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VRMMOで攻略とスローライフの両方を手に入れる方法  作者: 陽乃優一
第一部 因縁と苦悩のオルタナティブ
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プロローグ

短編として2つ投稿したものの連載版です。

「えっと、それ、2つ同時に『操作』することはできますか?」

「…は?」

「このゲーム、メインとサブの2つのアバターを作成できるんでしょう?」


 チュートリアルを受けながらアバター設定を行っていた私、佐藤春香(さとうはるか)は、そんなことを担当NPCに尋ね、そして、呆れられた。呆れ顔が本当の人間のようだ。

 なお、私の方はまだアバターの姿ではなく、真っ白な空間を意識だけで漂っているような状態だ。


 長かった大学受験を終え、時間的にも余裕ができた私は、本日稼働を始めたばかりのフルダイブ型VRMMO『フェルンベル・ワークス・オンライン』、通称FWOを始めた。

 以前から考えていた、『2アバター同時接続』を目論みながら。


「この場で同時作成はできますが、ログイン後の同時操作はできません。そもそも、インタフェースが対応していませんから」

「あ、ヘッドセットは私の頭にふたつ接続してますから。変な改造はしていませんよ」

「はあ…?」


 ヘッドセットのひとつは、合格祝いとして両親に買ってもらった最新型。もうひとつは、以前自腹で購入した旧型。

 私は担当NPCに説明し続けたが、そのうち、疲れた顔で『上司』を呼んできた。運営側のプレイヤーアバターらしい。その上司プレイヤーにもあれやこれやと説明する。


「確かにお客様からは2アバター分の同期信号を確認していますので、メインとサブのそれぞれに接続を振り分けることができますが…フルダイブ型では前代未聞ですよ?」

「とにかく、一度やらせてもらえませんか?」


 チュートリアル用の仮想空間で接続してもらい、メインとサブの仮アバターを動かしてみる。

 油断すると意識が一方に偏ってしまうが、同時操作はそれなりにうまくいった。


「脳への過度な負担が考えられますから、異常信号を検出次第、強制ログアウトとします。これは譲れませんよ」

「ええ、それで結構です。ありがとうございました」


 こうして私は、剣士タイプの少女型『リーネ』をメイン、錬金術師タイプの青年型『ケイン』をサブに、2アバター同時操作でこのFWOを始めたのだった。



 そして、数週間後――――――

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