第28話「お前達の正体は世界最大の謎だからな!」
【映画化】FWO総合スレPart1033【まだか】
1: 名無しの探索者
ここは、『フェルンベル・ワークス・オンライン』通称FWOについて語るスレです
なお、特定のアバターや職業については専用スレへ
2: 名無しの肉屋
おい、スレタイびっくりしたじゃねえか
ついに映画化かと思ったのに
3: 名無しの八百屋
>>1
別に、ちょっとくらいアバターのこと書いたって…
4: 名無しの鍛冶職人
>>2
お前はゲームしたいのか映画を観たいのか
>>3
その方がまだマシだな
それがいつものふたりのことであっても
5: 名無しの神父
ふたりがいなくなったらどうなるんだろうな
もし、の話だが
6: 名無しの漁師
>>5
信者報復回避行動乙
7: 名無しの弓使い
>>6
お前、釣り師?
8: 名無しの漁師
>>7
違う
漁師は生産職
釣り師は戦闘職
9: 名無しの船職人
>>8
初めて知った
10: 名無しの鍛冶職人
>>9
船職人も今知った
俺、鍛冶職人なのに
11: 名無しの船職人
>>10
木工職人から転向した
水魔法を修得したらできた
運営設定面白すぎ
12: 名無しの鍛冶職人
>>11
俺が水魔法を修得しても可能か?
鉄でできてる船もあるだろ
軍艦にしびれるあこがれる
13: 名無しの船職人
>>12
できるってさ
情報源はいつもの
14: 名無しの床屋
本当に、いなくなったらどうなることやら
15: 名無しの斧使い
>>14
床屋詳細ぷりーず
スキンヘッドにしたい
16: 名無しの床屋
>>15
闇属性反転のHPポーションをぶっかけてもおk
情報源はいつもの
17: 名無しの陰陽師
広く浅くにも程があるだろ
18: 名無しの竜使い
だから、職業談義は専用スレに行けと
◇
原点に、戻ろうと思う。前にも思ったな、そんなこと。
その時は掲示板を意識しすぎたが、今回は…美里と健人くん?両親?高橋さん?運営?
思えば遠くに来たような、そんな気がする。
【全体メッセージ:プレイヤー『リーネ・フリューゲル』率いるパーティが第49エリアのボスを討伐しました。第50エリアを開放します】
「開放エリア数も大台に乗ったわねえ。キリ番イベントとかやるのかしら」
「しばらくは、やらないと思う」
「なんで?」
「なんとなく」
映画化案件を先に片付けたい雰囲気がヒシヒシと伝わってきたからなあ。
世の中やっぱり金なのか。金なのだろうなあ。
「あ、ねえ。もしかすると、あと何日かしたら、しばらく討伐には参加できなくなるかも。こっちの世界の時間での話だけど」
「なぜ?」
「ミッキーから聞いてない?ルークがあたしのリアフレってことがわかってね。他のリアフレとしばらく一緒に遊ぶかもしれないんだ」
うっ、そっちの問題がまるで解決してなかった。懲りないな、私も。
しかし、ミッキー高橋さん、どこまで喋ってるの?
