子育て兄さん奮闘記
星砂家の次男坊のなげき。
そもそも…やりたくてこうなったんじゃない!
僕だって平凡な小学生、中学生をしたかったが、うちの共同する牧場の姉御サチが子犬を三匹、僕に世話するようにとおしつけたのがはじまりだ。
動物愛護に弱いんだとか自称するサチ姉はすぐに子犬やら子猫やら拾ってくる。
サチはせっかちなのでいざ育てるとミルク作りだけで根をあげたまたま手伝いしていた僕に夏休みの自由研究にいいでしょうとかいって子犬をおしつけた。
本よんだり子犬を育てた経験ある蔵元家のリョウ兄貴にきいたりしながら大奮闘で育てた、子犬達はみんな元気に育ちしつけもしっかりできていたのですぐに貰い手がついた。 それからというものサチはなにかと僕に子犬やらおしつける。
乳兄弟の昴は子育てなんて女のやることだとかいって見て見ぬふりだ。
まったくもう僕だってアリさんと一緒に遊びたいのに今度は子馬をおしつけられいい迷惑だ。
やっと終わった。
授業のビデオみながら牧場の手伝いをするという日課になってしまったこのごろどこにもいきぬきできないありさまだ。
「まったくお袋のやつ自由奔放もいい加減にしてくれよな。」
隣で母親に妹おしつけられた晋作がなげく。
蔵元家の末息子の晋作はまだ1歳の妹の面倒を見るのにここ3日、奮闘だ。
「コン助は放置しといてもだいじょうぶだからいいよな。うちのガキは目を離せねえ。チビ達がいてくれて助かったぜ。」
従姉妹の美月と葉月がちょうど遊びにきて晋作はやっと勉強にてをつけれたというとこだ。
「コン助だって乳離れするまで大変だったよ。おかげで僕のレポートは馬臭いぞて山南先生に笑われたよ。」
言ってるそばからガンガンと窓から音がする。
「コン助がお呼びだぞ。」
ハイハイ、この調子だ。
僕が面倒みてる子馬は変な癖があるなにかして欲しいと鼻で壁を叩くので晋作がコン助と名付けた。
まったく受験生なのにとなげきたい。