ずっと隣に居てくれた愛しい君へ
何かが足りない。そう思ったのはいつからだろう。最近な気もするし、ずっと前からだった気もする。けれど何かが足りない。それが物なのか人なのかも良くわからない。その何かを求めて色んな人と関わったけど、これじゃないと心の奥底の自分が叫ぶ。そういえば最後に心の底から笑ったのっていつだっけ。ここ何年も笑っていない気がする。多分その『何か』が隣にないと僕は笑えない。幸せになれない。だからずっと探していた。
そして今。その何かを見つけて—— 失った。
君は幸せそうに、そして少し悲しげに笑って「さようなら」と言って死んだ。その瞬間全てを思い出した。僕が君と出会って一年後に死ぬことを。不思議と死ぬときの痛みや苦しみは思い出せない。いや、無かったのかもしれない。だって僕よりも苦しそうに泣く君が隣に居たから。最期に想ったのは君のこと。愛している君ともう少し一緒に居たいって。結局記憶はなかったけど僕は君と一緒に居れたんだね。何度も死んだけどそのたび思ったよ。君と居たいって。
なのに君は死んだ。君の事だから僕が生きていたら幸せになれると思ったんだろう?確かに女はすり寄ってくるよ。けどね、君とじゃなきゃ笑えない。…幸せに、なれないんだよ。
テストでいつも学年一位なのに少し頭がいいだけって思ってる君。小さい顔に大きな目の小動物みたいな可愛い顔なのに平凡だと思ってる、ほんとはモテモテなのに鈍感で気づかない君。僕の外見じゃなくて内面を見てくれた君。ずっと隣に居てくれた君。君以外何もいらないよ。僕はね君が思ってるより、君が好きで愛してるんだ。
だから、今世で幸せになれないのなら来世に賭けよう。僕の内面を見てくれた君なら姿が変わってもきっとまた見つけてくれるよね。そして僕は絶対に君を離さない。神様がいるなら僕は願う。来世は彼女と同じ世界へ。そして今世の分まで一緒に幸せに…。だから死のう。君がいない世界に未練なんてないから。僕の居場所は君の隣しかないのだから。
—愛しい君へ。待っていて、今君の隣に行くから。