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34話 追憶 ①

いつも『フェロモンイーター』をお読み頂き、ブックマーク登録までして頂いてありがとうございますm(_ _)m


ここからの3話はヨシュアが『宵闇の戦乙女』に加入した最初の頃の話です。

後の展開の布石になるので、お付き合い頂けると幸いです(((o(*゜▽゜*)o)))


 


 病床で涙するアマンダは、ヨシュアが『宵闇の戦乙女』に加入後初のダンジョン探索を思い出していた。




 ーーーーーーーーーーーーーーー




「ソニア、後ろもちゃんと警戒して!

 アマンダは前に出過ぎ!サイドアタックも警戒しないと!」



 ヨシュアの的確な指示が、Dランクダンジョンの3階層に響いている。

『宵闇の戦乙女』はこの3階層で、Eランク魔物のコボルドとの戦闘の真っ最中だ。

 8体のコボルドの内、既に3体はヨシュアの魔法剣によって倒されているが、ヨシュアは全てを自分で倒そうとはせず、ソニアとアマンダにも討伐させようとフォローに回った。



「はぁぁあ!」



 掛け声と共に繰り出したアマンダのロングソードでの刺突が、見事にコボルドの胸部を貫いた。

 コボルドの死体は黒い魔素の霧となり、跡には魔石が残された。



「ナイス、アマンダ!今の感じで、落ち着いて一体ずつ仕留めて行こう!」



 アマンダのサイドに回り込もうとする2体のコボルドを食い止めたヨシュアが、討伐に成功したアマンダに声をかける。



「うん!ありがとうヨシュア。そっちの一体はアタシがやるね」



 直ぐに体勢を整えたアマンダは、ヨシュアが食い止めている2体の内、左の個体へと斬りかかる。



「ファイアランス!」



 詠唱を終えたソニアの魔法杖から放たれた火炎の槍が、背後から忍び寄って来たコボルドの頭部にヒットし、その全身を業火が包んだ。



「ソニア、今の魔法バッチリじゃないか!その調子で討ち漏らしの個体を頼む」


「へっへ〜。やっぱウチって天才。討ち漏らしは任せて!」



 ヨシュアの言葉にソニアは笑顔で頷き、すぐさま次の魔法の詠唱を始めた。

 3分とかからずに8体のコボルドを討伐し終えた4人は、休憩と装備品のチェックの為に3階のセーフスポットに移動した。



「やっぱヨシュア凄いよ!アタシらだけだとコボルド1体にかなり苦戦してたのに、8体に囲まれてもあっという間に倒せるんだもん」


「確かに。ヨシュア入ってくれてマジ助かったわ。

 ここまで無傷で来れたのは、間違いなくヨシュアのおかげっしょ」



 大きめの岩に腰を下ろしたアマンダとソニアは、口々にヨシュアを讃える。



「俺の力なんて大した事無いさ。アマンダとソニアはセンスが良いからちゃんと連携が取れて、こんなにアッサリ進めたんだよ。

 3日間連携の訓練をした成果だね」



 ヨシュアも笑顔で2人を讃え、メンバー間には和気藹々とした空気が流れている。


 ヨシュアは加入してすぐにダンジョンに入るのを良しとせず、4人での連携を確認するために3日間を訓練に当てていた。

 Fランクの底辺で燻っていたアマンダ達には金銭面で不安があり、直ぐにでもダンジョンで稼ぎたかったのだが、冒険者になって3ヶ月も経たずにEランクに昇格したヨシュアの意見に従った。

 アマンダとソニアは3日前のヨシュアの判断は正しかったと実感し、ヨシュアについて行けば絶対にトップクラスの冒険者になれると確信した。



「はぁ…皆んなに比べて、私は何も出来て無いですよね」



 サーシャは皆んなから少し離れた所で、ため息をつきながら自虐した。

 活躍していた3人に対して、自分だけが何もしていないと感じたのだ。



「そんな事は無いよ。サーシャは支援系だから表立って無いけど、事前に打ち合わせしていたポジションを意識して動いてたし、いつでもシールド魔法が使えるように準備していただろう?

 駆け出しの支援職には中々出来ない事だよ。もっと自信を持ってよ」


「ヨシュアさん…あ、ありがとうございます…私頑張ります!」


「うん。皆んなと一緒に頑張ろう!

