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ハズレギフト【非才無能】で落ちこぼれだった俺、伝説の魔剣を手にして成り上がる~元仲間がすがって来るけどもう遅いと斬り捨てる~  作者: 折本装置


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23話「非才無能、仲間を得る」

 『愚者の頭骨』から生還した俺達は、冒険者ギルドに戻っていた。

 理由は、買い取りの為である。

 冒険者が報酬を得る方法は二通りあり、一つはクエストを達成することで得られる報酬。

 もう一つは、冒険者ギルドによる買い取りだ。

 ダンジョンで得たドロップアイテムや宝箱を買い取ってもらう。

 


「ネオジムドラゴンのドロップアイテム、買取金額はこちらになります」

「……な、なんだこれ」 


 もちろん知識はあった。

 ネオジムドラゴンの鱗や爪は良質な鉄を含み、上質な防具の材料として用いられる。

 ゆえに、そのドロップアイテムは高価であると聞いてはいた。



「というわけで、諸々合わせて一千万ゴルドになります」

「これ、一年くらいは遊んで暮らせそうな金額なんですけど……」



 なんていうか、貯金額がほぼゼロに近い状態だったから震えが止まらない。



「レアドロップの竜核や牙もありましたから、適正な価格となっていますよ?」

「あー」



 ちらりと左隣にいるナナミの方を見る。

 【盗賊】や【狩人】が取得できるスキルに《レアドロップ》というものがある。

 倒したモンスターのドロップアイテムのレア度に補正がかかる――より価値のあるドロップアイテムが出やすくなるというパッシブスキルだ。

 ……こう考えると、随分彼女に助けられてるよな。

 探索だって、彼女がいなければできなかったわけだし。



「提案なんだけどさ、今後とも一緒にやっていかないか?」



 右手をナナミに差し出す。

 彼女の力は、俺達には必要だ。

 俺の方も、マリィがいてくれれば戦力になることを示せたはず。

 お互いにとって、利益のある話だが……。



「いいのかい?アタシで」

「うん?」

「アタシは、前科者だよ」

「ああ、知っている」 


 確かに罪を犯したのかもしれなかった。

 けれど、それがどうしたというのか。



「俺は気にしない」



 元々、冒険者というのは荒くれモノや社会不適合者の集まりだ。

 俺だって、褒められた生き方をしていない。

 親もなく、学もなく、マリィの助けがあってもなお戦うこと以外何もできない。 



「アタシは、誰からもパーティを組んでもらえなくて。これからも、パーティメンバーを増やそうってなったら迷惑かけちゃうかも」

「過去は過去だろ」



 昔のことを言うなら、俺だって人のことを言えたものではない。

 力を得たからわかる。

 俺が〈聖女の英雄〉においてどれだけ罪深いことをしてきたか。

 無能に甘んじて、幼馴染であるからとライラックにすがって、仲間の足を引っ張り続けた。

 実力主義の冒険者にとって、無能であること、取り柄がないことはきっとそれだけで罪なのだ。

 それだけじゃない。

 妹の時間を五年も止めたままにしているのも、俺の罪だ。

 愚かさと、弱さの招いた結果だ。

 けれど、今はもう違う。



「呪術師たちに囲まれた時、君は俺を逃がそうとしてくれた」

「え……」

「過去の罪は消えないかもしれない。他の誰かが自分を許しても、きっと自分自身が許せないと思う」

「……なんで」



 その言葉の意味はよくわからない。

 何でわかるの、と言いたかったのだろうか。

 それには答えず、俺はちらりと隣を見る。

 金髪のメイド少女が、表情を変えずにこちらを見て頷いてくれた。

 それだけで、俺はなんだってできる。

 右手を突き出し、左足を前に出す。



「一緒に頑張ろう。自分で自分に胸を張れるようになるまで」

「ああ、よろしくね」



 ナナミは、俺の差し出した手を握り返してくれた。

 彼女は、泣いているような笑っているような、どちらともつかない顔をしていたのだった。


ここまで読んでくださってありがとうございます。


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