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スライムは便利は便利だけど……

「スライムめっちゃフエテル」


 思わす片言になってしまった。いや、それほど増えているのだ。あれから少しだけ眠りについて起きたら百を超えるスライムとご対面だ。誰だって片言にもなる。しかも色違いのスライムがいたりするし、中には魔法を使ってるスライムすらいる。スライムって恐ろしい種族なのを今初めて思い知らされた気分だ。


「タツ、これはいくら何でも増えすぎではないですか?」


「俺もそう思ったんだが手の付けようがないしな。どうしようか」


 割とマジで深刻な問題だ。ゴミをすべて消化できたのはいいのだがまさか数時間で全部消化してあまつさえ百を超えるスライムになるとは。メニューで詳しく見てみるとスライムのレベルも12とか6とかバラバラだ。そして扱えるスキルもバラバラでそれぞれに特化したスライムや前衛オールマイティなスライムなど様々だ。スライムのダンジョンに鞍替えできるレベルだな。ちなみに後衛オールマイティなスライムもいる。


「とりあえず転移して隠そう。まだ発見されるわけにはいかないからな」


 俺は範囲をダンジョン一階に指定して地下に転移した。百を超えるスライムを数えるとすべて128体いることが分かった。わざわざ数えたのだが後でメニューを見て後悔する羽目になった。


「こんな所に数が書いてるじゃないか」


「タツ、ドンマイです」


「うう、リベルの声が痛いよ」


 心にほんの少しのダメージをおいながらもこれからどうするか考える。様々なスライムが出来上がった今これを活用しない手はない。このスライムを活用するためにできることをやろう。


「よし、まず何をしようか」


「まずはスライムの餌の確保ですね。四時間ほど一階にいたのでDPは1200ありますから魔力水を設置しましょう」


「魔力水か。まぁ今後のためにもいいかもね。俺達も一応使えるし」


 魔力水とは文字通り魔力を含んだ水のことだ。これはどの魔物にも共通するのだが餌となり得る。この魔力水が空気中に蒸発することでダンジョン内に魔力が貯まるようになると魔力水を飲まずとも生きていけるようになる。つまり、魔力水がなければダンジョン内では魔力が生まれないのだ。

 ちなみに魔力とは空気中ある空気と同じようなもので、魔物にとっての酸素である。魔力のことをMPと表示することもあるらしい。これはリベルに教えてもらった。


「魔力水を飲むのですか?確かにMPすぐに回復できますが美味しくないですよ?」


「とりあえず500DPを使って魔力水の溜まり場を設置しよう」


 メニューから魔力水の溜まり場をタッチ、DPを消化して具現化させた。水と変わらない透明度の魔力水が俺とリベルの目の前に現れる。試しに飲んでみるととても苦かった。


「こりゃ何回も飲めそうにないな。スライムは喜んで入ってるけど」


「そりゃそうですよ。魔力なんて人間にとっては毒ですからね。ダンジョンマスターとなったタツには関係ないのでしょうけど」


 今、さらっと大事なことを言ったよねリベル。俺はあえて聞かなかったことにして魔力水を飲む。死なないのだからとがぶ飲みしてMPを1000まで回復させる。そして残りの700DPと1000MPを使ってフロアの増築と地下にあった小部屋とダンジョンの隔離を行った。


「二つも増やしてよかったのですか?」


「いいんだよ。どうせゴミしか捨てに来ない廃棄のダンジョンなんだ。とりあえずの目標は十階層とフロアボスを作ることだ」


「タツがいいなら別にいいですけど」


「魔物は魔力を吸えば吸うほど強くなる。スライムを核に魔物保有数を増やせばDPも増えるし、フロアボスを認定すれば階層ボーナスがもらえる」


 俺が狙っているのは魔物保有数によるDPボーナス。一体に対して10と少ないが塵も積もれば山となる。これでDPを増やす。そして、もう一つがフロアボスを認定する事による階層ボーナス。こちらは十階ごとにフロアボスを認定する事ができる。フロアボス一体×1000のDPが手に入る。

 これらは月に一度しか手に入らないが確定ボーナスとしてもらえるのが嬉しい所だ。スライムは魔力水によって無限増殖とレベルアップ、フロアボスは十階ごとに1000DPが増える。いわゆる固定資産として扱えるのだ。

 また増えすぎたスライムは外に放ち周囲を制圧する事にも使えるし、まさに一石二鳥である。


「まぁリベルには苦労させないから安心してくれ。そのうち衣食住も揃える。1ヶ月後がチートの始まりだ」


「期待しないで待ってますよ」


 こうして俺が考えた大量DPによる戦力増強作戦が始まった。とてつもなく楽に戦力を揃えることができるこの作戦はチートに近い。DPを使えば何でも召還する事ができる。強力な魔物を物量作戦にも使えるようになれば外の世界を征服するのも容易い。やらないけどね。


「1ヶ月後が楽しみだな」


 俺は神への復讐の第一歩を踏めたことにほくそ笑んだ。



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