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25.もしかしてだけど~俺達結構強いんじゃないの~?


ティル(ハァ~、あの子はほんとにもう、ハァ~って感じね…

こんなところでも落ち着きがないなんて。)


剣状態で俺に持たれているティルがそうごちる。


いくらカンナといえど封印指定級ダンジョンというかなり危険なところなら

冷静にならないといけないと自覚してくれると思っていたが、そんなことはなかった。


ほんとに、カンナについては不安になってきた。


アノン「翔、カンナは前からああなの?」


翔「ああ、声だけの時は偉そうな態度だったんだけど、面と向かって話した時はすでにあんな感じのクソガキムーブだったな…」


アノンは??という顔をしていたが、そうなるだろう。

まあとりあえずはカンナと合流しないとな。


部屋を右に進み、廊下をずんずん進むとカンナは廊下の端でしゃがんで泣いていた。


カンナ「うう、ひっく、ぅぅ。」


翔「カンナ、一人でいくのは危険だよ!怖いなら適当に誰か召喚して手でも握ってもらってなさい!」


冗談でそう注意したらカンナはそうか!と言い適当な大きさの眷属を二体召喚し隣を歩かせることにしたらしい。


まあこれで冷静になってくれるならいいか。



そこでふと周りを見た。

怪しげな絵画や彫刻がそこらじゅうに飾られていた。


今にも動き出しそうだ。こんな狭いところで大量の敵との初戦闘なんか最悪だ。さっさと移動しないと!


そんなフラグを立ててしまったばっかりに、奇妙な作品達は本当に動き出し俺達に向かって襲いかかってきた。


世界最高難度ダンジョンでの初戦闘、流石に只ではすまないかもしれない…。

いや、俺は強くなってるんだ、行ける!!

そう自分に思い込ませる。そんな風に自己暗示をかけていると、翔は仕掛けるのが一歩遅れた。


リーシア「食らいなさい!闇魔法!」


アノン「白炎!」


リーシアの闇の手が、アノンの白い炎が瞬く間に怪しげな敵達を屠りさった。


リーシア「やりました!主様!」


…………あれ?余りにも呆気ない敵に思わず拍子抜けしてしまった。

もしかして俺達が強すぎたのか?


いや、いくら最高難度のダンジョンとはいえ全ての敵が強いとは限らない。おそらくあいつらはこのダンジョンでも一番弱い雑魚モンスターだったのだろう。


そして、また慎重に奥へ進むことにする。


少し歩くと廊下の両サイドに部屋が二つあるところに来た。

おそらくこの中にはモンスター部屋か宝箱があったりするんだろう。

最高難度のダンジョン内アイテムは魅力的だが、モンスターハウスやトラップの可能性もある。危ない橋を渡るのは辞めておくか……

と、普通なら思うだろうが俺達には【難易度変更】の付属効果がある。

だからそうそう大丈夫だろう。


そう思いつつ一応警戒しながら、まず右の部屋に入ることにした。


何もない、ここはハズレかな?いや、何かいる……


よく見ると王の格好をした骸骨が奥の椅子に座っていた。

少し気味が悪い見た目だが、見た目より骸骨が放つオーラがかなり不気味だった。その骸骨は当然のように立ち上がり話しかけてくる。


骸骨「久しぶりだな、侵入者が来るのは、久しぶりに生命を殺せるのか、

楽しみだなぁ。」


かなりヤバイやつだ、即刻倒さなければ!

よし、先手必勝!。


翔「ターンアンデット!」


骸骨「ふっふっふっ、我に会ったが運の尽きだな。我は今まで多くの人間をぉぉぉ、うぁーーーー!!」


呆気なく、綺麗に消滅した。


あれー?見た目は結構強そうだったんだけどなぁ。こいつも大したことなかったな大物感はあったけど。


でもこの呆気なさは皆も感じていたようで、口々にそんなに強くなかったねとか言いあっている。

きっとボス特化のダンジョンなのかな?


気を取り直して左にあった部屋に入ってみよう!


今度は無警戒にガチャ、と扉を開けると中には宝箱があった。

しかも俺達と同じ数ある。

よく観察すると、宝箱の側に


お揃いの宝箱


と書いている看板がたっていた。

可愛い名前の宝箱だなーと思いながら、特に皆に確認せず開けることにした。

ぶっちゃけると、初めての宝箱だったので我慢できなかったのだ。


何が入ってるかなー?

初めての宝箱、その中を覗くとそこには


あれ?こんだけ?


中には一つだけ指輪が入っていた。







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