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女性総理がゆく

 女性総理がゆく  そうだ、抜き日を制定しよう

作者: 無夜

 政治に絶望したら、こんなの書いてしまった。ギャグですよ。

 え、でも、これ制度的にあったら、たぶん、みんなその党に入れないかな。。。

政治 現代 ギャグ 下ネタ

 ピクシブにも掲載

 

 日本初、女性総理大臣が誕生した。

 あちこちで、「けっ、どうせフェミ様だろ」「あーあ、女に政治やらせちゃおしまいだ」的なアンチが渦巻いた。が、その手前で、もう政治は終末期の混沌だったので、有終の美というのもあれだが、最後のきったねぇ花火かな、的に認めていた。

 


 さて、国会である。

「とりあえず、女性が生理休暇取りやすい環境作ろうと思ってね」

 と、総理が言うと野党から怒声が沸いた。

「やっぱり、女性優遇だけの糞だったなっ(LGB優遇で、女性トイレ・更衣室に男性を入らせたりして、女性票を一気になくした政党)」

「国民全体のことを考えろ(外国人優遇で、与党から野党に落ちた政党)」

薄ら笑いを浮かべて「そんなちまちましたことが最初なのはいかかでしょう(売国奴政党)」

 総理は大声で笑って。

「黙れよ、民意(票)とれなかった愚党ども」

 歴代総理でここまで口の悪い人もないだろう。


「男に休みがないから、女も取りにくいってことだから、男は『抜き日休暇』作ろう」


 これが男性の総理大臣が言ったなら、フェミが一斉に殴りかかっただろうが。

 どんだけ口が悪くとも、彼女は女性であった。

 生理休暇を建前にしていたので、殴りかかったフェミたちは、生理休暇を心底取りたい撃重生理痛に悩む女性達に『物理的』に殴り倒されていった。


 圧倒的与党だったので、抜き日はあっさりと施行した。


 月に一日。

 ただし、恥ずかしくてとれない者のために、会社は抜き部屋(会議室かなぁ)を用意し、政府公認の抜き師(手でやってくれる風俗嬢)で、決まった日に一気に抜いてやるのも可である。

 休みより、そっちがよい、という社員も多く、また『毎月15日(休日の場合は翌日・翌々日)社用抜き日あります』と掲げた会社は、多少月給が安くとも、新入社員が大量に入ってきた。結果、業績が上がって給料が上がった。


総理「わかっていたが、抜き日より社抜きの方が人気あるな」

副総裁「会議室でやるかな、と思ったら、禁煙で使われなくなって行きつつあった喫煙室使ってますね」

総理「ああ、換気力強いしな」

副総裁「なんであんた、そういう解像度高いんだ・・・」

総理「古い会社の会議室なんかは、全員ばかすか煙草吸ってた名残で換気良いかなと思ったんだが。そういう会議室、残ってなかったかぁ」

 施行して半年。

 元々高かった支持率がさらに8パーセントあがり、76%。

新設の男女省「生理休暇普及率、3割増。抜きを内規した会社の普及率、まだ8%」

 こんなアホな制度を一割近い会社がとりあえずやっている時点で、日本ってまじめだ。

総理「一気に抜きが普及するように仕掛けようじゃないか」


 ちなみに、生理休暇普及の他に、男女産休育休も取りやすいように制度を改案している。

 もっとも、『抜き日』制定などされては、誰もこれらに文句を言えないと言うか、言う奴は激減した。未だにそれに文句を言う電波な連中はどうしても残る。


 総理の仕掛けは、あの会話から二週間後。

 ばばんっと、電車のつり革に大きな文字で記事の見出しが載った。


 性犯罪率と痴漢率

 なんとっ、抜き日内規の会社は0。

 抜き日は性犯罪を大きく抑制っ


 センセーショナルであった。


 いやはや、8%しか普及してないのに、性犯罪率何%とか出たら、あれである。抜き日がまったく効果がないことになるが、

総理「ん、ゼロとは。気持ち悪い」

副総裁「あんたが言うなや」 

 