「別に、いいけど」
「…ねえ、リーネ?なんか、いつも以上に喋らなくなってない?怒ってる?」
「怒って、ないよ」
下手に喋ってボロが出ないようにしているだけです。本当は、ミッキーのこと確認したいけど。
ケインだと流暢に手八丁口八丁なんだけどなあ。
「そう?あ、リーネも一緒する?リアフレのみんな、喜ぶと思うよ」
「ごめん、レベル上げがあるから」
「そ、そう…」
うーん、まずいなあ。
リーネとしての私を表向き何も変わっていないようにすると、周囲の変化を無視したような形になる。結果的に、それまでの人間関係、この場合はアバター同士だけど、それが変化してしまう。
戦いに明け暮れる少女…といえば聞こえばいいけど、いや、世間一般的には良くないんだけど、やっぱり寂しいイメージだよね。だからこそ、正反対のケインとの組合せが話題になるのかな。
…私自身の問題もあるし、リーネのみのカミングアウトを決断するべきなのだろうか。田中さんの蒸し暑い構想に飲み込まれるのは癪だけど。
◇
「いやあ、まさか、あの先輩が古参FWOプレイヤーだったとはなあ」
「えっと、ビリー、それ僕に言っていいのか?」
「ん?ケインはルークと昔馴染みなんだろ…あっ、リアルは知らなかったんだっけ」
おおおい健人くん、ダメじゃないか。他人のリアバレ絶対禁止。
「はあ…。まあ、ミッキーから多少は聞いて推測はしていたけどね」
「まずいなあ。ルークとして遊べるようになったら、真っ先に謝らないと」
「遊べる?」
「今、姉貴が一生懸命アプローチしている。俺は、まあ、余計なことをしない方がいいかなと」
そうだね。その方が私も気楽なのだよ、トラウマ製造マシンの健人くん。
「そういう意味では、ケインはすごいなあ。俺もそれをわかってて話したんだけどさ」
「すごい?」
「俺がケインに話した先輩のこと、誰にも言ってないんだろ?ケインって顔広いから、俺だったらうっかり話題にしちまうよ。さっきみたいに」
ごめん。それについては、ほんっとーにごめん。
おそらくは一番知られちゃいけないだろう私にしか喋ってないっていうね。
「まあ、そうだな。リーネにも言ってないから、ミリーにも伝わっていないだろうし」
「そっかー。まあ、結局姉貴には先輩のこと、俺から直接話したけどな」
「そうなんだ。うまくいったのか?」
「ああ、ばっちり。…あ、いや、別に先輩の件は、姉貴とはあまり関係、ないけどな。姉貴と先輩、もともとあんまり話とかしてこなかったみたいだし」
そうなんだ、ばっちりうまくいったんだ。
ばっちり、うまくいったんだ。
ふーん。
「そ、そういえば、ケインって、リーネちゃんのリアルのこと知ってるのか?あれだけ仲いいってことは、少しは聞いてるんじゃないか?」
「んー、知ってるっていうか、リアルで会ってるし」
間違いではないね。
今でも、心の中で一緒にいる。なーんて。
む、田中さんが乗り移った。退散退散。
…あれ?ビリーが固まった。
「…え、え!?リーネちゃんのリアル、知ってるのか!?」
「いや、だから、会ってるから…」
「少し、少しだけ、リーネちゃんのリアル教えてくれ!年齢は!?見た目は結構違うの!?…はっ、女、だよな!?実は男ってことないよな!?」
うわ、すごい食いつき。
なに、リーネとしての私は恋愛対象じゃないんじゃなかったっけ?
あ、『ハルカ』のトラウマが解消されて、あらためて興味が湧いたとか?
「リーネのリアル、そんなに興味あるのか?」
「そりゃあそうさ!お前達の正体は世界最大の謎だからな!」
「え、僕も含まれてるのか?」
高橋さんと同じこと言ってるし。いやだから、私は古代文明の遺跡か何かかっての。
「個人的には、お前は別にいいけどな。金持ちイケメン設定のアバターがどんなプレイヤーでもあんま興味ないし。あ、当然、姉貴は興味津々だぞ?」
「そ、そうなのか」
「で、どうなんだ?せめて、性別と年齢を!」
いやあ、それが一番まずいっしょ。
「悪いけど、話せないな。たとえばさ、リーネのプレイヤーが、この間案内したルークのリアル母親と中身同じくらいの年齢だったとしたら、どう思う?」
「それでもいい!見た目は子供、中身は大人。いいじゃないか!」
「ええ…」
それ、何かの登場人物と間違えてない?
ていうか、『子供』って言ったか?『子供』って言ったな?
リアル私と背格好だけは同じリーネを、『見た目は子供』って言ったな?
『見た目そういう雰囲気だから』って言ったの、覚えてるんだからね?
ふふふふふ…はあ。
「ケイン?なんか、表情がなくなってるぞ。俺、変なこと言ったか?」
「ああ、ごめん…いや、ビリーの好みは特殊だなあ、と」
「好みじゃねえっての。意外性があるのがいいってことだよ。あ、俺の場合は女性限定な」
意外性、ねえ。
ケインも中身女の私だけど、それ知ったらどういう反応するんだろ。
そういえば、高橋さんも田中さんも受付の人も、そういう意外な反応はしてなかったような。
とんでもなく見つめられて、とんでもなく驚かれはしたけど。あれは、なんだったんだろう…。




