【裏】
定時である17時に仕事を終え、僕は準備に取り掛かかった。
部屋の片付けや晩御飯の準備に炊事
道具の手入れなんかもしなきゃいけないから忙しいんだよね。
天使達の手は煩わせたくなかったから
自営業を始めた一番の理由でもあったり・・・。
まぁそんなことは置いておいて、さっさと準備を終わらせよう!
今日のターゲットが両親の仇であることを祈って。
結果的に言うと、今日のターゲットもハズレ。
彼は殺しで快楽を満たすだけの殺人鬼で
両親を殺したキチガイとは似ても似つかない弱虫だった。
肩を落とす僕に向かって天使達は意見を求めるためにこちらを見据える。
仇じゃないけど、人を殺したのは事実だから・・。
「いつも通り目をくり抜いてから・・首を切ろうか。」
処刑方法を提示すれば三那と四季は目を輝かせて
それぞれスプーンとナイフを手に殺人鬼へ歩み寄った。
この子達も父さん達が殺されてから随分積極的になっちゃったなぁ。
そんなところも可愛いんだけど♪
それじゃあ僕はこの間に依頼主兼情報屋に連絡をしようかな。
蓮はすぐ寝るから0時前に連絡しないと
僕らが負けたなんて失礼なこと思うんだもんね。
数回のコール音の後、一番に聞こえたのは大きな欠伸だった。
「お前いい加減に殺すぞ。」
それだけ言い残せば仕事の結果は分かるだろう。
蓮が何かを言う前に電話を切り
ついでにメールで「死ね」と送れば(笑)と帰ってきた。
アイツまじで殺そうかな・・・。
大人気なくそんなことを思っていると処刑中の殺人鬼が一際大きな声を上げ
突然顔にそこそこの量の血が飛んできた。
随分早く頚動脈を切ったんだ。でも、都合がいい。
申し訳なさそうにする四季や心配してくれる3人に
僕は帰り道を指差して微笑んだ。
「帰ろっか!
今ならまだ早いし、面白いテレビがあるかもよ♪」
4人はお互いに顔を見合わせたあと
正真正銘天使のような笑顔を浮かべてくれた。
そうと決まれば綺麗にならないと。
血塗れになった三那と四季に着替えを渡して一華や慎二をヘルプに送ったあと
僕は顔についた血をタオルで拭って火をつけた。
それを死体へと投げつければたき火の完成。
呑気に綺麗だな〜なんて思いながら、天使達の帰りを待つことにした。
「零お兄様の顔をドブネズミの血で汚すなんて
四季お兄様は馬鹿なんですか!?」
「そんなに怒ることないだろ!?わざとじゃないんだからさ!」
「お前ら、兄貴待たせてるって分かってんのか?
一華もなんか言ってくれよ・・・。」
「え〜?面倒くさぁ・・・。」
天使達のじゃれあいはしばらく続き
帰宅・入浴以外の時間は残っていなかった。
「「兄ちゃん/お兄様、ごめんなさい!」」
迷走しかしてない。