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ハズレギフト【非才無能】で落ちこぼれだった俺、伝説の魔剣を手にして成り上がる~元仲間がすがって来るけどもう遅いと斬り捨てる~  作者: 折本装置


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12話「非才無能、再会する」

 俺達が最初に訪れたのは、冒険者ギルドだった。



「質問。モミト様、迷宮に直接赴かれるのではないのですか?」

「まさか」



 迷宮攻略には準備が必要だ。

 武器や防具、アクセサリーなどの装備品。

 食料やポーションなどの消耗品。

 攻略に使える情報の入手などもある。

 ともかく、本気で迷宮を攻略したいのであれば今のままではいけない。



「武器はマリィがいてくれるからいいとしても、防具やアクセサリーは用意しておかないとね」

「確認。これまでは持っていなかったのですか?」

「ああ、うん。お金がなかったからね」



 ライラックは「貢献していないから」という理由で、クエストを達成しても報酬の分け前は一切渡してはくれなかった。

 俺の生活費は、すべて俺自身が一人でこなしたクエストによって賄われていた。

 大体どぶさらいか、荷運びだったけどな。

 《筋力強化》のスキルがなかったせいで、本当に苦労したものだ。



「……納得。では、今日はモミト様のお買い物というわけですね」

「そういうことになるかなー」

「商品。何を買うんですか?」

「そうだねー、まずは情報かな」

「情報?」



 情報は大事だ。

 罠の位置、モンスターの行動パターンなどは、金を払わずして得ることはできない。

 そして、そういった情報を持っているものだけが生き残れるのだ。

 まあ、〈聖女の英雄〉時代は資料は共有されなかったんだけどね。



「なので、真っ先に行くのは冒険者ギルドってことだよ」



 ◇



「よう、ゴミトじゃねえか」



 よく知った、それでいて決して友好的ではない声が背後から聞こえた。

 つい、足が震える。

 背筋が凍るのを感じながら。

 振り向くとそこには。



「ライラック……」

「愚問。何を馬鹿なことを。モミト様はオリハルコンゴーレムを討伐されました」

「ぶふっ」



 こらえきれなくなったように、ライラックは噴き出す。

 そのまま、腹を抱えて笑い始めた。

 相変わらず失礼な奴だ。



「ギャハハ、おいおいおいおい、本気で言ってんのかよ」

「どういうことだ?」

「だ、か、らあ、お前が本当にあのゴーレムを倒したって言ってんのかよ?」

「そうだけど……」

「肯定。そうですが……」

「嘘ついてんじゃねえぞオラッ!」



 ライラックは、ばんっと拳を壁にたたきつける。

 圧倒的な筋力ゆえに、わずかに壁が揺れた。



「あり得ねえだろ、あんな化け物をお前ひとりで倒したってのか?お前みたいな無能が?」

「一人じゃないよ。周りにいた人たちが手伝ってくれて――」

「んなことは聞いてねえんだよ!お前があいつに勝てるわけがねえ!人の手柄を横取りしたに決まってる!いったいどんな手を使ったんだ!この場で認めてギルドに申告しろよクズ無能が!」

「不敬。どこまでご主人様を侮辱すれば――」

「待って、マリィ」



 険しい表情を浮かべて、ライラックに詰め寄ろうとするマリィを制して、俺はライラックに向き直る。



「ライラック、オリハルコンゴーレムを倒したのは俺だ」

「あ?」

「確かに俺は無能だ。でも、ここにいるマリィや、あの場にいた冒険者のみんなが手伝ってくれて何とか倒すことが出来た」

「あり得ねえ、どうせ何かズルをして」

「何度でもいう」



 俺は、正面からライラックを見返す。

 目は逸らさないし、うつむくこともしない。



「俺が、オリハルコンゴーレムを倒した。これは嘘でも誇張でもない」

「ぐ、お」



 ライラックは拳を振り上げかけて、堪えるように拳をおろす。

 どうやらまだ理性が残っているらしい。

 いつもならここで殴っていただろうが。



「俺からも訊いていいか?」

「は?」

「あの日確か正門の警備の仕事があったよな?〈聖女の英雄〉は」

「……何の話をして」

「お前ら、俺達がゴーレムと戦ってるときどこで何してた?」



 後から聞いた話だが。

 あのゴーレムはダンジョンから出てきた個体であり、正門を突破して街中で暴れていたらしい。

 つまり、一番最初にあのゴーレムを見つけたのはこいつらであるはずなのだ。

 だというのに、俺がオリハルコンゴーレムと戦っていた時、周囲にこいつらはいなかった。

 では負傷でもしていたのか。

 しかし、重傷者はいなかったと聞いている。

 つまり。



「逃げたんだろ、お前ら」

「ぐっ、ぎっ」



 ライラックは、今にも殺してしまいそうな目で、俺のことを睨んでいる。

 肩を震わせて、きっと俺をにらみつけると。

 右手の人差し指を俺に突きつけ、叫んだ。



「決闘だ!」

「……はい?」

ここまで読んでくださってありがとうございます。


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