 サーシャは珍しい聖属性の適性があるから、訓練して行けば『ホーリーレイ』みたいな強力な攻撃魔法だって使えるようになるさ」



 ヨシュアはそう言うと、実に爽やかな笑顔を見せた。

 途端に3人の処女は頬を染め、美形のヨシュアの笑顔に見惚れてしまった。

 鈍感なヨシュアはそんな3人の様子に気付く事無く、そそくさと装備品のチェックを始める。

 処女連中も暫くして我に返り、装備品のチェックを始めるのだった。


 その後の探索も大きなトラブルは無く順調に進み、遂にこの日の目標である5階層ボス部屋の前に到着した。

 これまで『宵闇の戦乙女』はEランクダンジョンですら5階層に到達した事が無く、Dランクダンジョンの階層ボスの部屋前で、ヨシュア以外の3人に不安な気持ちが込み上げて来た。



「ど、ど、どうしよう?ホントにボスまで辿り着いちゃったけど、アタシなんかがホントに大丈夫かな?」



 つい弱音を吐いてしまったアマンダの両肩に、ヨシュアは優しく両手を乗せた。



「アマンダ、怖がらなくても大丈夫。俺の目を見て。

 良いかい?君は間違いなく剣術の才能に溢れている。

 訓練通りに動けば絶対に討伐できる!」



 ヨシュアはアマンダを垂らし込もうとしている訳ではなく、無自覚にクサい事をサラリとやってのけた。

 この時ヨシュアは15歳で、成人に成り立て。つまり、彼は天性の女たらしという事だ。

 アマンダはまたもや顔を真っ赤にして、無言でコクコクと頷いた。

 イケメンの真剣な表情を間近で見て、アマンダの頭の中は薔薇で満タンになっている。



「ああ、ウチはもうダメだわ!何か…その…うん、上手く魔法が打てないわ〜!

 ああ、怖くてファイヤーボールすら打てないかもー」



 アマンダとヨシュアのやり取りを見て、羨ましくなったソニアがワザとらしく弱音を吐く。

 ヨシュアは直ぐにアマンダの側に行き、アマンダと同様に両肩に手を乗せて口を開いた。



「弱気にならなくて良いんだ。ソニアは新人離れした魔力を持っていて、正に魔法の天才じゃないか。

 得意の火魔法で、ボスの『ミスター・ブルドッグ』を灰にしてやるんだ!」


「あ、あ、あわわ…そ、その…まだ不安だわー。ウチをギュってしろし。ギュッがめっちゃ落ち着くじゃんね?」



 ソニアは両肩に手を乗せられただけでは飽き足らず、ワザとらしくヨシュアにハグを要求。

 鈍感王のヨシュアでも、ソニアの言葉にドギマギしてしまった。


 ギュウッ!


 戸惑うヨシュアの代わりに、アマンダがソニアをぎゅっとした。

 ソニアは露骨にガッカリしたが、アマンダの抜け駆けは許さんと言わんばかりの迫力に負け、それ以上ヨシュアに求める事を諦めた。



「…ああ…私ってダメな女…怖くて足の震えが止まらないです…」



 今度はサーシャが露骨に弱音を吐き出した。

 なお、この頃のサーシャはかなりウブい性格をしており、ソニアのように狙って弱音を吐いた訳ではない。



「サーシャ、大丈夫だよ。ここまで君は完璧な立ち回りをしているんだ。

 気負わずに今まで通りの立ち回りで良いのさ。さぁ、深呼吸してリラックスしよう」



 そう言うと、ヨシュアはサーシャの背中を優しくゆっくりと摩り始めた。



「はぅんっ!…ヨ、ヨシュアさんの手…とっても…暖かいですぅ…」



 サーシャは顔から火が噴かんばかりに上気して、内腿をモジモジと擦り合わせた。

 この軽いスキンシップでも『フェロモンイーター』が作用しており、大きな魔力量では無いものの、変換された魔力がアマンダ達の股間から体内に入り込んで行く。



「あ、あんっ、、、な、何か…か、身体が熱い…」


「イヤッ…な、何コレ!?…アッ…な、何か知らないけど、ヨシュアの太ももにアソコをスリスリしたいかも」



 アマンダもサーシャと同様に内腿をスリスリして、全身が火照ったような感覚を訴えた。

 ソニアはこの頃からビッチに覚醒する素養を備えており、露骨な言葉を吐きつつヨシュアへと近付いていく。

 当然ヨシュアはソニアの求めに応じる事はせず、ただただ言葉をかけてソニアを宥めた。


 皆が落ち着いた所で、4人はボス部屋へと入って行く。

 ここのボスはMr.ブルドッグ。コボルドの上位種に当たり、150㎝にも満たない小柄なコボルドと違い、その身長は2mに及び、がっしりとした体躯を誇る。

 当然攻撃力も耐久性も高い為、Dランク上位に位置づけられるボスモンスターだ。


 ヨシュア加入前までのアマンダ達では、面と向かうだけで恐怖のあまり失禁と脱糞を繰り返す程の戦力差なのだが、ヨシュアの『フェロモンイーター』のおかげで強化され、ヨシュアのイケメン過ぎる顔立ちに魅了された3人の乙女達は不思議な程落ち着いていた。



