表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハズレギフト【非才無能】で落ちこぼれだった俺、伝説の魔剣を手にして成り上がる~元仲間がすがって来るけどもう遅いと斬り捨てる~  作者: 折本装置


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/57

57話「非才無能、終わって始まる」

 俺の朝は、まずルーチェとマリィを起こすところから始まる。

 二人の意識が完全に覚醒する前に簡単な朝食を用意する。

 三人分の食事を作るのも、一週間もすれば慣れた。

 そもそも、〈聖女の英雄〉にいたころは五人分の食事を作らされていたんだからどうということはない。

 ルーチェを学校に送り届ける。



「じゃあ、行ってきます」

「出勤。頑張ってきますね、ルーチェ様」

「うん、いってらっしゃい」



 そうして、俺とマリィは冒険者ギルドに向かっていた。



「本当にいいの、モミトちゃん」




 ダンジョンへの道中、ナナミに訊かれた。



 余談ではあるが今日は三十階層、ではなく少し浅めの二十階層に潜る予定だった。

 ルーチェの学校への編入手続きや、俺自身のリハビリなどで一か月ほど俺は冒険者活動を辞めていた。

 その間、〈裁断の剣〉のメンバーたちは思い思いにクエストをこなしながら、俺が帰ってくるのを待ってくれていた、らしいとメルフィーナから聞いた。

 ちなみにそのメルフィーナと、リップはこの場にはいない。

 彼女たちは臨時メンバーだし、仕方がない気もする。

 メルフィーナにいたっては、やはりギルド職員の仕事が忙しいらしく、しばらく冒険者としての仕事はしばらく難しいと言っていた。

 俺も彼女を忙しくしている要因の一人であるため、あまり強くは言えなかったのを覚えている。




「なにがだ?」

「いや、ルーチェちゃんを取り戻したのに、冒険者のままでよかったの?」

「ああ……そのことか」




 正直、冒険者を引退するというのも考えなかったわけではない。

 むしろ、リスクなどを考えれば真っ先に選択するべき道だった。

 今回もそうだったように、冒険者は死と隣り合わせの仕事だ。

 ハーゲンティを倒したことで、特別報酬をもらうこともできた。

 蓄えは十分あるし、引退してのんびりと余生を過ごすという生き方だって確かに間違いじゃない。




「色々考えたんだけどさ」

「ほう」

「はい?」

「うん?」




 これまでの人生は、ずっとひたすらルーチェを取り戻すための戦いだった。

 彼女を復活させることだけが、俺の人生の意味で、ゴールだった。

 けれど、それは達成されて。

 では、これからどうしようかなと俺は一か月、途方に暮れた。

 そして、気づいたことがあった。

 体調が戻るまでのひと月、マリィはルーチェの面倒を見ながら、俺の世話もしてくれた。

 ナナミやリップ、シャーレイにヒュンリという仲間たちが見舞いに来てくれた。

 ギルドマスターや、『黄金病』の患者だったという人たちも訪ねてきて、お礼を言って帰っていった。

 

 


「目的だったもの以外にも、得たものがたくさんあったことに気付いたんだよ」




 だから、俺は歩み続けたいと思った。

 これまでやってきたことに間違いはないと、思うことが出来ているから。

 その生き方は欲張りかもしれないけど、それでもいいと、そう思いたい自分がいたから。



「だから続けるよ。妹のいるこの街を守りたいしね」

「八割くらいそれが本音だったりしない?お兄さん」

「あはは、ばれたか」

「で、でも、続けてくれてよかったです」




 シャーレイとヒュンリも、嬉しそうだ。

 これでよかったんだと、思うことが出来た。




「じゃあ、クエストに行きますか」

「「「「おう!!」」」」





 今日も、俺達はこうして生きている。

 明日も、笑っていられると信じて。


ここまで読んでくださってありがとうございます。


「面白い」「続きが気になる」と思ったら、評価☆☆☆☆☆、レビューなどよろしくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