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ハズレギフト【非才無能】で落ちこぼれだった俺、伝説の魔剣を手にして成り上がる~元仲間がすがって来るけどもう遅いと斬り捨てる~  作者: 折本装置


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31話「非才無能、焼き肉に行く」

 焼肉。

 それは、打ち上げにもってこいの食べ物だ。

 一枚の網の上で肉を焼き、食べながら語り合い、親睦を深める。




「はいこれ焼きあがったよ」

「お、じゃあいただこうかね」

「わ、わたしも焼かなくて大丈夫ですか?」

「いいんだよシャーレイ、こういうのはリーダーに任せておけば」

「ご主人様、あーんを希望します」

「はいはいちょっと待ってて」



 肉が焼ける音と各々の声がする焼き肉屋にて、俺達は打ち上げを行っていた。



「仕事終わりのエールって最高!」

「そ、そうだね。何倍でも飲めそう……」

「わかるわかる、肉と一緒に飲むとなおさらね」



 死線を一緒にくぐっただけあってか、俺達はすっかり打ち解けていた。

 これなら今後も問題なくやっていけそうだ。



「ご主人様、そろそろ代わりましょう」

「いや、俺は別に……むぐっ」

「いいえ、ご主人様がMVPだったわけですからちゃんと食べてください」

「あひはほう」



 口の中が熱すぎて、お礼の言葉はうまく発音できなかった。



「あれっ、これうまく使えませんね……どうやればいいんですか?」

「マリィ……」



 どうやらトングが使えないようだ。

 こいつうっすら思ってたが、魔剣になる前はいいとこのお嬢様とかだったんじゃないのか?

 トングなんて年齢一桁でも使えるだろうに。

 まったく、彼女にはそういう一面がある。



「まあまあ、ここはお姉さんに任せなよ。モミトちゃんもじゃんじゃん食べな」



 いつの間にかトングをマリィの手から奪ったナナミがひょいひょいと肉を全員に取り分けていく。

 俺のが二、三枚多いのはさっきまで取り分けていたからだろうな。

 


「それにしても、戦術の組み立てがうまいです」

「そうか?」

「はい、モンスターに対応して戦術を組み替えて……まるで【指揮官】みたいでした」

「そうそう、リーダーに向いてるよねお兄さん。前衛なのがもったいないくらい」

「あう、一番周りが見えているわたしが指示を出せたらいいんですが……すみません」

「大丈夫だよ」

「理想。ご主人様が作戦を考え、剣を振り、足を動かし、私が斬る。まさに理想的な関係といえますね」

「その言い方だとモミトちゃんの負担がかなり大きくないかい?」

「否定。負担ではなく功績です。私は主を立てるメイドにして魔剣ですから。あっ、ご主人様その肉を私にください」

「五秒で矛盾するのやめてね」



 言われてみれば、前衛なのに指揮を執っているのは珍しいかもしれない。

 なんとなく流れで俺がリーダーみたいになってるし。 

 ナナミに「アタシはそういうの向いてない。指示される方が性に合ってる」といわれたのもあるが……一番は。



「そういう習慣がついているんだろうな」



 ダンジョンにいるモンスターをずっと観察してきた。

 何が強みで、何が弱点で、行動パターンはどんな風で。

 分析して、どうやって倒せばいいかを何度も何度も考えてきた。あるいは、妄想というべきものだったのかもしれない。

 考察してきた戦い方は、一つだって俺の能力で達成できるものではなかったから。

 剣一つまともに振ることは、できないのだから。



「流石。ご主人様、流石ですね」

「うん?」

「修練。それはご主人様の積み重ねた努力です。報われずとも、こつこつ重ねていることを人は誠実と呼ぶんだと思います」

「…………」



 まっすぐにこちらを見てくるマリィに、俺は反論できなかった。

 どこかで、そんなわけがない。

 俺の行動は無意味で無価値だったのだと、声がする。

 ああそうか。

 そう言われ続けたから。

 仲間に、すべての人に弱いのだと、価値がないのだと言われ続けて。

 そうとしか思えなくなっていたけれど。

 そうでないのだとしたら。

 それは、とても嬉しいことだなと思った。

 

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