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1つ目

私の生活リズムは狂ってる。


朝6時半に起きて7時に学校へ行く。ど田舎の電車は本数が少ないから時間が極端だ。そして、授業を受けて部活をして家に着くのは19時半。勉強熱心な子はすぐに勉強するかもしれないけど、私はご飯を食べてすぐに寝る。寝ようと思って寝てるわけじゃないけど気づいたら3時半だ。それからお風呂に入って授業の予習とか課題をして5時半くらいにもう1回寝る。


心にゆとりのない生活だけど寝なきゃなんにもできないんだから仕方がない。部活を辞めろって思う?それができないんだよなー。私はバドミントンが好きだから。特別強いわけでもないし、部活の人間関係は面倒くさいけど、バドミントンというスポーツだけは大好きなんだ。


今日も5時半から6時半までの中途半端な睡眠をうるさいアラームで止められて、学校へ向かう。学校に行くのは嫌だけど朝の外は好きだ。


透き通るような空気に心が水洗いされたように清々しい。こんなに気持ちがいいのに駅から学校まで歩く時間は太陽が照りつけて暑い。これだから夏は嫌だ。


満員電車に乗って真っ先にイヤフォンを耳にして音楽を流す。そして英単語帳。私の電車の時間は暗記の時間。これがないと私の小テストは毎回不合格になるだろう。幸い都会ほど混み合うことはないから、満員とは言え単語帳くらいは開ける。


英語は苦手だけど小テスト用に英文を覚えるのは意外と得意。2年生になってからまだ1度も再テストに行っていないのが私の小さな自慢。


私が乗った駅の2駅後の駅であの子が乗ってくる。あの子とはノッポちゃんだ。ノッポちゃんとは私が勝手に呼んでいるあだ名で、本名は川中 菜優なゆ


私が中学生の頃好きだった男子の彼女だ。私と違って身長が高いからノッポちゃんと呼んでいる。逆恨みの混じった性格の悪いあだ名だから誰にも話していない。

ノッポちゃんはいつも誰かと一緒でニコニコしながらおしゃべりしている。外見がめちゃくちゃ良いとかじゃないけど人から好かれていそうな感じだ。


ノッポちゃんを視界から外して、私は英文に集中する。下車駅に着くまでに全部覚えるのが私のノルマだ。このペースだと今日は間に合いそう。


見事ノルマを達成して私は別の車両に乗っていた美玲ちゃんと合流した。白田 美玲ちゃんは同じ中学で、今年から同じクラスになったことをきっかけに一緒にいるようになった。


最初は優しくて面白い子だなと思っていたけど、だんだん話しにくいと思うようになった。


「翼ちゃん、おはよう。昨日スタートの○○ってドラマ見たっ?」


嬉しそうに聞いてくる。


「ううん、見てない。その時間は爆睡してたかな〜。」


ICカードをタッチしながら答えた。


「そっかぁ、翼ちゃん寝てから勉強する派だもんね!○○めっちゃおもしろかったよ!」


興奮気味に目を輝かせている。


「そうなの?好きな俳優さんが出てるとか?」


「うんうん!ユッタが出てるの!」


ユッタとは美玲ちゃんが好きなアイドルのあだ名だ。


「あぁ、あの背高い人か〜。」


嫌いではない。


「かっこよかったぁ!でもヒロイン役が最悪なんだよねー。」


始まった。美玲ちゃんはダメだしをする時、表情がいっきに変わる。目が細くなって口が歪む。私はこの顔が苦手だ。


「だ、誰なの?」


「島谷ユマ。あーもう本当可愛くないし、おばさんだし、なんであんなのがユッタの恋人役なのー!」


おばさんと言っても30代だ。20代のユッタと比べればおばさんという域に入るのだろうか。


「まあまあ、これからよくなるかもしれないし、ね?」


「え〜、無理でしょー。」


相変わらずのこの顔だ。


「んー、そうかもねー。年は若くならないもんね。」


結局合わせておく。


この学校までの時間が私にとっての1つ目の苦痛だ。


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