ダンジョンマスター専用魔法とチョコレート製造機
あれから一週間もしないうちにスライムが十万の大台に乗った。流石に多いのか今では魔力が空気中にあまり出ていない。そのせいであまり増えなくなってきていた。
「流石に多いか。十万×10で百万DPか。DPを気にせずに何でもできるようになるな」
「大概の魔物は召還できるでしょう。ですが合成による進化した魔物やアンデッド系の魔物は召還できないですけどね」
「アンデッド系か。そっちはダンジョンマスター専用魔法で何とかなりそうだけどな」
「そうなのですか?」
「ああ、死霊魔法というのがある。それを使えばアンデッド系はできる。ただこのアンデッド系魔物は死者扱いだからDPに換算できないのが残念だな」
「そうなんですか。そういえばMPを使うんですよね。そんなのとっちゃったらダンジョン経営に使えなくなりますよ?」
「ああそこも心配ない。これもまた専用魔法の瞑想で増やせるようになってる。瞑想は常に魔力を練りながら放出する魔法で一時間で百も増えるようになってるからな」
「またまたヘンテコな魔法ですね。しかし、ダンジョンのシステムいい加減ですよね。魔物保有数で月に一度とはいえDPが増えるのですから」
「確かにな。俺に都合が良すぎる気もするけど。眷属魔法の叛逆の意思なんて神が作るとは思えないし。どうなってんだか」
何者かが介入している可能性も考えられるがその場合誰が介入しているのか分からない。神にわざわざ叛逆する奴がいるとは思えないし。もしかしたら神の中で揉めているとかなら可能性もあるが。
「まぁ考えても仕方ないだろ。邪魔するものは悉く潰していけばいいんだし」
「さらりと酷いこと言ってますがその通りですね」
「と、いうわけで死霊魔法を覚えようと思うんだ」
「何がという訳なんですか。もっと使えるものにしてはどうですか?」
「例えば?」
「………チョコレート製造機」
「………………」
もはや魔法ですらない。こんな落ちがあっていいのだろうか。リベルだから仕方ないのか。いや、仕方なくないな。まぁでも。
「今のDPは5000とMPは1200だから一応作れるな」
「………チョコレート」
「……しょうがない作ってやろう」
リベルの可愛さに負けてしまった。親が子を思う気持ちがわかった気がする。このどうしようもなく世話をやきたくなる感じ。止められない。
メニューから嗜好品一覧を表示する。その中でまず高級チョコレート製造機を選択してみる。もちろんDPが足りない。リベルの為にできるだけいいのを買ってやりたいが流石にないものはしょうがないか。そう思ってると新たに表示が出た。
『十日の気絶と引き換えに購入可能です。購入しますか?』
「えー本当チートって何だろう」
「どうしたのですか?」
まぁ可愛いリベルの為だし、ここは一丁一肌脱ぎましょうかね。
「リベル、これから俺は十日ほど気絶するから心配するなよ」
「え、どういうことですかそれ」
そして、俺ははいのボタンを押した。その瞬間意識が闇に閉ざされた。