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SS「運営スタッフは、佐藤春香を守りたい」

第二部では恒例となってしまったSSです。あ、はい、美里とだいたい同じノリですね。

運営「同時接続?ぷげら」

運営「ちょっと待って、それ訊いてきたの、あの『佐藤春香(さとうはるか)』だって!」

運営「あの『ハルカ』の中の人か!?なんでそんな大物がウチみたいな新参に!?」


<第一部プロローグ>


運営「できちまったよ、おい…」

運営「さすが伝説のプレイヤー、というべきなの…?」

運営「おい、お前ちょっとやってみろよ。ヘッドセットふたつ付けてさ」

運営「いや、そもそもふたつ付けて、それからどうするんだよ?」

運営「ヘッドセットの位置の問題もあるけど、アバターがふたつ…わからん」

運営「稼働初日からこんなことがあるなんて…」



運営「FWO稼働からたったの数週間、一気に業界トップのシェアになるとはな…」

運営「広告収入や投資も増えて、会社の立ち上げ資金があっという間に回収できたって」

運営「給料も倍増に次ぐ倍増…。小さい子会社だったから安月給覚悟してたんだけど」

運営「近いうちに本社ビルが建つってさ。こうして認められると、やはり嬉しいものだな…」

運営「それもこれも、あの佐藤春香様のおかげだ。お前ら、崇めろ」

運営「でも、ちょっと悔しいよな。俺達の総力をかけた実装がたやすくクリアされちまうのは」

運営「それも、華麗に、優雅に、な。リーネの攻略は見ごたえがあって、中継はいつも満員御礼」

運営「ケインのスローライフも癒されるんだよな。男の俺でも、ケインを見ていると…」

運営「寝るな!リーネパーティがまたエリアボス討伐しちまった!早く次のボスも実装しないと!」



運営「わかんねえ、わかんねえよ!一体どうすりゃいいんだよ!」

運営「あの『ハルカ』アバターに近づくことすらできねえ!このままじゃ…!」

運営「落ち着け!最悪の場合、全プレイヤーを強制ログアウトさせれば解決する!」

運営「私、こないだオンサイトでメンテナンスやってた時うっかり電源落としちゃって…」

運営「…世界の方が突然消えてなくなったあの恐怖は、俺も一生忘れられない…」

運営「FWOもこれで終わりなのか?せっかく、せっかくここまでやってきたのに…!」


<第一部第15話>


運営「ありがとう。佐藤春香様。ありがとう…!」

運営「不正ツール察知しただけでなく、魔法陣展開を最大限活用するとはなあ」

運営「アバター制御能力だけじゃなく、相応の知識や技術もあるよね、彼女」

運営「どんなプレイヤーなんだろうな。一度、リアルで会ってみたくなったよ」

運営「やっぱり、あの『ハルカ』みたいな凛とした感じかな?美人かなあ」

運営「そろそろ卒業とはいえ、まだ女子高生なのよねえ。すごいわあ…」



運営「なあ、PV販売の次は映画化だってさ」

運営「しかも技術営業の田中さん、中の人である佐藤様を出演させるとか言ってるらしい」

運営「ええ…。タダでさえ実写ってことで不利な印象があるのに。彼女だって素人なんでしょ?」

運営「おい!佐藤春香様がウチの会社に来るってよ!リアルで!」

運営「「「「「なんだって!?」」」」」

運営「映画のことはともかく、御尊顔を拝みに行こう。可能であれば、実りある技術交流を」

運営「そうだな、行こうぜ!」


<第一部第26〜27話>


運営「「「「「…」」」」」

運営「なあ…俺達、あの娘に何度も助けられたっていうのか…?」

運営「…そして、技術でも知識でも負け続けていたというの…?」

運営「違うだろ!?俺達が彼女を、春香ちゃんを守るべき立場じゃないのか!?」

運営「そうだ…そうなのに…俺達、なんて不甲斐ない…!」

運営「俺達は!ここに誓う!佐藤春香ちゃんを、超える!」

運営「そして、これまでの恩に報い、彼女を幸せにするんだ!」

運営「「「「「おお―――――!」」」」」

運営「かわいい、かわいい」

運営「春香たんはぁはぁ」

運営「こいつらは徹夜メンテに投入」



<第一部第34話>


運営「いやあああああ!もう観たくないいいいい!」

運営「耐えろ!春香ちゃんが傷一つ負わず助かるのはわかってるんだ!」

運営「そうだ!最高のPVとなるよう、早く映像をまとめろ!」

運営「BGM上がった!あの作曲家もリーネファンだからな、イイやつ作ってくれたよ!」

運営「よし!早く編集班に回せるよう、みんながんばれ!」

