ねぎラーメン
お腹が空いた。
早く食べたい。
そう思った俺は目についたラーメン屋に、足早に入った。
俺は、そのお店で普通のシンプルなラーメンを注文した。
というかその店にはなぜか、ラーメン一つしかメニューがなかった。
変な店だな。
そう思ったが、この空腹が満たされるなら何でもいいとおもって、すぐに気にしなくなった。
やがて目の前にラーメンが運ばれてくる。
そのラーメンを見て、メニューにあった見本と違うじゃないかと思った。
このラーメンには、ないはずだった。
緑色の小さな食べ物。
ねぎが。
しかし、俺が頼んだラーメンには、ねぎがはいっていた。
なぜ、いったいなぜ。
混乱して、辺りをキョロキョロしてしまう。
近くの席の客が食っているラーメンには、ねぎは入っていない。
反対側の席の客が食っているラーメンにも、ない。
なら、俺に対する嫌がらせか?
ネギ農家にうまれて、ひょろ長い体格をしているからと。
今まで、散々馬鹿にされてきた。
もうこういうのは、うんざりだ。
俺は、ラーメンを食わずに店をでた。
両隣に座っている、もやしのように細い客とブタのように鼻の低い客が、こちらを不思議そうに見てきた。
もやしラーメンとか豚肉入りラーメンを出されて、容姿をからかわれているというのに。
よく食べられるものだ。
会計を済ませて出た俺は、店の入り口に貼ってある紙に気がついた。
個性派ラーメン店! あなたの見た目にあったラーメンをお出しします。
ぜひ、楽しんでください!!