「皆んな、打ち合わせ通りにね。先ずは俺が陽動と無力化を引き受ける。

 俺がミスターの顎を撃ち抜いたら、ソニアはヤツの右膝をアイスランスで撃ち抜いて。サーシャは攻撃魔法撃てそう?」


「は、はい。さっきヨシュアさんにヨシヨシされてから、魔力制御が上手く出来そうなんです。

 ホーリーランスを撃てそうです」


「じゃあ、サーシャはミスターの右膝を撃ち抜いて。

 奴が体勢を崩したら、フィニッシャーはアマンダ。強烈な一撃をお見舞いしてあげて」


「オッケー!だけど、ヨシュアは本当に素手でMr.ブルドッグと闘うの?」



 アマンダはヨシュアを心配そうに見つめる。

 ヨシュアは魔法剣を異空間収納に入れており、代わりに両拳にバンテージを巻いている。



「大丈夫。小さい頃から鍛えられて来たからね。奴は皆んなの方に来ないと思うけど、臨戦態勢は解かないようにね」



 ヨシュアは軽くステップを刻み、一気にMr.ブルドッグの元へ駆け出した。



 GRRRUUUUUU!!!



 凄まじいスピードで接近するヨシュアを強敵と認識したMr.ブルドッグは、咆哮と共に、右手に握った棍棒をヨシュアの脳天目掛けて振り下ろす。



「ヘイ、ミスター!そんなに力んだらスピードが出ねえぜ!」



 ヨシュアは更に大きくステップインして、Mr.ブルドッグの懐へと潜り込んだ。

 彼は勢いそのままに、右ストレートをボディに放った。

 適度な脱力から放たれた拳は、インパクトの瞬間に強く握り込まれ、リストは内側に捻り込まれた。



 ドグオオオオッ!!!



 ヨシュアの強烈な捻じ込み式右ボディーストレートを叩き込まれ、Mr.ブルドッグは体をくの字に曲げて、表情を苦悶に歪ませる。

 くの字になって落ちたMr.ブルドッグの顎を目掛け、ヨシュアはフォローの左フックを打ち込む。左脚を軸に捻り、遠心力と体重がしっかりと乗った左フックは、見事にMr.ブルドッグの脳を揺らした。


 ヨシュアが横へと飛び退いたと同時に、ソニアとサーシャの攻撃魔法がMr.ブルドッグの両膝を貫き、堪らず地に膝をついた所にアマンダの強烈な剣戟が炸裂。

 一撃でMr.ブルドッグの首を刎ねた。



「や、やった!ヨシュア!アタシ一撃で倒せた!」


「ウチの魔法も見た!?膝を簡単に貫いた」


「ヨシュアさん、私、私、、、攻撃魔法が打てました!!」



 Dランクダンジョンの階層ボスを初討伐したアマンダ、ソニア、サーシャの3人は、興奮してヨシュアに駆け寄り、思い切り彼に抱き着く。

 ヨシュアは赤面してキョドりながらも、3人に労いの言葉をかける。抱き着かれた事による『フェロモンイーター』の魔力分配により、先程よりも多くの魔力が3人の処女の股間から侵入して行った。

 その快感によりアマンダ達は一様に腰をくねらせ、処女ながらにムラムラした感覚を覚え、何かがこれから始まりそうな雰囲気になったものの、ヨシュアがドロップ品の回収を理由にアマンダ達から離れた事で、何とかアマンダ達は落ち着きを取り戻した。


