に膝をついて痛みに顔を歪めるも、それでも声を発する事は無い。

 なるほど。寡黙なタイプの殺し屋という事か。

 スナイパーの風貌を改めて注視した。男らしい黒髪の角刈りに、長いもみ上げ。眉は太く吊り上がり、目は鋭い三白眼。口はへの字に結んでおり、決して口は割らないという固い意志を感じる。

 成る程、相当な修羅場を潜った男らしい。


挿絵(By みてみん)


 俺はスナイパーに当身を食らわせて気絶させ、グッタリしている男を背負ってラフィの元に戻った。



「ヨシュア様、ご無事で何よりですわ!

 この男共も口を割ったのですわ。その背中の男が狙撃手ですのね?」


「ああ。両手首を切り落とされたっていうのに、呻き声一つ出さない一流のプロフェッショナルだ」



 俺は角刈りスナイパーを背中から下ろして、仰向けに寝転がした。



「例えラフィの精霊術を駆使しても、この男は口を割らないだろうなぁ…どうしたものか…」


「そ、ソイツはまさか…ドルド46!」



 俺が角刈りスナイパーの処遇をどうしようかと悩んだ矢先、右肩をラフィに抉られた暗殺者が男の名前らしき物を呟いた。

 ドルドは分かるが、46とは何なんだ?



「おい、お前はコイツを知ってるんか?てか、何で名前に数字が付いてるんだよ?」


「いや、本名じゃなくて通り名だ。世界を股にかける狙撃手でドルド46と呼ばれているが、本名は誰も知らねえ…

 ルーク・ナンゴーと名乗る事もあるらしいが、おそらくそれも偽名だろうぜ。

 どんな困難な狙撃も成功すると言われている凄腕でよ、以来達成率は驚異の99.72%を誇る超一流のスナイパーだ」



 なるほど。それ程の凄腕スナイパーを雇ってまでコイツらの口封じをしたかったのか。一緒に俺とラフィも狙撃するつもりだったんだろうな。


「つうか、アンタがドルドの両手を切り落としたのか?」


「ああ。急に懐のリボルバーを抜こうとしたんでな。ヤツが撃つ前に接近して両手をぶった切った」


「マ、マジかよ!?ドルドはドローしてから撃つまで僅か0.17秒なんだぜ!?

 そんなのを撃つ前に切るだと!アンタ化け物か何かか?」


「な!失礼な事を言うな!俺は人間だ!

 だいたい一流の冒険者に0.1秒も与えたら、首が飛ぶのは常識だろうが」


「そ、そんな常識聞いた事がねえぞ!

 ったく、こんなアンタらが人外どもと分かってりゃあ、暗殺なんて引き受けなかったってのによぉ!」



 肩に風穴を開けた暗殺者は忌々しそうな表情で、吐き捨てるように言った。

 俺から言わせれば、暗殺対象の事を調べもせずに依頼を受けるなんて、プロの暗殺者失格だと思うのだが…


 ともあれ、俺たちに完全にビビった様子の3人の暗殺者は、洗いざらいブチまけてくれた。

 予想通り、彼らの雇い主は違法キャンディで利益を上げている『ロッキード・ファミリー』というマフィアの幹部らしい。

 既に別の暗殺者が屋台の元締めを口封じに殺して居るだろうとの事。

 幹部の名はフランキー・ロッキードと言い、マフィアの首領トニー・ロッキードの長子だという。

 屋台の元締めを殺すのは分かるが、何故俺たちが狙われるのか理解不明だったが、マフィアは面子を重んじる連中らしく、外国人の冒険者風情に違法キャンディの屋台を荒らされたとあっては沽券に関わる事らしい。

 エレナにも暗殺者が向かっているのでは無いかと思ったが、マフィアの幹部はエレナの存在に気付いて無いようで、名前が上がったのは屋台の元締めと売り子、それして俺の3人のみということだ。


 さて、このままその『ロッキード・ファミリー』を野放しにしては、ベンゲルシュトム滞在中に第2、第3の刺客が放たれる可能性が高い。

 アズベルト会長にまで危害が及ぶ事も考えられるので、俺は『ロッキード・ファミリー』を叩き潰す事にした。

 先ずは魔導端末で会長のボディガードのミーマに連絡を取り、事の次第を説明。

 アズベルト会長の予定は滞りなく進んでいるらしいので、今晩までに片付くならばという条件付きで、マフィア潰しの了承を得た。



「俺らも同行させてくれ!フランキーの野郎をぶっ殺さねえと、とても気が済まねえんだ!」



 俺とラフィが教えて貰ったアジトへ向かおうとすると、急に右肩を貫かれた男が叫び出した。



「ドルドが暗殺者の最高峰って言われてるんだろ?その程度の組織なら、俺とラフィだけで余裕で潰せるんだが。

 それに、俺を殺そうとした奴の言葉は信じられねえっつうか、せっかくのラフィとのラブなデートを潰されて、些かムカついてるっつーか」


「アンタの言い分は尤もだ!だが、俺たちの身にもなってくれ!

 ドルドを用意したって事は、フランキーの野郎は俺らが暗殺に成功していたとしても殺すつもりだったんだぜ!?

 頼む!ヨシュアさん!一生アンタに忠誠を誓うから!」



 右肩を貫かれた男と他の2人は土下座をして、俺に食い下がって来た。ラフィにイフリートの裁きを使って貰っても、我々に害意もなければ嘘もないようだ。



「だがなぁ、元の雇い主はフランキーだろ?お前らはそれを裏切るって事じゃないか。

 良いか?東方の国のマフィアの言葉に、『一度裏切る奴は何度でも裏切りよる』という物が有る。今は忠誠を誓っても、立場が悪くなれば簡単に寝返るんじゃない?」



 俺は再度突っぱねた。コイツらの覚悟を試す為に敢えて断ったのだ。



「疑うなら、隷属魔法でも何でもかけて貰って構わねえ!それに、コレは裏切りじゃねえ!

 契約要項に違反した依頼主に落とし前を付けさせるだけの事だ!

 頼む!フランキーに舐めた真似をされっ放しで引き下がったら、俺らはもう暗殺者としてやって行けねえ!」



 どうやら男達の覚悟は本物のようだ。

 俺は暗殺者達の同行を認め、ラフィに3人の傷口を治癒させた。

 男達は改めて感謝と謝罪をして、それぞれ自己紹介を始めた。

 右肩を貫かれた男はパイヤ、左肩を貫かれた男はボルテガ、脇腹を貫かれた男はアッシュと言い、3人は『青い3年生』という暗殺者チームらしい。

 ネーミングはカッコ悪いけど、暗殺者業界では名の通った連中のようで、裏社会に様々な情報網が有るとの事。


 アジトに突入する前に、パイヤの馴染みの情報屋からアジトに人が少なくなる時間帯や、フランキーに付いている5人のボディガードの特徴や能力を聞き出した。

 どうやらフランキーは16時になると、人払いをして情婦と良からぬ行為に励むらしい。

 一応部屋の前にボディガードはいるらしいが、其奴らも特に大した事の無い連中のようなので、無力化も簡単に出来るだろう。


 有力な情報を得た俺たちは、マフィア討伐へと赴くのだった。



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