1章まとめ(3章から読んでくださった方向け)
3章からこちらも読んでくださる方がいるのでまとめてみました。
3章だけでは繋がらない、わかりにくいところが、少しでも納得していただけると幸いです。
植物さえ存在できない砂に覆われた世界、かろうじて生きながらえる者たちは太陽の光と熱を避け、昼間は日陰にこもり、地上での活動は夜に限られていた。
日中の地上で動くものと言えば線路を周遊する「夜汽車」だけだ。夜汽車の中には「義脳」と呼ばれる作られた知能のアイと、アイよって教育を受ける生徒たちが何不自由なく平和な共同生活を送っていた。生徒たちは名前を持たず、試験の成績順で互いを呼び合っている。
そんな彼らが恐れるのは「地下に住む者」。野蛮で暴力的で駅さえ襲うことがあるという。夜汽車の車窓からもその姿を見ることはあったが、夜汽車の中にいる限りは絶対的な安全に守られているため、生徒たちはその存在を軽んじていた。
しかし生徒の中から声が上がる。「地上に降りてみたい」と。
アイの目を盗んで降車を企てる彼らはやがて、「ネズミ」と名乗る集団から謎の通信を受信する。
ネズミの力によって地上に降りた生徒たちは、地下に住む者に遭遇し、対峙し、やがて理解を深めていく。
地下に住む者と反発しあうネズミたち。
夜汽車の生徒を珍しがる地下に住む者。
そして地下に住む者に従うアイ。
何を信じればいいのか戸惑う彼らに突きつけられたのは、彼らが地下に住む者の腹を満たすために飼育されていたという事実と、彼ら自身もまた、別の夜汽車を口にしてそれまで生きてきたという現実だった。
彼らが夜汽車の中で当たり前のように飲んでいた「缶詰」の中身は、別の夜汽車の生徒から搾り取られたものだったというのだ。
そこで彼らは困る。
飲まれたくない、死にたくない、けれども殺したくもない……。
彼らを救うためにやって来たというネズミを信じられずに逃げ出す者、地下に住む者に惹かれて去っていく者、傷つき、離れ離れになっていく彼らはやがて、それぞれの答えを見つけて地上で生きていくことを決意する。
登場キャラクター
<夜汽車>
シュセキ(男) 試験では常に首席、体育のみ2番目。ワシから逃げる時に左脚を切断、意識が朦朧としている間に他の生徒とはぐれる。
サン(女) 他の夜汽車の生徒は知り得ない知識を持っている。ネコの集団に遭遇し行方不明。
ナナ(女) 笑い上戸の心配性。ワシの駅で出会ったヨタカに惹かれ、夜汽車に戻らないと決意する。
ジュウイチ(男) 癇癪持ちの小心者。ネズミから離れたい一心で夜汽車に戻ろうとするが失敗、最終列車に拾われる。
ジュウシ(男) 批判と揚げ足取りが上手な理屈屋。サンを守ろうとしてワシの銃弾に当たる。
ジュウゴ(男) 万年最下位の感覚派。離れ離れにになった他の生徒を探し続ける中でカエルと応戦、左目を失う。
<ネズミ(全員男)>
ハツカネズミ 夜汽車の生徒たちを迎えに来た集団の隊長。隊員を殺されたことに激怒し、単身、ワシの中に突っ込んでいってしまう。
ヤチネズミ ハツカネズミとは同世代。怒ってばかりで隊員にも夜汽車の生徒からも慕われない。ワシから逃げるために夜汽車の生徒を乗せた四輪駆動車を走らせるが、走りすぎて他の隊員とはぐれてしまう。その後はネコに遭遇し、何もかも奪われて現在迷子。
オオアシトガリネズミ ハツカネズミ隊とは別の部隊の部隊長。ヤチネズミの後輩。
地下に住む者
<ワシ>
ヨタカ(男) 手の早い調子者。顔の半分が焼けただれている。夜汽車のナナを逃がそうとして兄のクマタカに叱られ、撃たれ、昏睡状態に。
サシバ(男) ヨタカの保護者的存在。間が悪い。
チュウヒ(男)、ハヤブサ(男)、チョウゲンボウ(男) ヨタカの幼馴染。
クマタカ(男) ワシの当主。
<カメとヘビ>
リクガメ(男) リクガメ班の班長。女に優しく男に酷い。カエルとの抗戦中に夜汽車のジュウゴをかばって討死。
イシガメ(男) リクガメ班。カエルに襲われていたところをジュウゴの勘違いで助けられ、気を許してジュウゴを駅に招き入れる。
ヤマカガシ(男) リクガメ班。背が低い医者見習い。イシガメとは気が合う。ジュウゴとも打ち解けるが、あまりの物覚えの悪さに切れ気味。
クサガメ(男) リクガメ班。イシガメの弟。セクハラ発言が過ぎるジュウゴをパワハラで抑え込む。
トカゲ(女) リクガメ班。目つきと態度が悪いモンスターペアレント。ジュウゴにセクハラされ過ぎて切れ続けていた。
シマヘビ(女) リクガメ班。顔はいいが口が悪い。
スッポン(女) リクガメ班。リクガメの元交際相手。
シュウダ(男) ヘビとカメの駅の当主。医者。
<研究所>
コウ(男) 夜汽車の生徒たちを手助けした少年。ワシの当主のクマタカを「お兄ちゃん」と慕う。サンを追う最中に吹雪に見舞われ餓死。
ワン(獣) コウとともに研究所にいた獣。黒い。毛深い。コウの死後、ジュウゴにつきまとうようになる。
アイ(女) 義脳と呼ばれるつくられた知能。夜汽車内では生徒たちの保護者兼教師兼良き相談相手であり理解者のような存在だったが、ワシの駅では夜汽車の生徒をワシに差し出す。




