第20話 ドキドキデート①
山梨で男女が遊ぶ場所というとそう多くない。高校生であれば尚更である。
そんな数少ないデートスポットの一つであるイオンモール甲府昭和で、俺は風香さんと待ち合わせをしている。先日の賭けチンチロ対決の罰ゲームに巻き込まれたのだ。
罰ゲームの内容は「俺と風香さんがデートする」ことである。しかも、デートプランまで指定されている。俺はその内容については何も知らない。
待ち合わせ場所に指定された場所がイオンモール内の映画館であることから推測するに、まずは映画を観るのだろう。
「おーい!みやのくーん!」
名前を呼ばれ振り向くと、そこには白いワンピースを着た風香さんがいた。
「ごめーん!待った?」
「全然、今来たところだよ」
「良かったあ。ふう」
「そのワンピース、似合ってるね」
「ほっ、本当!?えへへ。最近新しく買ったんだーうふふ」
風香さんは今日も元気そうである。
「よし!行こっか。まずは映画だよー」
「はーい」
風香さんに連れられる形で俺は映画館の中へと入っていく。
今日見る映画は、巷で話題の泣ける恋愛映画らしい。まるでカップルのようなチョイスだ。
***
映画鑑賞は大きな問題は起こる事無く終わった。
ラストの感動的なキスシーンの最中に、目の前のカップルがキスし始めたことを除いて。
「良い映画だったね!最後のシーンは思わず涙が出そうだったよ」
「目の前のカップルさえいなければな」
「あはは、、」
「原作小説が三階の本屋で売ってるらしいぞ」
「そうなの!?後で買いに行こっと」
「そうだね。次はどこに行くの?」
「目の前のファミレスー。ここに行けって悠月ちゃんが」
ふむ。何か企んでいるのかね悠月。
***
「は、はい、あーん。熱いから気を付けてね。あっ、フーフーする?」
え?




