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09.バレンタインと山田君①

 今日はバレンタインだけど山田は大丈夫だろうか……登校中そんな事を考えていた。僕はだいたい義理チョコ何個か貰える感じ、山田のついでに渡されることもある。あ、山田靴箱の前で固まってるー。


「大丈夫か?? おはよう、山田」

「大丈夫な訳あるか……見てみろよこの中」

「うわぁ……」


 山田の靴箱の中はもう何も入らないレベルでギュウギュウだ。


「ゴミ圧縮したやつみたいになってる!! 雪は大丈夫なのか!?」

「え、僕は大丈夫……」


 靴箱を開けると不思議な物が入っていた……コレ、あの女子達が言っていた本、同人誌ってやつじゃないのか!! おい!! バレンタインに贈る物じゃないだろう。いや、バレンタインじゃなくてもこんな物見たくないよ!! 僕も山田も女の子が好きだー!! それにしても上手いな、絵!!


「どうした?? 雪??」


 僕も固まっていたみたいだ。


「大丈夫じゃない……よ……」

「圧縮されているのか!?」

「いや、チョコは二個だけだよ」

「何が入ってたんだ」

「山田、お前は見ない方がいい……やめておけ」

「え?? 気になる……」

「あっ、ちょっ!!」


 山田が自分の靴箱から飛んで来た。やっぱりコイツたまに瞬間移動を……。


「な、な……絵、うま!!」

「そういう問題じゃないだろ、僕も思ったけど!!」

「コレ俺達か?? 見たくは、ないな……はぁ」

「せっかく見ない方がいいって言ってあげたのに……」

「というか俺達ってこんな風に見られてんの??」

「今まで気付かなかった山田も凄いけどね」

「え、そうなのか??」

「うん、結構僕等の会話とかでキャーキャーなってたよ」

「そうだったのか……まぁそれは置いといてあのパンパンのチョコどうやって取り出すんだよ?? 取り出せないと上履き出せない。出してもくちゃくちゃだろうなーあーあー」

「置いとくのかよ!! まぁいいけど。コレどうしよう……捨てたいけど……いいかな捨てて」

「バレンタインの前日は上履き持って帰ってたのに!! 忘れてた!!」

「捨てて誰かに見られるの嫌だから燃やそう」

「はぁ、穿り出すか……面倒~。ああ、雪、それは燃やすのが一番だと俺も思うぞ」

「だよね。チョコ出すの手伝うよ……」

「お互い大変な朝になっちゃったな。ありがとう雪」


 ああー、本当に凄いやコレ。そりゃあバレンタイン嫌いにもなるよな……。僕でも流石にこんな事なってたら嫌だもん。羨ましいなって思った事はそりゃ、あるけどな。でも目の当りにしたら怖い怖い。普段のんびりしてる奴なのに瞬間移動みたいなのたまに出るのバレンタインのせいなんじゃ……。


「ほい、紙袋。お前の為に持って来たからコレに入れろ」

「おお、気が利くな雪!!」

「いや、毎年こうなるのに持ってこないお前がおかしい」

「俺の為にありがとな!!」

「おう、いいよ。お前バレンタインはホントに疲れてるからな」

「う、うん」


 なんとか靴箱のは回収して教室に向かったけどその間も山田は挙動不審だった……廊下を歩けば女子達が山田を目で追っている。心なしか目が光っている。


「一歩一チョコだな……進まない……」

「雪、走ろう」

「廊下は走っちゃ――」

「行くぞ」

「うぉぉっ!!」


 腕を掴まれて物凄いスピードで女子を置き去りにしていく。山田、速すぎるぞ!! 


「はぁっ、はぁっ……」

「はぁっ……山田ぁ……アレ」

「言うな……」

「いや、あのままじゃ授業受けれないだろ」


 机の中に収まらず机の上にも……なんか、アレだ、お供えみたいになっている。僕が持って来たでかい紙袋ももうパンパンだぞ。


「ほい、コレ、どうせ足りないと思って」


 僕はもう一つ大きな紙袋を渡した。


「お前……ド○えもんなの??」

「いや、秘密道具じゃないし」


 これは理由も一応あって一度山田が「チョコは受け取らない事にした」って全く受け取らなかったバレンタインがあった。それでも受け取って欲しい女子達は何とかして山田に受け取って欲しかったのだろう、入れれる所に入れておく。それが女子の答えだった。失敗したんだな、山田は。これなら緊張しなくてもいいしとりあえず優しい山田は何だかんだで持って帰るから……というか食べ物捨てるなんて……って落ち込んでたし。変な物にも敏感になっているからそういうのは捨ててるみたいだけど。


「はい、入れたよ。机の中のも」


 げっそりして体育座りで隅っこにいた山田に声を掛ける。


「雪!! ありがとう雪!! 俺から離れないでくれ!!」

「だぁーーーっ!! そういう事言うな!! また本、作られる!! 贈られる!!」


『きゃあっ、今の聞いた!?』

『離れるな、だって!!』

『創作意欲が湧いてきたーっ!!』

『素晴らしい、尊い~』


 やっぱり!!


「ほら見ろ、あああもう、また本出来上がるぞコレ」

「今日は本の事なんて考えられない……」

「ちょっとは考えてくれ!!」

「ごめん……今は、今日はチョコが怖い」

「饅頭怖いみたいだな」

「アレは欲しい人だろ!?」

「確かに」

「あ……女子が……」

「机に……アレ絶対チョコだよな」


 女子がチョコを机に置いてなんか祈っている。本当にお供え物みたいなんだけど!?


 ――次回へ続くほど山田は無自覚だ。

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