 無事回収を終えた所で、4人は意気揚々と帰還用転移魔法陣で地上へと戻ったのだった。




 ◇◇◇◇◇




「万年Fランクの『宵闇の戦乙女』が、Dランクダンジョンの階層ボスを瞬殺したらしいぞ!」

「ジーマーかよ!あんなショボいパーティーにそんな実力無かった筈だろ!?」

「この間なんて、ゴブリン相手に大怪我しただろ!?ガセネタじゃねえの?」

「いや、『白銀の貴公子』がパーティーに入ったって噂だ。見ろよ、あの嬢ちゃん達と一緒に居るだろ?」

「マジだ!くそぅ!ヨシュアってソロ専じゃなかったのかよ!こんな事なら早く声をかけてりゃあ良かった」

「ヤローが声かけても無理だろ。あのパーティーはソコソコツラのイイ女3人だからな。股を開いて貴公子を誘惑したんだろーよ」

「ああ、私のヨシュアくんが…あんなブスなんかより、私の方が何倍もイケてるのに…」

「アンタの方があの子らよりブスでしょ。私のような大人の色気ムンムンのお姉さんこそ、ヨシュアくんに相応しいわ!」

「うっせ、デブ女!ヨシュアくんには私のようなスレンダー美女こそ相応しいわ!」



『宵闇の戦乙女』がギルドで討伐完了報告と、ドロップアイテムの売却を終えると、ギルド内に居た他の冒険者達に忽ち噂が広がり、周囲の冒険者連中は大いに騒めいた。

 元々『宵闇の戦乙女』は、中の上のそこそこ可愛い女の子パーティーという事で、下衆い男性冒険者から好奇の目を向けられていた。

 Fランクに1年近く居続けているウダツの上がらなさから、そろそろ自分達のパーティーに吸収して、アマンダ達を性奴隷扱いしようと考えていた外道も居たのだ。


 しかし、Eランクダンジョンの階層ボスすら討伐出来なかった彼女らが、まさかのDランクダンジョンの階層ボスを撃破。

 あと半年もFランクで燻り続けて居れば、確実に下衆男パーティーに介入出来た所に大金星の噂が流れれば、連中の心中が穏やかでは無くなるのも無理は無い。


 普通ならば難癖を付けに行きたい所だが、『宵闇の戦乙女』に加入したのは、超大型新人と噂されるヨシュアである。

 冒険者になって3ヶ月にも満たないヨシュアは既にEランクになっており、ソロでEランクダンジョンを無傷で踏破して、Dランクダンジョン踏破も時間の問題と目されている。

 現時点で単独でBランク相当の実力と噂されるヨシュアが入ったパーティーに喧嘩を売れば、DやEランクで燻っている下衆な男どもが返り討ちに遭うのは明白。

 彼らは遠巻きに噂をして悔しむしか無いのだ。


 また、女性冒険者たちは超絶美少年のヨシュアが、中の上の女達のパーティーに入った事が気にくわないのだが、下衆男どもと同じくヨシュアと敵対する事を恐れて、遠巻きに悔しむしか無かった。


 そんな周囲の目など気にならない程、初の階層ボス撃破に興奮しているアマンダ達は、今まででは考えられない程の報酬を手に、メンバー間で和気藹々と談笑している。



「たった1日で60万ゲスも貰ったよ!これもヨシュアのおかげだよね〜!」


「そんなの当たり前じゃん!ヨシュアが居なかったら、Eランダンジョンすら苦戦してたっしょ!

 アマンダ、これからはジャンジャン稼ぐから、もっとちゃんとした宿を押えろし!

 今までのボロ宿だとヨシュアに失礼じゃんね?」


「ヨシュアさん、本当にありがとうございます!」


「よ、よしてくれよ。これも皆んなが一生懸命努力した結晶だろ。

 俺のおかげじゃなくて、このパーティー全員のおかげじゃないか。俺の方こそ、才能豊かなみんなの仲間に入れて貰えて嬉しいよ。

 皆んな、俺を入れてくれて本当にありがとう!」



 ヨシュアは全員でクエストを達成した喜びを噛み締めながら礼を言い、アマンダ達に頭を下げた。

 この頃は処女で素直だった3人は、このヨシュアの謙虚さに感動を覚えた。



「そうだ!お金も入った事だし、これからヨシュアの歓迎会にしましょ!?」


「もち賛成!これはオールで飲むしか無いっしょ!」


「ソ、ソニアは…あまり飲まない方が良いかと…」


「は!?何でやねん!好きなだけ飲ませろし!」


「いや…その…この間も、ならず者達に変な所に連れ込まれそうになったばかりじゃないですか…」


「そ、そ、それは言うなし!

 フン!ならず者が来ても、ヨシュアが助けてくれるから!

 ね〜!ヨシュア?」



 サーシャと言い合いをしたソニアはそう言って、ピッタリとヨシュアに身を寄せる。



「う、うん。助けるよ」


「ホラ〜!じゃあさっさと酒場に行くっしょ!」



 ソニアはそう言ってヨシュアの手を引き、ギルドに併設された酒場へと歩き出した。

 アマンダ達も仕方ないと言った表情でソニアに続く。

 楽しい宴の始まりである。



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