 施行されて、半年しか経ってないので、総理が言った言葉をおおよその人たちが覚えていた。


「抜き日くれてやったんだ。これで性犯罪減らないなら、この抜き日意味ないから『なくすぞ』、わかったかぁ、愚民どもっ」


 相変わらず、お口が悪い。

 そんなわけで、特に社抜き日をなくしたくない社員は、やらかしそうな奴を全員で見張り、脅し、セクハラ実績のある連中を会社からたたき出した。

 だって、風俗嬢が毎月、手で抜き抜きしてくれるんだ、なくしたくない、こんな良い制度っ。


 まあ、抜き日より社抜き日の方がやたら普及していった。

 社員全員に毎月一日抜き有休とられるより、三人ぐらい嬢を呼んで、まとめて抜く方が会社も安いし。



 野党は歯噛みした。


 ずるいよ、男の性欲握られちまったら、もうこれ以上どうしようもないじゃないかっ 


 だったら、自分らでやればよかった。

 馬鹿じゃねえか、と反対した手前、もうそちらにはいけない。



 あまり使われないような抜き日だったが、妊活などで大いに利用された。

 おかげで、出生率もわずかに改善された。

 結婚率は下がった。おいっ。

 抜いて貰えるから、男性の異性への熱量が減ったのが原因だった。

総理「あっちやったら、こっちが下がったり、なかなかうまくいかんな」

男女省「政府主導で見合いでもしますか」

総理「そこまで甘やかしてもな。とりあえず今は抜きを内規する会社の普及に邁進するとしよう」

副総裁「この制度続くと、たぶん・・・」

総理「皆まで言うな、わかってる」

男女省「なにが起きるんです?」

総理「手抜き慣れして、つっこみ方がわからん若者が増える」

男女省「まさかそんな」

副総裁「どこかでちゃんと、性教育を」

総理「政府の抜き師(風俗嬢)に啓蒙させるか」

副総裁「社抜き日に、壁にスクリーンをつけて、正しい性行為のお勉強でも流しますかね」

総理「抜きの瞬間に勉強とか萎えるだろ」

副総裁「だから、なんであんた、そっちの解像度高いんだよっ」

総理「嬢が抜きながら耳元で、本当のやり方わかってる? と囁きながら突っ込む場所あること忘れないでね、ぐらいのソフト誘導でいいかと思ってる」




 最後に、抜きの会社普及率は施行4年目で6割を突破し、性犯罪は激減した。半数が社抜き日を設定すると、残りの会社も慌てて設定しだした。

 なぜなら、抜き日がない会社に女性が入らなくなったからだ。

 抜き日(社抜き日)がある会社は生理休暇があり、とりやすい。産休育休もあり、とりやすい。問題を起こして辞めさせられるのが嫌だから、とてもみんな穏やかな社風の社員が多い。セクハラもあまりない。社抜きしてるのに、セクハラがあると『ほら、やっぱり犯罪抑止の意味ねえんだよ、この制度に』と野党が躍りかかってくるので、社抜き日を守りたい男性一同、心を一つにして節制している。

 なので、女子もそれを就活の参考にしたからだ。

総理「副産物で性病減った」

副総裁「粘膜同士で接触しないですからね」

総理「風俗系から客が来ない、という文句が来そうなもんだが、嬢からの文句はほぼない。経営者から文句はくるが」

副総裁「嬢は社抜きの手抜き派遣でそれなりに潤うので。外国から売春しにくる不法入国者や滞在者が減りましたね」

総理「あとは、誰か天才が、私に結婚率を爆上げする奇策を授けて欲しい」

男女省「あるあるあるある、ありますよっ」

総理「期待せんが、言うてみ?」

男女省「総理が結婚式あげればいいんですー」

総理「やー、独身だが、もう50も半ばなんだけれども?(夫? マザコンの糞だったから離婚した)」

男女省「いつものように言って遣ってください『結婚推奨。言い出しっぺの法則で、私ももう一度、結婚してやった、愚民ども、おまえらもやれ』みたいな」

総理「そこまで酷いこと言ってないだろうに?」

副総裁「え、しょっちゅうですよ」


 それもありか、と駄目元で、男女省長官を首根っこを捕まえて、結婚式を挙げた。

 言い出しっぺなのだから、男女省が犠牲になるべきである。独身42歳。ちょっと可哀想だが諦めろ。副総裁は妻子持ちだ。

 恐ろしいことに、総理が人生と体を張った姿に、感化されて、結婚率は上がった。

 主に高齢者が。


総理「かまわんかまわん。結婚して幸せな姿を見せてやるが良い。年配者が幸せそうな夫婦であれば、子らも結婚するだろう。いろいろ言われたが、結局結婚しない原因って、幸せでない結婚生活なドラマや映画、なんかが増えすぎたせいではないかな。というわけで、その手のドラマ潰そう」

副総裁「二人は結ばれて、幸せになりました、めでたしめでたし、で終わる物語が多いのは、結婚後、ドラマティックでもなく、幸せ続きでもないからですよ。潰したドラマの代わりに何ぶちこむ気ですか。嘘八百の幸せ結婚生活とか、正直飽きますよ。源氏物語の『あかしがえり』って知ってます?」

男女省「なんです、それ」

総理「んー、源氏の君が明石から帰ってきたあたりで、読むのが億劫になる現象だな」

男女省「なぜに」

総理「明石に左遷されたりで波瀾万丈だったのが、都に戻ると順風満帆になってしまって、はらはらどきどきが、あんまりなくなるから、読者が『続き、続きは?』とか熱心に思わなくなる」

男女省「途中が億劫なら、末尾、結末だけ流しましょう」


 男女省は45秒程度のCMを流した。

 結婚式で、子を眺める親。

 脳裏に流れゆく、自分が結婚して子を持ち、子育てした記憶。

 そして、暗転し、ラストで「おばあちゃんっ」と呼びかけられ、手を握る孫と子供に微笑み返して人生を閉じる。


 そして、「おじいちゃん」と呼ばれる男性バージョン。


 伴侶が死んで墓参りし、人生を回顧する男女バージョン。


 それはたしかに、ダイジェストと結末。

 地味だし、ゆっくりだが、少しずつ、結婚率もあがった。


副総裁「いつからでしたかね、この国から、幸せな結婚生活ビジョンを消されたのは」

総理「ずいぶん、長いこと『嫁姑』『不倫』『モラハラ夫』に汚染されていた気がするが、長期で少子化に誘導されていたと言うことかな。メディアはしばらく見張らなくてはならんし。不幸な物語を喰いたがる愚民も多いからな」

副総裁「あとは、この国の維持に、間に合うか、ですが」

総理「さあな。やれることはしたぞ」

副総裁「お疲れ様でした。が。今、予想でつぎもぶっちぎりでうちの党の支持率高いんですよねー。そのまま総理続投してください」

総理「ここまで好き勝手言って、やったのに、なんで支持率下がらないかな」

副総裁「国民が絶対、社抜きを手放さないので。あと、大して金かけてないのに、効果がある政策が多かったから、ですかねぇ」 

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