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ハズレギフト【非才無能】で落ちこぼれだった俺、伝説の魔剣を手にして成り上がる~元仲間がすがって来るけどもう遅いと斬り捨てる~  作者: 折本装置


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非才無能、限界を超える

 圧倒的だった。

 四人を前にして、リップは一歩も引いていない。



「どうしたア?そんなもんかヨ?」



 アイテムボックスから取り出した、別のチェーンソーを振り回しながら、リップは吠える。

 俺の斬撃は、意外にも俊敏な体捌きで回避される。

 チェーンソーでヒュンリの拳は牽制され、なおかつナナミの攻撃も切り裂かれる。

 シャーレイの矢は、重厚な装甲に守られて届かない。

 突破はできない、されど誰かが欠けているわけでもない。

 膠着状態、五分五分。

 そう考えるのは――楽観的すぎた。



「ぐおっ」



 不利なのは、こちら側だ。

 《裁断の剣》には持久力がない。

 ナナミとシャーレイの攻撃手段は弓矢に短剣、ロープなどアイテムを消費するもの。

 そもそもが、長期戦を想定したスタイルではない。

 ヒュンリも実は、同様に長期戦向きではない。

 複数のバフスキルを自分や味方にかけながら肉弾戦を仕掛けるというスタイルのため、瞬間火力こそ高いが、魔力の消費が激しい。

 そして、《持久力強化》などを取得できない【非才無能】の俺。

 はっきり言えば、長期戦に最も向いていないのは、俺なのだ。

 対してリップは魔力も体力もさほど消費しているようには見えない。

 というか、ほとんどしていないだろう。

 チェーンソーのバッテリーくらいのはずだ。




「つまり」

『奇襲。こちらから仕掛けるということですね』

「そういうこと。マリィ、アレで行くよ」

『承知』



 マリィの返答を聞くが早いか。

 俺は、リップに向かって駆け出した。




「ふん、馬鹿ガ。先走りやがって」

 



 呆れたような声を出しながら、リップはチェーンソーを構える。

 明らかに、やつは俺を舐めている。

 所持している魔剣の力は強くとも、俺自体は雑魚に過ぎないと。

 好都合だ。



「マリィ!」

『承知』

「うン?」



 俺とリップの中間地点。

 魔剣から人に戻ったマリィが出現する。

 リップの目には、見覚えのないメイド服の女が出現したように映るだろう。

 刹那、俺は右足を前に出し、リップの左側に回り込む。

 マリィの体と、リップが兜をつけているがゆえにできる死角に入る。

 あとは、手を伸ばして、マリィを剣の姿に戻し、万象両断の一撃をもって決着させる。




「読めてんだヨ」

「あ――」


 

 しまった。

 しくじった、いや、しくじらされた。

 先ほどのリップの俺に対する挑発。

 あれは、俺のことを警戒してないと俺達に誤認させるためのフェイク。

 俺達がそこをついて奇襲をすることまで誘導させる、作戦。

 これが、A級冒険者か。

 あまりにも圧倒的すぎる。

 だが、それでも。



「諦められるか!」




 相手は格上?

 作戦が見破られた?

 掌の上?

 だからどうした。

 立ち止まる理由には、ならない。

 妹を助けると誓ったのだ。

 この相棒と一緒ならそれができると、信じたのだ。

 ならば、俺のやるべきことは、ただ一つ。

 全身全霊をもって――剣を振るうことのみ。

 



「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」




 一閃。

 一瞬の静寂ののち。




「まじかヨ」




 俺は、膝をつき、地面に転がる。




「モミトちゃん!」

「モミトさん!」

「お兄さん!」




 三人が一斉に悲鳴を上げる中。



「勝利。私達の勝ちです」




 マリィの冷静な声と同時に。




「負けだゼ、オレノ」




 ぼとりと、反応しきれなかったリップの腕が落ちた。

 それが、決着だった。

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