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ブラックショートショート

安全性

作者: Iso Rock

 男は友人が車を廃棄しようとしているのを見かけた。

「おい止めろ、何をやっているんだ」

 男が止めたのは無理もない。

 友人のその車は、買ってからまだ一年も経っていない上に、本人がとても大事にしていたはずのものだったからだ。

 友人は男に車を捨てようとした理由を尋ねた。

「この車は、安全じゃないから捨てるんだ」

 そんなはずはないと男は思った。

 その車は安全性も信頼性も高いと評判で、ついこの前も、男を乗せて元気に走ってみせたのだ。

 どうせ捨てるのならと男は友人に頼み込んで、車を譲り受けることにした。

 男が車を友人宅から持ち出してから間もなくのこと。

 車が行く道路にいる通行人の一人が車を指さした。

「あれを見ろ! ○○の車だ」

 通行人は、親の仇を見るような目で車を見ています。

「本当だ。○○の自動車だ」

「あれは、○○の自動車じゃないか」

 最初の通行人に伝播して、周りの通行人も同様の反応を示しました。

 そして、男の車を取り囲むとこのような言葉を口々にしました。

「○○が憎い」「○○の作った物は許さない」「○○の物は全て壊せ」

 囲んだ人達によって、あっという間に車も男もボロボロにされました。

 朦朧とする意識の中で、男は「ああ、この事か……」と友人の行動の意味を理解した。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まるでアジア諸国の暴動のようでした。 「あれを見ろ!日本の車だ」 「日本の作ったものは全て壊せ」 ○○を日本と置き換えると、しっくりきすぎて怖いです。
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