12.さよなら一年生の山田君
騒がしいバレンタインデーもホワイトデーも終わって後は春休み……もう一年生も終わるのか。
「お前さ、先輩からも人気あったけど後輩のファンの方が絶対多いぞ」
「ファン~??」
「ああ、覚悟しておくんだな」
「ビビらせんなよ……」
「いや、本気だけど??」
「うーん……どうすればいいかな??」
「山田ってさー無自覚じゃん、だから絶対無理だよ頑張れない、だって無自覚だし」
「無自覚無自覚ってよく言うけどさー!! 普通にしてるしむしろ女子を遠ざけてるつもりなんだけど!?」
「お前はさ、次元が違うんだよ」
「次元?? 意味分からん」
「僕も言っててよく分からなくなってきた」
一年生か……いろいろあったなー。山田と同じ学校に入学したのも驚いたしクラスも同じで、中学の時よりかなり仲良くなれた、と思う。
「高校入ってから僕達って仲良くなったよね」
「いやぁ、中学の時からそこそこ仲良かったよ」
「ま、そうだな、そこそこな」
「親友って言えるようになったのは高校からかな」
「だろー??」
「二年、同じクラスになれるかな」
「どうだろう、七クラスあるから」
「あーまぁそうだよな」
「また同じだと運命感じちゃうよな」
馬鹿な事言うなよー!! 本、何冊作らせる気だよっ!!
『はい、三冊目決定だね』
『尊いお言葉、運命の二人』
『今日から作業に入るよ!!』
『楽しみだね!!』
ほらー!! というか二冊目完成していたんかーい!! 今日からって気合入りすぎだろ!!
「お前、言葉には気を付けろ」
「え、何??」
「それも無自覚なんだろ、分かってるけど」
「ん、んー、俺そんなにおかしな事言ってる??」
「おかしな事じゃなくて餌を与えるなと言っている」
「なんの餌だよ、雪意味分かんない」
「もういいよそれで」
「何か知らないけど雪よく言うよねソレ」
「じゃあ教えてあげるよ。バレンタインに靴箱に入ってた本あるでしょ」
「あー、ああ、アレな。うん」
「それ、ここでの僕達の会話で出来ているんだよ」
「えっ、そうなのか……知らなかった」
まあそうだろうな。じゃないと発言にもっと気を付けているだろうし……。でも僕何度か言わなかったっけ!? ホント人の話聞いてないなー、山田は。
「で、燃やしたのか??」
「そりゃそうだろ、燃やしたよ」
「クッ、はははっ!!」
「何がおかしいんだよ」
「燃やしている所、想像したら笑えてきた」
「ったく、何で僕の靴箱にだけ……もしかしてお前の靴箱にはもう入らなかったって事か!?」
「なるほどなー、そうかも」
二年生のバレンタイン今から怖いな。山田の靴箱……。
「山田二年になったらやりたい事とかあるの」
「え?? 雪はあるのかよ~」
「ない、かな」
まぁ、二年になってもっコイツは……
――山田は無自覚だ。




