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遊女の独白

pixivで小説を書いている紅蓮です。

こちらではオリジナルの小説を投稿しようと思います。宜しくお願いします。

毎日毎日同じ生活。

好きでこの仕事をしている訳じゃない。私は、拐われてここに流れ着いた。突然だが私は人間ではない。

私は九尾の狐である。妖怪狩りにたまたま見つかってしまい、珍しい九尾の狐は金になる、と言われ売られた。両親はその時に私の目の前で殺された。今でも忘れない。

仕事は好きではない。人間も好きじゃない。でも、女将さんは好き。仕事で体がきつい時はちゃんと休ませてくれる。私たちを金儲けの道具じゃなくて一人の生きている人として扱ってくれる。

え?私の仕事が何なのかって?

あまり人に言いたくない仕事だけれど、まぁ特別に教えてあげる。私の仕事は遊女だ。

店の名前は妖姫妃(ようきひ)。人間の遊女も妖怪の遊女もいる。

人間が嫌いじゃないのかって?勿論、嫌い。千年呪っても足りないくらい。でも、妖気妃の皆は特別枠。だって、皆同じ様な境遇だから。妖姫妃にいる大半の遊女は行き場のない人達。

親に売られた。人攫いにあった。店から追い出された。

大体はこんな理由。それを女将さんが拾っていって育ててくれた。女将さんは好きなことをして良いし、自由になって外の世界に出ていっても良いって言ってくれるけれど、それは多分出来ない。年端もいかない頃に売られた子供達は外の世界に行っても、出来ないことが多い。まず、学がない。字が読めない。計算が出来ない。当たり前にある教養がない。だから、外に行っても生活が出来ずに飢え死にすると思う。

それに女将さんから離れたくない。広い世界にたった一つの心のよりどころ。それが失くなったら、私達はどうなるんだろう?考えたくもない。

仕事はきついし悲しいし、苦しいけれど女将さんの為だと思えば、女将さんの側にいる為なら、いくらだって我慢する。

だって、ここが世界で一番心安らぐ場所だから。

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