第30話「ぐっ…封印…胸が…うずくっ…!」
【ついに!】FWO総合スレPart1301【映画化!】
791: 名無しの鍛冶職人
データ班分析結果報告
実写だった
繰り返す
実写だった
792: 名無しの船職人
>>791
マジかよ
記録映像じゃなくて全編実写か
終了
793: 名無しの肉屋
>>792
記録映像を使うのは確かだろ
背景とかはFWOのそれだったし
ならあのリーネはなんだという話が
794: 名無しの弓使い
>>793
見事なまでに顔出してないしな
やはり終了か
795: 名無しの魔導師
>>795
気になるのはキャスト
リーネ・フリューゲル:????
なぜ伏せ字
そしてひとりしか書かれていない
796: 名無しの鍛冶職人
>>795
姉御ちっす
確かに、隠す理由がわからない
近況班なにか知らんか
797: 名無しの漁師
>>796
なぜに近況班
ケインは微笑みながら魔法陣量産指導
リーネちゃん御本人は雑魚蹂躙に復帰
これまでになく無表情だが
798: 名無しの魔導師
>>797
ショックなのかなあ
後でメッセ送るか
799: 名無しの釣り師
仲間の魚屋があのポスターでハイテンション
何をそんなにと聞いても息を荒くするだけで
800: 名無しの商人
>>799
ケイン信者の魚屋が?
最近情報屋以上に何か知ってること多いから侮れん
801: 名無しの魔導師
>>800
突撃してきなさい
こっちは別件があるから
802: 名無しの商人
>>801
それ俺も行くって言ったじゃんか
803: 名無しの船職人
姉弟漫才は本日も健在
つーかリアルでやれ
◇
さて、予定していた順番は逆になったが、美里と健人くんに打ち明けよう。
ウチの両親ほどすんなりいくわけじゃないだろうけど、ていうか、あれは本当に予想外だったけど、別にケインや『ハルカ』のことまで喋るわけではない。あまり気を張っても逆に失敗するだけだ。
携帯端末の通話アプリを起動し、念のため交換しておいたIDで美里を呼び出す。
トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…
うう、緊張する。
コミュ障気味の私は、通話なんてほとんどしたことがない。IDも交換してないからね!
そういえば、健人くんとはID交換してないな。する必要もないかもしれないが。でも、私が男の子の…
『もしもし、春香?どうしたの?』
「あ、み、美里。ちょっと、話があって…」
『んー、なになに?』
明日の昼過ぎ、学校近くの喫茶店で会ってくれないかと伝える。できれば、健人くんも、とも。
『あー、その時間帯、元クラのFWO未体験者と集まることになってるよー、リアルで』
「え?リアルで?」
『最初のアカウント登録からよくわかんないっていうのが多かったのよ。10人くらい』
よくわからない…?
FWOは、VRゲームの中では一番登録方法がわかりやすいと思うのだけれども。
私だけか?そう思うの。VRゲームは何年も前からいろいろやってきたからなあ。
『だから、体験者も含めてリアルで集まって、最初から教え合うことにしたのよ。全員で23人かな、あたしを含めて』
「23人!?そんなに、たくさんの人数で、ヘッドセット接続、できる場所あるの?」
『あるよー。こないだグループに送ったでしょ?隣町のネットカフェ…あっ』
…ああ、なるほど、グループね。メッセージアプリの。
うん、知ってるよ?クラスでグループ作ってたってこと。教室で話してるの聞こえたし。
聞こえただけだけどね。聞こえただけで、誰も私を招待してくれなかったけどね!
『えっと、今から位置情報送るね?リアルであたしに会いたいってことは、その時間帯空いてるんだよね?』
「…そうね」
『ひっ…あ…じゃ、じゃあ、その場所に来てねっ。こ、古参プレイヤーがいると心強いから!』
「わかった。それじゃ」
ぷつん。
いやー、なんか途中からリーネのロールプレイがにじみ出ちゃったよー。最近あんなコスプレしちゃったからかなあ。あははは。
…うん、大人気なかったね。自ら声をかけなかった私が一番悪いのに。
大学生活始まったら、たくさん、たくさん友達を作ろう。VRゲームにばかりかまけてないで。
◇
「キャー!ホントにポスターそっくりー!」
「…ポスターの格好、そのままですから」
「うわー、うわー、うわー!リアルでもリーネちゃんそのまんまー!キャーッ!」
御近所迷惑ですよ、高橋さん。アパートなんですから。
あと、確かにリーネも入っていますが、単に白い目で見ているだけという話もあるんですよ。
『そういえば、あたし直接見てない!』とFWO内で駄々を(ケインの前で)こねたので、明日の元クラ集合の件の相談を兼ね、高橋さんの自宅アパートでリーネコスプレのお披露目となった。
「あと、銀貨!銀貨切って!FWOでお父様に聞いたわ!」
「あ、今日は銀貨持ってきてません」
「(´・ω・`)」
わざと持ってこなかったに決まっている。そう何度も切ってたら、すぐになくなってしまいそうだ。
「じゃあ、アレやって!『私はリーネ・フ…』」
「嫌です」
あれは無意識に口に出ていただけだ。意識的に唱えていたら、完全に厨二病である。
タダでさえ、『ハルカ』の時に…わあああっ…ぐっ…封印…胸が…うずくっ…!
「残念。それで、23人?多いわねえ」
「そうなんです、けど、ここならできる、みたいなんです」
「ふーん…。それなら、思い切って、みんな本社に呼んじゃえば?仕事で聞いたことがあるよ、そういう施設があるってこと」
え、またそのパターン?