運営「鉄骨が、鉄骨があああああ!春香ちゃん、春香ちゃあああああん!」



運営「いつもはっちゃける田中さん、今回ばかりはぐっじょぶと言わせてもらう」

運営「ああ、歌声で癒される…ケインの中の人だけのことはあるということなの?」

運営「あれ、春香ちゃんがなんか暗黒面に堕ちてるぞ。編集班がんばったのに…」

運営「そうだ、このヘッドセットさっさと解析しちまおうぜ。春香ちゃんに早く返さないと」


<第一部第39話>


運営「…」

運営「…」

運営「なあ、これ、ヤバくね?」

運営「ああ、ヤバいな。ヘッドセットは普通ってことが確定した」

運営「春香ちゃん、何者なの…?」

運営「彼女が何者かは関係ない。いや、我々がより守るべき存在であることがわかったのだ…!」

運営「そうだ!そのためにも俺達は団結して知識と技術を磨き、いざという時の盾となるのだ!」

運営「「「「「おお―――――!」」」」」



<第一部第44話>


運営「…」

運営「…」

運営「なあ、お前、あんな短期間でアバター情報を書き換えられるか?しかも、FWO内で」

運営「できねえよ!なんだよアレ!書き換えスキルすらも書き換えしてあったってのか!?」

運営「おい、『ハルカ・フリューゲル』が増殖したぞ」

運営「もう驚かない。全部マシンガンもって何かしようとしていても驚かない」

運営「…」

運営「…」

運営「春香たんはぁはぁ」

運営「あっ、こいつ勢い余って掲示板に書き込みやがった!あ、魚屋から突っ込み」

運営「あの人、結構いろんなこと知ってるわよね…春香ちゃんともよくリアルで来てるし」

運営「ないわー、あれはないわー」

運営「あ!こいつも!」

運営「見ろ、プレイヤーから運営呆れられてるぞ」



<第一部50話>


運営「春香ちゃんから提出された証拠映像がカッコ良すぎる」

運営「『切られてみる?元は御社のアバターに』(キリッ)」

運営「春香ちゃん、今でも絶賛厨二病発症中だよな。似合うからいいけど」

運営「そんでもって、スタッフから技術から春香ちゃんが詐欺会社をお買上げか」

運営「そしてついに、我らのトップに…!」

運営「本人はそのつもりないみたいだけどな。しかし、こうなると…」

運営「ああ、いつになったら春香ちゃんを守れる存在になれるんだ?」

運営「むしろ、私達が守られてるよね、春香ちゃんに」

運営「いや、あきらめるな!我らは誓ったではないか!春香ちゃんを守り、幸せにすると!」

運営「そうね!ようやく大学生になるんだし、これからよね!」

運営「「「「「おお―――――!」」」」」




<第二部>


運営「今度こそ、今度こそお役に立てたと思ったんだけどなあ…」

運営「その数倍は軽く凌駕されたことをやられちゃったらねえ…」

運営「しかも俺達、春香ちゃんのやってることに恐れおののいていただけだったよね…」

運営「そのやってることだって、私達を守るためだったんだよね…部隊や戦艦相手に…」

運営「我々が一歩前進した時に、春香ちゃんはいつの間にか百歩進んでいたって感じ?」

運営「いや、あれはもう、FWO始めた時点で数万歩違ってたんだよ…」

運営「ダメ、なのか?我々は、守られるばかりの存在なのか?彼女に、佐藤春香ちゃんに」

運営「まだだ!まだ終わらんよ!不断の努力が実を結ぶのだ!彼女だってそうだったはずだ!」

運営「そうよね!春香ちゃんも、何十倍も時間加速した世界を、いくつも渡り歩いたって…」

運営「…」

運営「…」

運営「やっぱ、ダメじゃね?」

春香「ねえ」

運営「「「「「!?」」」」」

春香「FWOって、ダンジョンとか、グランドクエストとか、実装しないの?」

運営「あ、いや、それはずっと検討中で…」

春香「エリアが頭打ちに、なったし、そういうのがあっても、いいはず」

運営「そ、そうですね…」

春香「私が、実装する?現実時間で、一晩はかかってしまう(・・・・・・・)けど」

運営「「「「「勘弁して下さいお願いします」」」」」

春香「そう?でも、これが実装されれば、みなさんのお給料も、もっと」

運営「「「「「春香ちゃん、運営まで養ってるつもりだったの!?」」」」」

第二部の分も細かく書こうとしたら数倍に膨れ上がりそうになったのでやめました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 春香ちゃん……普通、一晩では出来ないから……出来ないから(´;ω;`)
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