プロメーテウス
土と水をまぜまぜして
はい出来上がりました
これが人間です
男です
アダムじゃありません
作ったるは
神の怒りもなんのその
人間に火を与えた
プロメーテウスさん
一応は神々の一員です
ところでちょっと聞きますが
「その男に名前はありますか?」
「ごめん、まだありません…」
とプロメーテウスさん
頭をかいたとか
先に考える者とはいえ
うっかりしてるの可愛いね
そんなこんなで大混乱
それを見ていた神ゼウスさま
「もっとすごいの作ったるわ!」と
あーしてこーして、ごにょごにょして
完成したのが女です
神は親切からなのか
名前もちゃんとつけました
イブじゃありません
その名輝く、パンドーラー!
すべてを与えられし者!
あらまあ素敵! いいじゃない!
でも、神の思惑はフクザツで
イジワルしたるとその女
プロメーテウスの弟の
エピメーテウスに贈られた
後で考える弟だけに
もらえるものはもらいます
はいはい喜んでともらいます
ところがですな
懸念がひとつありまして
嫁入りどうぐの壺でした
「あら、これはなに?」
興味本位にとられた蓋
あれよあれよと
あらゆる災厄とびだして
最後にとびだしたのが希望!
神の慈悲か無慈悲かは
いまもってわかりません
女にけっして悪意はなくて
悪意があったは神でして
女は男を困らせる者になったとか
でも男たちよ、くよくよするな
希望がある!
どこにあるかは知らないけれど
ともかくも
泣くな、嘆くな、狼狽えるな!
まずは落ちついて
名前を考えようか
そういえばね
プロメーテウスさんがくれた火
あれは嫉妬の火だったよ