第12話「カッコいいようなそうでもないような妙な二つ名だなあ」
【春香様】映画FWOについて語るスレPart119【代表様】
326: 名無しの観測者
なあ、デフォルトの名前が『観測者』なんだが
『鑑賞者』の間違いじゃね?
327: 名無しの観測者
>>326
春香様を鑑賞とは恐れ多い
我らは見守るだけだ
328: 名無しの観測者
そういえば、ようやく判明したな
春香様の進学先
329: 名無しの観測者
>>328
同級生があのキャンパスに進学したんだが
裏山すぎ
330: 名無しの観測者
>>329
同じ大学ってだけで裏山とか
331: 名無しの観測者
>>330
違うんだよ…そいつの話がな…
332: 名無しの観測者
>>331
詳細
333: 名無しの観測者
あーん
334: 名無しの観測者
あーん
335: 名無しの観測者
あーん
336: 名無しの観測者
>>333-335
詳細っつてんだろ!
とんでもなく裏山な話らしいのだけはわかるが!
337: 名無しの商人
こっちにも謝罪
俺達が間違ってた
悪い
338: 名無しの観測者
>>337
あの商人がここまでとは
一体なにが
339: 名無しの魔導師
なんであたしは…卒業間近に…
340: 名無しの商人
>>339
俺のセリフ取るなよ
341: 名無しの観測者
姉御まで
俺ちょっと行ってくる
春香様のキャンパス
342: 名無しの観測者
>>341
通報はしないでおいてやる
くやし涙にくれるだけだからな
俺がそうだった
343: 名無しの観測者
あーん
◇
伊藤教授の研究室で打合せ。歌詞の言葉の分析が少し進んだそうだ。
ところで、建物入口の事務受付のお姉様、いい加減、私のこと信じて下さい。『まあ、今日も放課後にお父さんのためのおつかい?偉いわねー。はい、飴あげる。あーん』って、私をいくつだと思ってるの。
「すまんな。彼女は冗談が大好きなんだ」
「え、今まで知ってて」
「君のことを知らない者などいないだろうに…」
orz
閑話休題。
「君が聞いていた通り、あの歌詞は故郷のことを表現しているようだ。地元の歴史や、風景のね」
「現地調査、したいですね。当面は、無理そうだけど」
「こればかりはな…」
私の最終目的は、あの歌詞の日本語訳だ。メロディだけ同じで歌詞だけ別のものにすることもあるけど、意味的に何から何まででっち上げたくないという想いがある。それは、田中さんも同意している。
それと、私が現地調査したい理由として、もうひとつ。
あの、仮想世界。VRゲームというよりは、ひとつの、閑散とした、でも、のどかな世界。
今でもアクセスできるかと調べたが、どうにも見つからない。まあ、もともと広報されていたわけではなく、別の仮想世界で聞いた話を元にアクセスして見つけただけだ。その世界を、現地で探したい。
そんな思い出を伊藤先生に話したら、
「…!君が、君が『放浪者』だったのか!あの伝説の!」
伝説って。私は別に一子相伝の何かを受け継いではいませんよ。
でも、『放浪者』?カッコいいような、そうでもないような、妙な二つ名だなあ。
「言語学の世界では今でも有名だよ!世界中のあらゆる仮想世界を渡り歩き、現地の様々な言語を修得、多くの人々と交流を深めては去っていく、謎のプレイヤー」
「そんなに、知られていたんですか…」
「そうさ!アバターの姿は仮想世界ごとに異なるが、名前は一貫して…ああ」
リーネ。
人名としては、さほど珍しくない。FWOでも増殖したし。
「ああ、素晴らしい!ぜひ、君のことを論文にまとめて学会に…!」
「やめて下さい」
「!?…そうか、そうだな。これ以上、変に有名になっても、君が困るだけか」
まあ、必要に応じて協力はしますよ。田中さんへのそれと同じようにね。
そういう意味では、伊藤先生にも私の『おかしな特技』を教えた方がいいのかな。そうすれば、『ケインとしての協力』もできるし。まあ、気が向いたら田中さんに相談してみよう。
◇
その後、行方不明の社員の消息はなかなかつかめず、件の隣国との関わりもよくわからないまま、数日が過ぎた。まあ、そんなにすぐにはわからないか。リアル時間じゃ短すぎる。おっと、FWO脳が。
いずれにしても、あれだけの騒ぎを起こしたんだ、PK集団をけしかけた方だって、そうそうすぐに同じことをしようとはしないだろう。FWOにしても、他のVRゲームにしても。
ええ、見事なまでのフラグでしたね。
ボス攻略を終えて一息入れていた時、その集団は襲ってきた。
それも、私達リーネパーティだけでなく、攻略済エリアのリポップしたボスを討伐していたいくつものパーティにも、同時多発的に。
そして、今度はPK無効化をしかけてこなかった。ペナルティ等があっても問題ないほど、彼らは大規模に攻めてきたのだ―――




