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ハズレギフト【非才無能】で落ちこぼれだった俺、伝説の魔剣を手にして成り上がる~元仲間がすがって来るけどもう遅いと斬り捨てる~  作者: 折本装置


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44話「非才無能、三十階層に挑む」

 見る夢は、決まっていつも同じだった。

 一人の少女が、眠っている。

 肌は雪のように白く、髪は蜂蜜のような金色だ。

 美しく、ただ眠っているだけのように見える。

 ただ、目覚めない。

 どれほど大声で呼びかけても、肩を掴んで揺さぶっても。

 彼女が目を覚ますことはあり得ない。

 だって、俺が守れなかった。

 だって、俺がいまだに救えていないから。

 だから、いや、だからこそ。



「ルーチェ」



 眠りから覚める直前、何度でも誓うのだ。

 俺が、君を助け出すと。



 ◇



「起床。おはようございます、モミト様」



 木剣で日課の素振りをしていると、マリィが起きてきた。

 メイド服に身を包んでおり、準備は万端だ。



「うん、ありがとう」



 マリィは俺が素振りをするとき、じっと見ていることが多い。

 何が面白いのだろうか、何をするでもなくただ見守っている。

 最初はどうにも落ち着かず集中できなかったが、慣れとは恐ろしいもので最近は何も思うところはなく黙々と素振りをしている。

 今回の相手は、これまでとは比べ物にならない規格外だ。

 備えておくに越したことはないだろう。



 ◇



 集合時間五分前に冒険者ギルドにたどり着くと、すでに俺とマリィ以外はそろっていた。



「あ、お兄さん!」

「ど、どうもモミトさん……」




 ヒュンリとシャーレイも、俺と同じで装いが変わっている。

 ヒュンリはいつものチャイナドレスに加え、かんざしを挿しているし、シャーレイは金属製の胸当てや籠手、加えてクロスボウを新調したらしい。

 そういえば、二人とも俺達と組むようになってから生活に余裕が出てきたと言っていた。

 強力なモンスターを倒せる分、稼ぎがいいのだと。

 その余裕を、こうして戦力アップに使ってくれているのだとしたら、とても嬉しい。



「おやモミト君、その服随分似合ってるね」

「『黒竜の外套』かあ。ちょっと待ってモミトちゃん。これ相当お金かかったんじゃないの?」

「ああ、いい感じだナ。流石オレが薦めただけのことはあル」




 ナナミもかなり服装が変わっている。

 動きを追求したへそ出し盗賊ファッションは相変わらずだが、その上から緑色の外套を羽織っている。

 彼女曰く、『風の覆い』と言って敏捷性と防御力を引き上げる効果があるらしい。



 一方、リップは初対面からほとんど装備品が変わっていない。

 まあ、長らくAランク冒険者をやっているとは聞いていたし、そんなものかもしれない。

 ちらりと、最後の一人に視線を向ける。



「メルフィーナさんは、普段と随分違いますね」

「まあ、戦闘用の装備なんて普段は身に着けてないからね」



 白衣だけは相変わらずだが、それ以外はまるで違う。

 魔物の皮で作ったらしい革鎧に指ぬきグローブ、そしてブーツ。

 そして何らかの効果があるらしいネックレスを複数はめている。

 腰にはメスを何本か刺しているが、もしかするとそれで戦うのだろうか。

 作戦会議の時も、彼女の戦闘能力については聞かなかったんだよな。

 回復役は、戦闘に関するスキルを持たないことも多いから。

 だが、おそらくそれは間違いだったのだろう。

 少なくとも、俺よりはずっと強いはずだ。



「今日のために、準備を重ねてきた」



 難しいことを言うつもりはない。

 言っても仕方がないからだ。



「三十階層に行くぞ!」

「「「「「「了解!」」」」」」



 全員の声が重なった。

 今日こそ、最大の壁を突破する。



 ◇




「《ハーヴェストラッシュ》」





 リップがチェーンソーを振り回し地竜――確かAランクモンスターの一体――をバラバラにした。

 



「強すぎるな」




 ここまでの道中、俺達はさほど苦労せずに歩みを進めることが出来ている。

 それは、間違いなく新しく入ってきた二人が理由だ。

 まず、リップは強い。

 子供のような感想だが、致し方ない。

 これまでAランクモンスターと幾度も遭遇しているが、彼は一対一でもなんなく対処して見せている。

 なんなら、俺たち四人が一体倒す間に、別のAランクモンスターを倒していたなんてこともある。

 【樵】は本来あまり戦闘に向かない恩寵のはず。

 それをここまで磨いてきた努力には、頭が下がる。



「お疲れ様、みんな。《エリアヒール》」



 メルティーナは、上級の回復魔法スキルを行使する。

 彼女は、医術と回復魔法を使いこなす、非常に優秀な回復のエキスパートだ。

 ここまで、リップ以外の四人は何度か手傷を負っているが――メルティーナの回復魔法によって全快している。

 二人のどちらかがいなければ、俺達は撤退を余儀なくされていただろう。

 そんなこんなで、俺達は難なくボスエリアまで到達した。



 ◇



「ナナミ、見える?」

「ああ、見えるね。バッタと人を混ぜたみたいなモンスターだよ。一体だけ。感知スキルも使ったけど、ダブルポップの気配はない」

「プレーンホッパーか」



 事前情報にあったSランクモンスターだ。

 


「勝とう、みんな」




 俺は、マリィを構えた。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


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